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「“なんかいい”を大切にしたい」編集者・山越栞が日本家屋での生活で見えたもの

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一人暮らしをしながら働いている女性は、どんなライフスタイルを送っているのだろう?

“一人暮らし初心者”の筆者が、ベテランの皆さんの自宅にお邪魔をし、その様子を探る新企画。 第3回のゲストは、ライター講師や冊子の編集に携わっている編集者・山越栞さん。 今回は新卒で入社した制作会社でキャリアをスタートした山越さんが、“生活”を意識するようになったきっかけや活動について伺います。 

<プロフィール>
名前:山越栞さん(28歳)
職業:編集者・ライター
居住形態:1人
出没エリア:蔵前・浅草・表参道

<ルームデータ>
所在地:東京都墨田区
間取り:3DK 築年数:不明(60年以上)
家賃:55,000円
公共料金:約9,000円

中目黒のデザイナーズアパートから日本家屋で暮らし始めた

――山越さんは現在築60年以上の戸建ての日本家屋に暮らしているとのことですが、もともと日本家屋での暮らしに興味はあったんでしょうか?

実家が日光の山奥にあるのですが、それにより宇都宮の高校に通っていた頃から一人暮らしをはじめて、今の家は4軒目になります。ただ、日本家屋で暮らし始めたのはひとつ前の家からで。社会人になってからは中目黒のデザイナーズアパートに住んでいたんです。

――中目黒のデザイナーズアパート! 失礼かもしれませんが、今の暮らしとは正反対なイメージです。

そうですよね。でも、ちゃんと理由はあったんですよ(笑)。 当時「ライターとしてもっと活躍したいなら専門領域を持ったほうがいいよ」と言われて、母の影響で高校生の頃からお茶を習っていたのもあり、私の得意なことは“日本文化”だと思ったんです。それから、「日本文化のライターなのに、中目黒のデザイナーズアパートに住んでいる」というギャップが自分には必要だな、とも思っていて。

――なるほど。日本文化が好きだからこそ、ギャップが必要だ、と。

はい。根はミーハーなので「トレンドを追いながら、日本の古き良き文化も愛する」というほうがしっくりきたんです。 ただ、ある段階で「もういいかな」と思って。自分で日本の暮らしをもっと体感して、ありのままを発信したい気持ちが強くなったので、戸建ての日本家屋を賃貸で探してみました。

――そして、ひとつ前の物件を見つけたんですね。

その家は和室があって、庭には椿が咲いていて……と、本当に“和”という表現がふさわしい家でした。その後東東京エリアの友人が増えたのもあり、この地域での暮らしにも興味を持ち始めて。 友人に「こっち側で暮らしてみたいんだけど、いま住んでいる日本家屋みたいな物件にもう出合える気がしなくて」と話すと、「あの辺なら安い戸建て物件がけっこうあるんじゃない?」と言われて。試しに「墨田区 戸建 賃貸」で調べたらこの物件だけ破格で、すぐ内見へ行きました。 しかもここ、DIYが可能なんです。古い建物で、あちこち修繕しながら暮らさないといけないので、その分ある程度なら自分でいじっていいよ、とのこと。だから壁の色も、前の住人さんが塗ったものなんですよ。私もそれに習って、壁を一枚黒板にしてみました。

仕事も暮らしも“当てはめる”価値観

――現在は編集者・ライターとして活動されている山越さん。お仕事はどのような経緯で始めたのでしょうか?

就職活動をするなかで、好きなこととこれまで評価されてきたものが一致している分野を仕事にしたい、とライターの仕事を選びました。というのも私、高校も大学も全て作文の試験で入ったんです。そこで大学生のときにライターのインターンを募集していた制作会社に応募して、面接で「4月から正社員にしてください!」とお願いして、勢いで入りました(笑)。 会社では副業可能でフリーランスとしての仕事もしていたこともあり、ちょっとはやいのですが、23歳の頃に独立しました。現在はライター業のほか、ライティングの講師や冊子編集などもしています。

――お話を聞いていて、山越さんは「こうなりたい」という理想に仕事や暮らしを全て当てはめる印象を持ちました。

まさにそうなんです。お茶を始めたのだって「私は日光という田舎に住んでいるけれど、文化的背景もあるし、これを自分の強みにするには……」と考えて「それなら日本文化をわかっていたほうがいいな。お母さんがお茶をやっているから自分も習っておこう」という感じで、高校生の頃に始めて。

「生活に当事者意識が芽生えた」戸建ての生活で感じること

――日本家屋での生活を始めて感じる、マンションやアパートとの違いはありますか?

一番の違いは、近所との関わり方ですね。例えば、「町内会に入りませんか?」と町の人が訪ねてきたり、お隣さんから回覧板が回ってきたり、年始には、玄関に貼る“謹賀新年”の紙がポストに入っていたり……。そこからご近所さんと会話が生まれることもあって、生活していることを実感しています。 最近は、家の戸が閉まらなくてガタガタ動かしていたら、前に住んでいるおばあさんが「どうしたの!?」と出てきてくれて、一緒にガタガタしたり(笑)。下町ならではの、助け合い精神もあるかもしれないですね。 あとは、「自分が選んだ生活をしているんだ」という当事者意識でしょうか。

――当事者意識、ですか?

はい。マンションやアパートだと借り住まいみたいな意識があったんです。でも、戸建に住んだことで、「夕飯は何を作ろうかな」「この辺に植物を置こうかな」と、他の誰でもない、自分が生活をしているという当事者意識が芽生えました。 それに、この物件に関しては築年数が経っているので工事に立ち会わなきゃいけなかったり、長期間家を空けていたら家に何かしらの欠陥が起きていたりと、ちょっとした手間がかかるのも大きいですね。 先日も、1週間の旅行から帰ってきたら鍵が錆びて開かなくて。原因を聞いたら「単純にいうと、老朽化ですね」と返されました(笑)。でもそれすらも楽しくて、なんだか、おままごととか、ドラマの世界を生きているみたいだと思いながら過ごしています。

――それでは最後に、暮らしで大切にしていることを教えてください。

「なんか」を大切にしています。例えば朝に甘酒を飲むと「なんかいいな」、「なんか嫌」だから掃除をしよう、みたいに。同じ“掃除”でも「毎日丁寧に掃除をしよう!」というよりは汚いと「なんか嫌」だからする。外から見たら、いわゆる“丁寧な暮らし”なのかもしれないけれど「なんか」を大切にしている、ただそれだけなんです。仕事も同じく、自分の哲学がちゃんとある人と「なんかいい」を共有しながらものづくりをしていきたいな、と思います。

話を聞いた人:山越栞
編集者・ライター。1991年生まれ。明治学院大学文学部英文学科を卒業後、書籍の編集プロダクションに新卒入社。独立後はwebコンテンツを中心としたライティングのほか、冊子編集長、オウンドメディア運営、ライティング講師などを担当。十代から習っている茶道がアイデンティティ。
https://twitter.com/shioriyamakoshi

 

高城つかさ

取材・執筆:高城つかさ
ライター&フォトグラファー。1998年、神奈川県出身。2018年7月よりライティング業をスタートする。主に舞台をはじめとしたエンタメの取材・執筆・撮影や、生き方・暮らしにまつわるインタビューなどさまざまなジャンルで活動。noteにて偏見を軸にしたエッセイも執筆中。好きな食べ物は焼き鳥と豚骨ラーメンとメロンソーダです。
Twitter:@tonkotsumai
note:https://note.mu/tonkotsumai

写真=編集部

 

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