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- 2020/01/24
1人暮らしって食べるものも、着るものも自分の思い通りにできて、本当に楽しいですよね。でも、その反面、ひとりぼっちで悩みを抱えてしまうことはないでしょうか。このコラムは、タイトルの通り、1人暮らしだからこそるつぼに入ってしまうぐるぐるとした悩みに対して、わたしなりの答えをお話ししてみようというものです。正解のない、ささいだけど大きな問題を友人と話しているような感覚で、読んでもらえたらと思います。
こんばんは、申し遅れました。はじめまして、イトウハルヒと申します。現在女優・モデルを目指しながらコラムニストとしても活動しています。今回はいろんなご縁があって、このコラムを執筆させていただくこととなりました。
目次
1人暮らし4年目、テレビに映った若い子が羨ましくなる
1人暮らしを続けて4年が経とうとしています。もう1人暮らしのプロと言っても過言ではないですが、いまだに慣れません。それまで「ただいま」と声を出せば誰かが「おかえり」と返事をしてくれるあたたかい当たり前はなくなって、部屋にこだまのように響く「ただいま」に寂しさを感じてしまう。そんな寂しさを紛らわすために、わたしの部屋ではずうぅっとテレビが付いていて、最近は映し出される晴れ着姿の華やかな女の子たちを画面越しに眺めていました。なんか、いいなあ…みんな若くってかわいすぎやしませんか。
初回はそんなテレビに映った若い子に嫉妬した私が選んだこんな相談です。
「自分より若い人をみると、とてもうらやましく感じてしまいます。そんな自分がとても情けないです。ただ、何もせずに歳をとっていく自分が悲しくなってしまいます。」
永遠に歳なんてとりたくない
歳をとるってなんなんでしょう。気がつけば、ワンルームのテレビに映る1月の晴れ着姿なんてとうの昔になって、永遠にお兄さんだと思っていた甲子園の高校球児たちもオリンピックにでるアスリートもずいぶんと年下になっていました。そうやって取り上げられていく若い人たちをみるたびに、自分の歳と過去を振り返って、いかに凡庸な人生だったかを考えてしまう。きっと今のわたしが死んだってテレビの墓碑銘には取り上げられないだろうし。あぁやだやだ、永遠に歳なんてとりたくない。
年齢とはつくづく他人と比較されやすい指標です。1年に1回みんなが等しく生まれてからどのくらい生きてきたのかをカウントされ、18歳で大学入学・22歳で就職……などと年齢に応じた社会的な役割が定まっています。その決まりから離れると、賞賛も批判も起きやすい。たとえば、17歳で起業をすれば、すごい!となる反面、24歳で職に付いていないとどこか白い目で見られてしまう。かくいう私も、若くして成功する人をみて、かっこいいと憧れた1人。わたしたちの中には社会に決められた「〇〇歳ならこれをしなきゃいけない」というルールがあるのだと思います。
めっちゃ遅いスタートと、1Kから夢見たわたしの「したい」
年齢の話で思い出すのは、わたしが女優というお仕事に興味を持った大学生の時のこと。舞台は、学校の友人に会いたくないという理由だけで選んだ閑静な住宅街の中にあるワンルーム。ドンキホーテみたいに物が積み上げられた7畳の部屋で、かろうじて空いている布団に包まりながら、進路を悶々と考えました。考え事をするのに布団は最適。もう最高学年になる年齢は芸能を始めるにはかなりスロースタートで、その道にはもう遅いんじゃない?とアドバイスされたこともしばしば。実際、ルックスも表現力も半人前だし。
「〇〇歳はこれをしなきゃいけない」ルール上のわたしの社会的役割は、就活をして、会社に入って、同期と切磋琢磨しあって仕事をこなすこと。そこから外れて自分のやりたいことを選んでもいいのだろうか。そもそも通用するのだろうか。いや、やっぱりちゃんと就活して社会人として経験を積むべきなんじゃないか。あああと2年、いや1年わたしが若ければ……。布団の中で、SNSで綺麗に笑う若い女の子たちを眺めながら、悶々と悩む日々が続きました。
悶々とした悩み事が解決しないある日、友人がわたしの家に遊びに来ました。久々にひとりぼっちではない空間に安心したわたしは、悩みをとりとめもなく語り始めました。皆が就活を始める中、進路も決めずにベッドの上でくだを巻くわたしの相談を受けていた友人は飽き飽きしたような顔をして、「紙とペン貸して」といってクロッキー帳を破った白い紙の上に「WANT」「HOPE」「TODO」と描き始めました。
そうして、わたしの顔をのぞき込んで、
「いい?不安になるのは、やりたいことができていないから」
やりたいこと…?
「そう、やりたいこと。若い子を羨ましく思ってしまうのは、若さを武器にしてその子があなたのやりたいことに近づきやすいと思っているから。でも今のあなたにだって、可能性は0ではないでしょう?あなたのやりたいことをどうやってできるのか考えればいいの」
そうか、確かに「若さ」は武器だ。わたしの女優になりたいという願いも、男の子にちやほやされたいという密かな思いも、手っ取り早く綺麗になりたいという怠惰も全て「若さ」があれば、ある程度は解決できる。「若さ」はいろんな可能性を秘めた強い魔法だ。でも、歳を重ねたわたしに勝機はないのか、いやそんなことは、ない、はず。
彼女はローテーブルに置かれた紙を指差しながら、「WANT」には今やりたいこと全部、「HOPE」にはその中でも一番やりたいこと、「TODO」には「HOPE」をするためにやらなくてはいけないことを書くようにと教えてくれました。う〜〜んと悩んだ末、書き始めます。やりたいこと、やりたいこと…。「WANT」には根本宗子さんの舞台に出たいことや、美味しいご飯を食べたいこと……「HOPE」も「TODO」も書きなぐって、1Kの小さな部屋は黒々とした筆跡のわたしの「〜したい」で埋まっていきました。
書き終わった時、ふと、モヤモヤした心がすっと楽になってくるのを感じました。知らない街にポツンと落とされて、右往左往しているところに、手書きの地図を差し出されたような感覚。その地図が間違っているか縮尺もあっているかさっぱりだけど、存在自体にホッとしました。
年齢にとらわれず、おとなのしたたかさで夢に挑みたい
どんどん「若さ」から離れていく年齢に対して不安になるのは、仕方のないことだと思います。だって、「〇〇歳はこれをしなきゃいけない」ルール上のわたしたちは年を重ねていくごとに、恋愛、就職、同棲、結婚(!)…などの大きなライフイベントが参入し始め、どんどんルールからはみ出たことへの挑戦がハードになっていくから。
でも、少し考えてみたい。人生はすでに100年時代と言われ、「〇〇歳でしなきゃいけない」ルールはどんどん弱くなってきているように思います。今のお仕事を続けながら空いた時間に自分のやりたいことを行う欲張りなやり方だって、今のお仕事を一生懸命続けてスキルを身につけてからやりたいことに挑んだって、いろんな選択がある。そう、歳を重ねただけで、わたしたちの未来が全て閉じてしまうことはないはず。おとなになりつつあるわたしたちは「若さ」が持つ華やかなラッキーパンチではなく、経験豊富な計算高いしたたかな心持ちで、夢に挑みたい。
遅すぎるスタートを切ったものの、まだまだ私の夢への挑戦は始まったばかり。不安定な地図を握りしめて、自分の布団にくるまりながら「HOPE」を呪文のように呟く日々は続きそう。でも、遅すぎるスタートも少しずつこうして不安を具体化し1つずつ攻略しながら、やりたいことに向かえたとき、「若い」人への羨ましさも和らいでいくのではないか、と思っています。
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