- case
- 2020/03/30
一人暮らしをしながら働いている女性は、どんなライフスタイルを送っているのだろう?
“一人暮らし初心者”の筆者が、ベテランの皆さんの自宅にお邪魔をし、その様子を探る企画。
第4回ゲストはコンテンツエディター・本郷結花さん。愛媛県から転職をきっかけに上京後、WEB制作会社で様々なメディアの企画・編集を担当しています。 「東京で暮らしはじめて、出会いが広がった」と語る本郷さん。今回は、そんな本郷さんの上京エピソードや暮らしを豊かにするアイテムについて、お伺いしていきます。
<プロフィール>
名前:本郷結花さん(28歳)
職業:コンテンツエディター
居住形態:1人
出没エリア:中目黒・武蔵小杉
<ルームデータ>
所在地:神奈川県川崎市
間取り:1R
築年数: 築12年
家賃:79,000円(共益費込)
公共料金:ガス代2,000円、電気代 2,0000円、水道1,500円
目次
恋人を置いて上京。そのきっかけとは
ーー2018年、社会人4年目で愛媛県から上京されたとのことですが、経緯を教えてください。
岡山県出身なのですが、大学進学のタイミングで一人暮らしをはじめました。もともと地域に根ざした雑誌の編集者になりたくて、愛媛の出版社に内定をもらったのを機に、愛媛県へ引っ越して。入社してから1年目は営業職を担当し、編集部へ異動したあとはおもにグルメ特集を担当していたんです。 ですが、4年目になったときに「あと3年で30歳になるし、新しいことに挑戦してみよう」という気持ちになって。そこで、転職活動をして上京しました。
ーー就職をきっかけに上京をする話はよく耳にしますが、本郷さんは転職ではじめて上京されたのですね。
そうなんです。実は当時付き合っていた恋人と同棲をしていたのですが、私ひとり飛び出して……(笑)。
ーーええ! そんなことがあったのですね。
「この人と結婚できたらいいな」と思っていたのですが、転職して新しい仕事に挑戦する未来を想像していくうちに、東京に出たい気持ちが強くなって。ただ、知り合いも全然いないし、物件探しをはじめ、知らないことばかりでかなり戸惑いました。
ーーでは、どのように物件を決めていったのでしょうか。
内定が決まったあと、今の職場の上司が「中目黒に会社があるから、学芸大学・祐天寺あたりがおすすめですよ」とメールで教えてくれたんです。そのときに「相場は8万円くらいかな」とも言っていて。 そこで、不動産屋に行き、8万円以下を予算にあげたところ「東京都ではなくなるけれど、多摩川を超えたら同じ予算でもいい物件がありますよ」と。中目黒までは一本だし、“東京”にこだわりはなかったので、そのまま引っ越しました。
ーー上京するまで、“東京”にどのようなイメージを持たれていましたか?
愛媛県で働いていた頃「東京で修行をしました」というシェフの店で食事をする機会があって。洗練された料理を食べながら「東京の荒波に揉まれてきた人はすごいなあ」なんて思っていたくらいで、特に憧れはなかったんです。 よく周りから「憧れて上京した」みたいな話も聞くのですが、私自身そういう気持ちはなく、むしろ地方を転々としながら自由に働いている人に憧れを抱いていたくらい。なので、転職がなければ上京もなかったと思います。
ーーそうだったんですね。引っ越す際に印象に残っていた出来事を教えてください。
相場を聞いたとき、家賃が高くて驚きました。というのも、愛媛県は家賃が安い地域として有名なんです。はじめての一人暮らしは家賃が4.2万円だったのですが「ちょっといい物件に住んでいるね」と言われていたくらいで。なので、まず「家賃が高い!」と驚いたことが印象に残っています。
生活にまつわるコンテンツを手がけて「暮らしが豊かになっていきました」
ーー現在はコンテンツエディターとして活動されていますが、転職のきっかけについて、詳しく教えてください。
愛媛の出版社では主にグルメ情報を担当していました。当時は、年に1回同じ特集が回ってきていて。例えば「パン特集」なら、企画から取材する店舗リストを作って、台割を書いて……とすべてを任せてもらっていました。そんな毎日はとても楽しかったけれど、3年目になって「新しいことに挑戦してみたいな」とも考えるようになって。 そこで、もともと大学の卒業旅行で北欧をまわったくらい、フィンランドやスウェーデンの雑貨や映画が好きだったのもあり、北欧の商品を扱った会社にダメ元で履歴書を送ってみたんです。そうしたら、面接に進んで……。結果、採用には至らなかったのですが「東京で何かしてみたいかも」と、スイッチが入って。そこで、今勤めている会社の募集を見つけて。
ーーWEB制作会社に転職を決めた、と。
その会社は「個を輝かせる」というテーマがあって、各々の得意分野が活かせるところに魅力を感じました。面接で「グルメの仕事をしてきました」と伝えたら「こんなコンテンツはどう?」と提案してくれて……。しっかりその人の合う・合わない、得意・不得意を見てくれる。そんなところに惹かれたんです。 それと、内定が決まったメールで「引っ越すならこのエリアがおすすめ!」とリストを送ってくれたのも大きいですね。あたたかい会社だな、と思いました。
ーー仕事だけではなく、人生のことを考えてくれているんですね。
そうなんです。もともとフリーランスとして独立することも考えていたので「紙媒体だけでなく、WEBについても勉強したい」という気持ちもあり、入社を決めました。 入社して1年経って思うのが、興味のあるジャンルを幅広く担当させてもらえて、かつ深められるのが会社員のいいところだな、ということ。クライアントの方々とどのようなコンテンツにしようか話すなかで学ぶこともかなり多いです。 今は料理家さんに取材をしたり、レシピの紹介をしたりと、食に関しての知識を深めている最中。また、同時進行でインテリアに関する仕事や、専門家へのインタビューを行うこともあって。専門領域とまではいかなくても「興味があるのでやってみたいです」と伝えれば挑戦させてもらえる環境にいられて嬉しいですし、そこで聞いたことを家で実践することもあって、生活が豊かになった気がします。
ーーなるほど。ジャンル問わず、生活にまつわるコンテンツに触れることで、本郷さん自身の生活が豊かになっている、と。
はい。以前、取材でバジルを使った料理を食べたときに「バジルを入れるだけでこんなに美味しいんだ!」と感動して帰りに買ったことがあり、それから「くるみを使ってみようかな?」などと家ごはんのレシピが広がったんです。あとは、これまでご飯の写真を撮ることもなかったけれど、いつも美味しそうに撮ってくれるカメラマンさんの姿を見て「自分でも練習してみよう」と撮るようになったり……。少しずつではありますが、暮らしがレベルアップしていく感覚があります。
出会う人の数が増えた。本郷さんの思う、東京の魅力
ーー仕事を通して生活が変わる……。素敵です。プライベートはどのように変わりましたか?
いろんな刺激を受けるようになりました。まず、東京は出会う人の数が違いますね。引っ越してからさまざまなイベントに参加してみたのですが、気づけば1年でFacebookの友達が100人増えて。数字で見ると、驚きますよね。 そのなかで、気が合う人との出会いも増えました。もともと東京に憧れがあるわけではなかったけれど「東京にこの人たちがいるなら、一緒に過ごしたい」と思えるような、素敵な友人と。
ーー土地というよりは、出会った人やものに魅力を感じているのですね。
そうですね。暮らしそのものにこだわりがあるかと聞かれたら……そうは言えないかもしれない(笑)。ただ、生活については自分の声に正直になりました。
ーー自分の声に正直になった……?
同棲していた頃は彼と一緒に美味しく食べられるものを料理していたけれど、今は私が食べたいものを私のために作る。毎日飾るわけではないけれど、落ち込んだときは花を買って帰る……といったように、自分のために動くようになったんです。 最近では、ひとりでゆっくり映画を観るためにホームプロジェクターも買いました。職場の先輩の影響です。外の光に影響されないように、カーテンも遮光に変えて。休みの日は、予定がなければベッドに寝っ転がりながら映画を観たり、ラジオを聴いて過ごしています。自分が好きなものを、自分のために揃えて使う。そんな生活を送れるようになりましたね。
ーーラジオも聴かれるんですね。
ラジオパーソナリティって、コミュニケーションを取るのがとても上手なんです。なかでも感動したのが、女優・吉岡里帆さん。毎回旬のゲストとトークを展開していくのですが、事前リサーチはもちろん、会話が心地よくて……。私も取材をすることが多いので、「勉強になるなぁ」と思いながら聴いています。
ーーコンテンツディレクターとしてさまざまな方と関わるからこその視線だと思います。
そうかもしれません。それに、ラジオは耳を傾けておけば大丈夫なので、同時進行でいろんなことができるのが魅力だな、と思います。料理や読書をしながら聴けるし、マニアックな話題も多い。ラジオの素晴らしさをみんなに伝えたい!と、 いろんな友人に薦めています(笑)。
ーー私も買ってみようと思います(笑)。最後に、これだけ聞かせてください。本郷さんは今後、どのような暮らしをしていきたいですか?
ひとつの分野だけではなく、興味のあるさまざまなジャンルのお仕事を経験しながらその広い視野で、コンテンツを届けていきたいです。この一年でも、食、インテリア……とかなり広がって。この先にどんな出会いがあるのか、楽しみです。 暮らしで言えば、生活にまつわるコンテンツを手がけているからこそ、自分の生活を大切にしたいです。家での時間も大切にしながら、仕事とプライベートの垣根を超えて生活について考えられたら、と思います。
本郷結花
1991生まれの編集者。RIDE MEDIA&DESIGN所属。大学卒業後、四国の出版社に新卒入社し雑誌編集を4年半経験したのち、2019年に転職&上京。現在はwebメディアを中心にコンテンツエディターとして活動。webマガジン「アマノ食堂」の企画・運営ほか、紙媒体では雑誌「TURNS」の編集にも参加している。
Twitter:https://twitter.com/yuca_ho
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