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- 2018/12/25
一人暮らしを考えている方の中には、オール電化の賃貸物件に住むか迷っている方もいるでしょう。オール電化とよく耳にはしても、その特徴やメリット・デメリットはおぼろげにしか分からない方がほとんどではないでしょうか。特に、電気料金は住む上での固定費として気になるポイントでしょう。ここでは、オール電化の特徴や節約のポイント、オール電化の部屋に住む際の注意点などを解説します。お部屋探しの際の参考にしてみてください。
目次
オール電化の特徴
オール電化は環境に対して優しく、火を使わないため安全に利用できる点が特徴です。このようにエコロジーや安全面から、ガスを使用しないオール電化の賃貸物件が増えつつあります。この段落では、こうしたオール電化の特徴について詳しく紹介します。
すべてのエネルギーを電気でまかなう
オール電化は電気をはじめ、空調や給湯、調理など家の中で使用するすべてのエネルギーを、電気でまかなっている設備のことです。ガスが担っていたエネルギーも電気でまかなう点が特徴と言えるでしょう。そのため、ガスとは設備も料金体系も異なります。ガス併用の賃貸物件に比べて節約やエコの観点からさまざまなメリットがあるため、オール電化の賃貸物件も増えています。
オール電化の設備
ガスと電気を併用する物件とは異なり、オール電化はガスが担うエネルギーも電気でまかないます。そのため、オール電化の物件ではガスコンロやガス給湯器の代わりとなる設備が必要です。どのような設備がオール電化では必要なのでしょうか。
IHヒーター
オール電化では、ガスコンロの代わりにIHヒーターで調理します。IHヒーターは、それ自体が加熱するわけではなく、磁力線の働きにより、金属の鍋を発熱させます。
さらに詳しく説明すると、IHヒーターの内部にコイルが配置されており、コイルは電流を流すと周囲に磁力線が発生します。磁力線に金属の鍋を近づけて発生する電気抵抗により、調理器具を発熱させる仕組みです。IHヒーターでは、加熱中に火が出ないことが一番の特徴と言えるでしょう。
エコキュート
エコキュートは、ガス給湯器の代わりの代表的な設備として注目を集めています。最大の特徴は、ヒートポンプ技術でしょう。気体は圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がる性質を持っており、ヒートポンプはこの性質を活用し、大気中などの熱を集めて移動させるシステムです。
この技術は給湯だけでなく、冷蔵庫やエアコンにも広く利用されています。ガスや石油に比べて二酸化炭素の排出量が少なく、少しの電力で大きな熱を利用できるとして、エコや省エネの大きな可能性を秘めているのがポイントです。エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクで構成されています。
オール電化とガスの場合の電気代を比較
オール電化とガスの電気代はどれくらい違うのでしょうか。例として、オール電化とガスを使って300リットルのお湯を沸かす場合のコストを比較してみましょう。
まず、オール電化で300リットルのお風呂を沸かした場合、およそ330円かかります。ガスは都市ガスとLPガスがあり、一般的にLPガスの方が高いのが特徴です。300リットルのお風呂を沸かした場合のコストは、都市ガスは約120円、LPガスは約220円かかり、やはり都市ガスの方がリーズナブルなことがわかります。こうして比較すると、一番お得なのが都市ガス、最もコストがかかるのがオール電化です。
この数字だけ見ると、オール電化はお得ではなかったのか、と疑問に思う方もいるでしょう。しかし、この数字は日中に利用する際のコストであり、オール電化向けの料金プランの多くは、夜間の電気代が安く設定されています。同じ条件でも、夜間電力だと約120円とかなりコストダウンし、オール電化が最もリーズナブルになります。オール電化の場合は、エネルギーを利用する時間も考慮するとさらに節約につながるでしょう。
オール電化のメリット
これまでオール電化の特徴を紹介してきましたが、ガス併用物件と比較してオール電化ではどのようなメリットがあるのでしょうか。
ガス代がかからない
オール電化のメリットの1つは、ガス代がかからないことです。オール電化は全てのエネルギーを電気でまかなうため、ガスを利用しません。そのため、当然ながらガス代はかからないのです。
また、ガス代の請求がないため毎月の支払いの管理が少し楽になります。ガス併用の場合は電気とガス両方の基本使用料を支払わなければなりませんが、オール電化にすると基本使用料を電気に一本化できる点が魅力でしょう。
安全性が高い
ガスであれば、火を使用するため調理中や給湯中のトラブルで火事になる恐れがあります。一方、オール電化であれば調理であれ給湯であれ火を使用しないため、火災の原因となる出火リスクを軽減できるでしょう。さらに、IHヒーターは焦げ付き検知器が付いており、自動でスイッチが切れるようになっています。IHヒーターでは火事のリスクは低いと言えるでしょう。
また、ガスとは異なり不完全燃焼での一酸化炭素中毒やガス漏れの心配もなく、オール電化の方が安全性は高いと言えます。
夏の調理でも暑くならない
ガスでは火を扱うため、夏のキッチンは高温になりがちです。夏場は料理をしたくない、と毎年うんざりしている方もいるでしょう。片や、オール電化では、ガスコンロを使用しないため夏でも快適に調理できるのがポイントです。
IHヒーターは鍋やフライパン以外に熱が拡散することがないため、コンロまわりが熱くなりにくいのが特徴です。熱気も抑えられるため、夏場に限らずキッチンに熱がこもらないのもポイントでしょう。
掃除がしやすい
コンロの掃除のしやすさは気持ち良く料理をする上でも重要なメリットと言えるでしょう。コンロの周りは油がはねたり、調味料や食品などで汚れたりしやすい場所です。ガスコンロの場合は、五徳や汁受け皿など、付属するパーツを取り外してそれぞれ掃除しなければならず、手間がかかります。
一方、IHヒーターはフラットなプレートのみでパーツもないため、濡れた布巾で拭くだけできれいにでき、お手入れが簡単です。ただし、掃除がしやすいからと汚れを放っておくと落としにくくなってしまうため、普段から使用後にさっと拭いてきれいにする習慣をつけることが大切でしょう。
災害時の復旧が早い傾向がある
意外に思うかもしれませんが、地震や豪雨などの災害でライフラインが止まった場合、ガスより電気の方が復旧は早い傾向にあります。震災時に復旧が早いのは電気であり、これは過去の震災のデータからも明らかです。もちろん地域によって復旧までの日数には差がありますが、ガスよりも電気の方が復旧が早かったデータが存在しています。
また、ガス機器の中には電気を必要とするものもあり、ガスが復旧したからといって使用できるとは限りません。しかし反対に、電気機器の中でガスを使用するものはほとんどないと言って良く、電気が復旧して使用できないというケースはあまりないと言えるでしょう。
オール電化では災害時の復旧が早いだけでなく、復旧してすぐに使用できることが多い、という点もメリットだと言えます。
オール電化のデメリット
ここまでにオール電化のメリットについて紹介しましたが、デメリットももちろん存在します。どのようなデメリットがあるのでしょうか。
ガスより火力が弱い
ガスの方が火力が強いため、ガスコンロに慣れていた方からは、IHヒーターで思ったように炒め物ができない、お湯がぬるく感じる、などの不満の声が上がっています。火加減の調節も、ガスコンロでは炎を直接見て確認できますが、IHヒーターだと火加減の調節が難しいようです。
確かに、IHヒーターは熱伝導の構造上、プレートに触れていないと加熱されません。そのため、強い火力でフライパンをあおって作る料理には不向きだと言われています。しかし、慣れればガスコンロと同じように炒め物も作れる、という声も聞かれるため、IHヒーターに適した作り方に徐々に慣れていくことが重要です。
水の勢いが弱い
オール電化の場合、水道管からタンクに水を貯めています。そのため、水道の勢いを利用できず、オール電化の水道は勢いが弱いと言われています。蛇口をひねってもシャワーの水圧が強くならないケースもあるようです。シャワーに関しては、低水圧用のシャワーヘッドにすることで勢いを強くする方法もあります。
停電すると何もできない
オール電化の最大のデメリットとも言えるのが、停電時には何もできなくなるという点です。停電してしまうと、すべてのエネルギーを電気でまかなっているため、住宅設備はほぼ使用できなくなります。料理や冷暖房、お湯もわかせない状態になるのです。
しかし、これはガスに関しても同様で、ガス機器の中には制御などに電気を使うことも多く、停電時にはガスは使えるから安心だというわけではなく、実際には使えないケースが多いのです。ガスであれ電気であれ、ライフラインが使えなくなった時の備えをしっかりしておきましょう。
貯湯タンクを清潔に保つ必要がある
エコキュートにおけるデメリットと言えるのが、貯湯タンクの定期点検です。オール電化では、エコキュートの水を貯める貯湯タンクが不衛生にならないように、定期点検を行う必要があります。賃貸の場合は自分で確認できないため、大家さんがしっかりメンテナンスしてくれているかが重要でしょう。
次ページでは、オール電化の賃貸物件に住む際のポイントを解説します!
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