渋谷駅は言わずもがなの東京を代表する駅の1つ。ファッションビルの109やセンター街など若者文化の発信地であるとともに、ベンチャー企業が集まるなど新たな側面も見せています。
そのため、近くに住む人も意外と多いのですが、住み心地の良さについては実際に住んでみないとわからないようです。例えば毎日通う会社への通勤ラッシュがどれくらいかは、引っ越して実際に朝の電車に乗ってからでないとわからないのでは?
そこでWoman.CHINTAI編集部が実際に朝の通勤時間帯に、世界最多の乗降員数を誇る新宿駅に向かうと仮定して、混み具合や混雑率などの通勤情報をリサーチしてみました。
朝9時前に新宿に到着するためには、どのような混雑が待ち受けているのでしょうか。ラッシュにあわずに混雑時間を避け、椅子に座ることはできるのでしょうか? 後半には、実際に乗車して体験した生の声もお届けします!
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渋谷駅の特徴と基本情報
渋谷駅(全体)の基本データ
渋谷駅のある鉄道会社は、JR(JR東日本)だけではありません。京王電鉄の井の頭線、東急の東横線・田園都市線、東京メトロの銀座線・半蔵門線・副都心線が走っています。渋谷駅が始発となる路線も多く、特に京王井の頭線や東京メトロ銀座線は相互直通運転をしていないため、並べば座れる始発駅というメリットがあります。
今回の朝のラッシュ時での新宿駅行き調査はJR山手線をメインとしていますが、もしJRが交通トラブルなどで利用できない場合は、
・京王電鉄の、渋谷駅→明大前駅→新宿駅(約26分)
・東京メトロ&都営地下鉄で、渋谷駅→青山一丁目駅→新宿駅(約20分)
・東京メトロ副都心線で、渋谷駅→新宿三丁目駅(約6分)からの徒歩(約6分)
などのルートもあります。
記憶の片隅に留めておくと、いざという時に便利かもしれません。
渋谷駅(JR)の基本データ
渋谷駅の1日平均乗車人員は、2018年度は370,856人です。かつては約20年にわたり、新宿駅・池袋駅に次ぐ利用者数3位を誇っていましたが、2018年度現在はJRの駅で7位となっています。その分混雑が緩和されたと思うと、ちょっと嬉しいかも(?)しれません。
渋谷駅のホームは、地上2階部にあります。ホームへ向かう改札口は複数あります。
・一番有名なのは忠犬ハチ公像のあるハチ公改札でしょう。渋谷駅全体の北西部にあり、東急東横線・田園都市線や東京メトロ半蔵門線・副都心線とのアクセスにも使われます。
・玉川改札は、ホームと同じフロアである2階にあり、そのまま駅ビルの東急百貨店内に入ることができます。東京メトロ銀座線や京王井の頭線へのアクセスに便利です。
・1つ上の3階には、中央改札があります。改札の正面には東京メトロ銀座線の改札がありますが、こちらは降車専用なので乗ることはできません。宮益坂口も近く、渋谷ヒカリエとつながっています。
・渋谷駅のやや南側にあるのが南改札です。出た左右が西口・東口となっており、バスターミナルがあります。
・そして今まで出てきた改札口よりも、さらに大きく南に位置しているのが、新南改札のある新南口です。
JR渋谷駅を走っている路線は大きく2つ。1つは山手線、もう1つは埼京線や湘南新宿ラインです。どちらも新宿へ到着します。
JR渋谷駅からJR新宿駅へのアクセス
新宿駅までの平均所要時間は、山手線だと7分、埼京線や湘南新宿ラインだと5分です。これは、山手線の場合は途中で原宿駅・代々木駅に停車するのに対し、他2路線の場合は一気に新宿へ向かうためです。どちらもJRの路線なので利用料金は変わりません。ただし2つの点で注意が必要となります。
まず1点目が本数について。通勤ラッシュの8時台のそれぞれの本数は、山手線は20本以上ですが、埼京線は9本・湘南新宿ラインは5本と数は少なめです。
2点目がホームについて。渋谷駅も新宿駅も、山手線と他路線とでは駅のホーム位置が大きく異なります。まず渋谷駅の場合、ハチ公改札や中央改札など大半は、山手線のあるホームとつながっています。一方、埼京線や湘南新宿ラインのホームに直結しているのは、新南改札のみです。この2つのホームの間には連絡通路はありますが、歩いて5分近くかかります(なお、2020年春にはホーム位置が変わる予定だそうです)。
同様に、新宿駅も山手線の到着ホームはJR新宿駅の他路線とほぼ同じ位置となりますが、埼京線・湘南新宿ラインの到着ホームは南寄りの離れた位置にあります。つまり、渋谷駅で新南口から乗る場合や、新宿駅を出てからの行き先によっては、埼京線・湘南新宿ラインを使った方が良いかもしれません。しかし、使用頻度が高い山手線のホームにいるのにこれら路線を使おうとするのは、ホーム間の移動にかえって時間をロスしてしまいますので、ご注意ください。(この先の調査では、山手線での移動をメインとしています)
渋谷駅周辺の情報
渋谷を代表するものとしては、まずは忠犬ハチ公の像。渋谷駅の北西にあり、ハチ公口を出て目の前です。そして、ハチ公に隣接する道路は、ニュースなどの映像でもよく取り上げられるスクランブル交差点です。交差点を渡った先には、センター街があり、奥へ進むとロフトやスペイン坂などがあります。他にも、北へ向かうとマルイ、タワーレコード。西へ向かって坂を上ると、109や東急百貨店、Bunkamuraなど、様々な施設が広がっています。
ハチ公像から50mほど南へ向かうと、もう1つの渋谷駅の待ち合わせのモニュメントとして有名なモヤイ像があります。近くにはバスロータリーがあります。
神宮通りの道路を渡った西側には、複合施設の「渋谷マークシティ」があります。2階には、京王線の渋谷駅の改札があります。
また、反対側の渋谷駅東側には、2012年に複合商業施設の「渋谷ヒカリエ」がオープン。特に地下鉄の駅などとは直結しており、オフィス、商業施設、レストランなどに加え、「東急シアターオーブ」「ヒカリエホール」といった施設も入っています。
そして最近注目が高まっているのは、渋谷駅の南側。
2019年9月に、35階建ての高層ビル「渋谷ストリーム」がオープンしました。エクセルホテル東急の客室や、Google社のオフィスがある他、コンサートホールやスポーツ施設などが入っています。
また、渋谷は地下街も発達。東京メトロ半蔵門線と東急田園都市線(互いに直通運転)、東京メトロ副都心線と東急東横線(互いに直通運転)のホームは、全て地下にあります(東京メトロ銀座線は地上3階)。
2019年11月に、大型複合施設の「渋谷スクランブルスクエア」が開業。それに合わせて、地下の出入口番号や駅の案内表示を見直して、よりわかりやすいものへ変更したことも話題となりました。
若者人気を支えているだけでなく、常に進化を続けている街であるともいそうです。
渋谷駅の通勤ラッシュ・混雑時間の実態を調査してみた
渋谷駅の混雑状況についての情報を集めてみました。
混雑率について
混雑率とは、電車の混み具合を数値化したものです。国土交通省では、下記の目安を発表しています。
混雑率 |
状況 |
100% |
定員乗車。座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる。 |
150% |
広げて楽に新聞を読める。 |
180% |
折りたたむなど無理をすれば新聞を読める。 |
200% |
体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める。 |
250% |
電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない。 |
出典:国土交通省ホームページ(https://www.mlit.go.jp/common/001245346.pdf)
渋谷駅から新宿駅までの混雑率について
山手線というと、東京都内を走るメインとなる電車の1つですので、朝は通勤ラッシュでいっぱいという印象があるかもしれません。実際、15年前までは、常に混雑率は200%を超えていたとの記録があります。
しかし、近年では電車の本数を増やす、新型車両の導入などの工夫も増え、混雑率も緩和。国土交通省が発表した2018年度のデータでは、東京圏全体のピーク時の平均混雑率が「163%」に対し、山手線外回りの混雑率は「151%」(上野駅~御徒町駅の間、最混雑時間帯である7:40~8:40の平均)という数値となっています。
なお参考データとして、反対の内回りは「158%」(新大久保駅~新宿駅の間、7:40~8:40の平均)となっています。外回りの方が、内回りより若干混雑率は少ないようです。
渋谷駅の駅員さんに聞いてみた
朝の電車の混雑状況について、渋谷駅の駅員さんに話を聞いてみました。
混雑のピークは7時前から、9時半くらい。改札や出口は色々ありますが、朝の混雑については大きく人数差はないそうです。
車両の混雑差も大きくはないという前提で、どの出口からも遠い5号車が比較的空いているかもしれないとのことでした。山手線は全11両で、新宿駅方面へ向かう先頭が1号車です。
渋谷駅から乗った、JRの混み具合・混雑率の実態を調査してみた
それでは、実際に渋谷駅から乗って新宿駅に向かいつつ、混み具合の実態を調べてみましょう。
JR渋谷駅の混み具合について
今回は、バスターミナルから近く、みどりの窓口がある西口から入場。南改札を通って、山手線のホームへ向かいます。
時間は8時30分すぎ。改札前を挟んだ向かいには東口が見えます。東口は、東京メトロ副都心線や東急東横線と接続をしているということもあり、西口から改札へ向かう人よりも、人数が多いように感じます。
時刻は8時30分すぎ。新宿駅へは8時45分の到着を目指します。
山手線外回りが到着するのは、「新宿・池袋・上野方面」と書かれた1番ホームです。改札からホームへ向かうエスカレーターには行列ができていました。ただし、階段は空いていましたので、常に人でギュウギュウというわけではなさそうです。
中央改札から進むと7・8号車の停車位置に出ました。ハチ公改札からは2・3号車、玉川改札からは4号車、南改札からは9・10号車の停車位置に出ます。確かに5号車の前に出入口はありません。そのためか、並んで電車を待つ人の列がなぜかありませんでした。
とはいえ、電車到着時には10人以上の列はできます。
ただ、ちょうどホームの中央に位置するので、前後の車両の列と比較しても、気持ち少なめに感じました。
山手線の混み具合について
まず渋谷駅に到着時点で、20人ほどが降りました。ただし、既に立って乗車していた人が空いている座席に座るので、座り位置を確保するのはかなり難しそうです。
今回、乗車したタイミングで間隔調整のため停車時間が少し伸びました。その間に乗ってきた人もいるので、トータル20人が乗り込みました。
全体の乗車率は目視レベルでおよそ180%。新聞を広げるのは無理ですが、本は無理なく読むことができます。
3分後に原宿駅に停車。ここでは10数人が下車しました。
立っていた1つ隣に着席していた人が降りたので、タイミングが良ければ座れたかもしれません。残念!
原宿駅で乗ってきた人は5名程度です。
2分後に代々木駅に停車。ここで8人が下車しましたが、今回も座れず。
ただし、次の新宿駅で降りるためか、目の前の座席が空いてても座らない人もいました。
2分後、新宿駅に到着です。時刻は8時45分。
ちなみに、自分を含めて約30人が下車し、20名近くが乗車しました。もし新宿から先へ行くことがあれば、ここでは座ることができる可能性は高いです。
渋谷駅を快適に利用するためのポイント
渋谷駅から新宿駅へ向かう際に、混雑を避けて快適に利用するためのポイントや情報を整理してみました。
・渋谷駅から新宿駅までの平均所要時間は、山手線だと7分、埼京線や湘南新宿ラインだと5分。
・ただし、埼京線や湘南新宿ラインのホームは、渋谷駅も新宿駅も他路線のホームから離れた位置にあるので、注意が必要。
(2020年春に、渋谷駅のホーム位置は移動予定)
・改札の出入口前の車両位置は混んでいる。
山手線外回りの場合、どの改札からも離れた位置にある5両目は狙い目。
・電車の混雑率自体は高くはないが、座席をキープするのは難しい。
まとめ
以上、朝8時台に渋谷駅から新宿駅へ向かう場合について、渋谷駅の基本情報、通勤ラッシュ・混雑時間の情報について、ご紹介しました。
世界で3番目に利用者が多かった駅というイメージに比べると、混雑そのものは少なめでした。ただし座るのはちょっと大変! タイミングを見極める必要があるようです。
朝の通勤ラッシュは、少しでも快適に過ごしたいもの。是非、参考にしてくださいね!
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