部屋のカビ対策には無水エタノール！ポイント別の掃除方法とカビ予防対策

一度生えてしまうとどんどん広がってしまうカビは、私たちが快適に暮らす上で大敵です。放っておかずに見つけたらすぐに取り除くことが肝心です。市販のカビ取り剤もいいのですが、値段が安くて汚れ落ちのいい「無水エタノール」がおすすめです。

無水エタノールは水にも油にも溶けるという性質がありますので、家じゅうのカビに対応できます。
ぜひ無水エタノールに詳しくなって、いろいろな場面で活用できるようになりましょう。

エタノールについて知ろう！エタノールの特徴と種類

エタノールとはいわゆる「酒精」と呼ばれ、お酒にも含まれる成分です。エチルアルコールの構造式を持ち、濃度が高いほどにおいが強く、80％濃度の時が最も殺菌力が強いとされています。

ドラッグストアや量販店で入手しやすいエタノールには2種類あり、ひとつは水分が0.05％以下の「無水エタノール」と、もうひとつが濃度を最も効果の高い80％にするため水で無水エタノールを薄めた「消毒用エタノール」です。

▼無水エタノール

▼消毒用エタノール

エタノールは殺菌剤、消毒薬、燃料、化粧水、消臭スプレー、虫よけなどさまざまな用途で使われています。液体状ですが気体になりやすい揮発性なので、水が使えない場所の掃除にも使うことが可能です。

また、たんぱく質を固める作用があるので、カビを落とすのに効果的に使えます。ただし、漂白作用はないので黒い汚れを取ることはできません。

使用範囲が広い！無水エタノールの特徴や使い方

エタノールには無水エタノールと消毒用エタノールの2種類があることが分かりましたが、無水エタノールは原液のまま使う方法と、水で薄めて消毒用エタノールと同様に殺菌作用を高めた状態で使う方法があります。このように、無水エタノールは使用の仕方にバリエーションがありますので、家庭で使うなら使用範囲の広い無水エタノールをおすすめします。

無水エタノールの特徴

無水エタノールは、水分が0.05％以下とほぼ純粋なエタノールです。濃度は高いのですが瞬時に蒸発してしまうため、無水アルコール自体では殺菌作用がありません。水分が微量であり油分を溶かす性質があるので、水が苦手な電化製品や家電のふき取り掃除に向きます。

また、水で薄めて濃度を80％前後にすれば殺菌作用が上がるので、掃除や殺菌、カビの除去にも使うことができます。

無水エタノールの使用用途

原液をそのまま使ったほうがいい場合は、揮発性を生かした電化製品や家電のふき取り掃除や油汚れのひどいキッチン周りの掃除などです。また、窓ふきや落書きおとし、シールはがしなどの掃除に向いています。ただし、先にも述べたように殺菌作用はないので、あくまで掃除用として使いましょう。

その他にも、アロマテラピーの世界では無水エタノールの水分が少ない性質を生かし、精油を水に溶けやすくするためにエッセンシャルオイルを作るときに使われます。

さらに、水に薄めると殺菌作用を発揮するので、キッチンやお風呂、リビングなどのいろいろな場所で掃除やカビの除去に使えます。市販のカビ取り剤が使えない和室の畳の除菌にも使えるのが便利です。

無水エタノールの使い方

電化製品や家電のふき取り掃除、油汚れのひどいキッチンの掃除、窓ふきや落書きおとし、シールはがしに使う場合は、直接霧吹きなどで吹きかけることはせずに、布などにたっぷりとしみこませてこするようにして落とすのがいいでしょう。

また、掃除や除菌、カビの除去など殺菌効果を上げて使いたいときは、水で薄めてアルコール対応のスプレーボトルに入れると使いやすいです。場所別のおすすめの使い方はまた後で述べます。

使用する前にチェック！無水エタノールを使うときの注意点

濃度の高いアルコールであるエタノールは引火性があるため、取り扱いには十分な注意が必要です。使用する前に必ず取扱い説明のチェック項目に目を通して細心の注意を払って使うようにしましょう。

引火性や揮発性が高いことを念頭におく

何といっても引火性が強く危険ですので、火気の近くや静電気が発生しやすい場所では使わないようにしましょう。また、揮発性が高いため閉め切った室内では成分が部屋に充満してしまうので人体に危険です。そのため、使うときは必ず窓を開けたり換気扇をつけたりして、空気を入れ替えながら作業ができるよう心がけましょう。

保管する際は密閉した状態にしておかないと揮発してしまいます。火気を避けた冷暗所に密閉して保管し、使用期限内に使い切りましょう。

身体に影響のないように使う

無水エタノールを使うときはマスクやゴム手袋を使いましょう。無水エタノールは水分を奪いやすいので手についたり目・鼻・口に入ったりすると危険ですし、アルコールアレルギーのある人は発疹や肌にかゆみが出ることがあります。

また、保管する際は子どもの手の届かないところに置き、間違えて飲んでしまうことのないように対策しましょう。さらに、有毒ガスを発生させることもあるので、薬品などに混ぜないように注意が必要です。

使えないものや場所を把握しておく

無水エタノールを使ってはいけないものを知っておきましょう。ニスやワックスが塗られたものや塗装されているもの、スチロール樹脂、AS・ABS樹脂、PVA、皮製品、アクリルなどに使うと塗装が剥げたり変色や変質したりする原因になりますので気をつけましょう。

また、消毒用スプレーを手作りするときは、必ずアルコール対応の変質しにくい素材であることを確認してから入れましょう。ものによっては、素材が溶ける可能性があります。素材が確認できないときは、目立たないところで使って問題がないことを確認してから使うようにしましょう。

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次ページでは、無水エタノールを使った場所別掃除方法について解説します！