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- 2020/08/13
武蔵小杉駅は、神奈川県川崎市にあります。JR・東急と2つの鉄道会社を使える上に、それらが相互乗り入れしている主要駅や空港へのアクセスもよく、注目度が高い街です。
ただし、実際の住み心地のよさについては、一人暮らしを始めてからでないとわからないこともあります。特にアクセスについては、毎日通う会社への通勤ラッシュがどれくらい混雑しているものなのかなどは、引っ越して実際に朝の電車を体験してはじめて実感することでしょう。
そこでWoman.CHINTAI編集部が実際に朝の通勤時間帯に、世界最多の乗降員数を誇る新宿駅に向かうと仮定して、混み具合や混雑率などの通勤情報をリサーチしてみました。
朝9時前に新宿に到着する場合には、どのような混雑が待ち受けているのでしょうか。ラッシュにあわずに混雑時間を避け、椅子に座ることはできるのでしょうか? 後半には、実際に乗車して体験した生の声もお届けします!
目次
武蔵小杉駅の特徴と基本情報
武蔵小杉駅の基本データ
武蔵小杉駅があるのは、川崎市中原区です。東に1kmほど行くと多摩川が流れており、越えた先が東京都大田区となります。
鉄道は、東急とJRが走っています。東急は渋谷駅と横浜駅を結ぶ東急東横線と、日吉駅と目黒駅とを結ぶ東急目黒線の2路線があります。JRは南武線、横須賀線、湘南新宿ライン、相鉄線直通・埼京線直通が走ります。南武線以外の電車では新宿へ行くこともできます。
2018年度の1日平均で、東急の東横線の乗降人員(乗った人・降りた人の合計)は176,351人、目黒線の乗降人員は49,681人です。また、JRは駅全体での乗車人員(乗った人のみ)を発表しており、130,752人の人が乗降したとされています。
なお、東急とJRとで相互乗り入れはしておらず、乗り換えの際には改札を一旦出る必要があります。
東急の武蔵小杉駅は、地上2階部にホームがあります。目黒線の目黒行き3番線ホームと、東横線の渋谷行き4番線ホームとは向かい合っています。地上1階部に南改札と、JR方面改札の2つの改札があります。もちろん後者の方が、JRへの乗り換えには便利です。
JRの武蔵小杉駅も、改札は2つあります。東急の改札に近い北改札(南武線口)と、新南改札(横須賀線口)です。そして新宿へ行くことのできる電車は4番線からの発車で、新南改札からだと近いです。1点要注意なのが、北改札と新南改札が離れているので、改札内を歩いて10分近くはかかります。
武蔵小杉駅から新宿駅へのアクセス
武蔵小杉駅から新宿駅へ向かう経路には、JRを使うルートと、東急目黒線を使うルート、東急東横線を使うルートがあります。
その違いについて、わかりやすく表にしてみました。
ルート | 所要時間 | 運賃 | 乗り換え | その他特徴 |
---|---|---|---|---|
JR | 22分 | 396円 | なし | ホーム位置は横須賀線口寄り |
東急目黒線+JR山手線 | 37分 | 367円 | 目黒駅 | |
東急東横線+東京メトロ | 37分 | 367円 | 新宿三丁目駅 | 新宿三丁目で下車ならば26分・367円 |
東急東横線+JR山手線 | 40分 | 356円 | 渋谷駅 |
(2020年1月時点でのデータ。運賃はICカード利用時のもの)
JRの場合、湘南新宿ラインや埼京線などで、乗り換えなしの1本で新宿駅へ向かうことができます。
東急の場合は乗り換えが必要となります。目黒線の場合は目黒駅、東横線の場合は渋谷駅で、JR山手線への乗り換えが可能です。また、東横線は渋谷駅から先は、東京メトロ副都心線に乗り入れているため、そのまま乗車すると新宿三丁目駅へ向かうことができます。そこから東京メトロ丸ノ内線あるいは徒歩で新宿へ向かうことも可能です。
武蔵小杉駅周辺の情報
駅前には多くのタワーマンションの他、商業施設も多く建ち並んでいます。巨大なショッピングモールも複数あり、なかでも駅の南にあるグランツリー武蔵小杉には160軒ものお店が入っています。
さらに近隣には中原区役所や大学病院などもあり、生活する上で必要な施設が集結している、利便性の高い街でもあります。
武蔵小杉駅の通勤ラッシュ・混雑時間の実態を調査してみた
武蔵小杉駅の混雑状況についての情報を集めてみました。
混雑率について
混雑率とは、電車の混み具合を数値化したものです。国土交通省では、下記の目安を発表しています。
混雑率 | 状況 |
100% | 定員乗車。座席につくか、吊革につかまるか、ドア付近の柱につかまることができる |
150% | 広げて楽に新聞を読める |
180% | 折りたたむなど無理をすれば新聞を読める |
200% | 体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める |
250% | 電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせない |
出典:国土交通省ホームページ(https://www.mlit.go.jp/common/001245346.pdf)
武蔵小杉駅から新宿駅までの混雑率について
国土交通省が発表した2018年度のデータでは、東京圏全体でピーク時の平均混雑率は「163%」とされています。
まず、東急については、同じく国交省のデータで、東横線は祐天寺駅から中目黒駅の混雑率が「168%」(最混雑時間帯である7:50~8:50の平均、以下同じ)、目黒線は不動前駅から目黒駅の混雑率が「171%」(7:50~8:50)と発表されています。平均よりも混雑率がやや高めということが読み取れます。
なお、東急電鉄の公式ホームページでは、朝のラッシュの時間帯における上り列車の混雑状況が、グラフ化されています。
(東横線)https://www.tokyu.co.jp/ekitown/pdf/ukai/rail-ty_musashi-kosugi.pdf
(目黒線)https://www.tokyu.co.jp/ekitown/pdf/ukai/rail-mg_musashi-kosugi.pdf
こちらを見ると、全体的には急行系よりも各駅停車の混雑は少なめとはいえ、朝7時台後半から8時半頃までの電車は、混雑を覚悟する必要がありそうです。
続いて、JR横須賀線の混雑率についてです。混雑率が高い区間として、武蔵小杉駅から西大井駅までの混雑率が「196%」(7:26~8:26)と発表されています。こちらは時間帯別のデータも発表されており、最混雑時間帯よりも1時間前(6:25~7:25)では「163%」、1時間後(8:27~9:27)で「159%」となっています。ピークの時間帯をはずして、東京圏の平均混雑率に近づくことからも、非常に混雑するということが一目瞭然です。
なお今回の新宿駅行きの調査では直接関係しませんが、JRの南武線の武蔵中原駅から武蔵小杉駅までの混雑率は「189%」(7:30~8:30)です。JR武蔵小杉駅自体、多くの人が使っていることもわかります。
武蔵小杉駅の駅員さんに聞いてみた
朝の電車の混雑状況について、武蔵小杉駅の駅員さんに話を聞いてみました。
まずは東急の情報。混雑のピークは8時から8時30分頃まで。そして各停よりも急行は混雑が激しいとのことでした。
座っていく手段として、実は東横線も目黒線も武蔵小杉駅始発の電車があります。ただし、朝の早い時間の数本のみなので、ピーク時の利用だと難しいかもとのことでした(目黒線だと8時8分発、東横線だと7時2分発が最後)
続いて、JRの情報ですが、朝のピークは同じく8時30分頃になります。そして、まず改札内でホーム移動に時間がかかるとの話もありました。電車自体も武蔵小杉で乗る人は特に多いのですが、新宿への途中で空くこともあるとのことです。
武蔵小杉駅から乗った混雑率の実態を調査してみた
それでは、実際に武蔵小杉駅から乗って新宿駅に向かいつつ、混み具合の実態を調べてみましょう。
武蔵小杉駅の混み具合について
朝8時、東口乗り場などがある武蔵小杉駅の中央口2に到着しました。
位置的には、JRの北改札(南武線口)と、東急のJR線方面改札の中間にあたります。
まずは、JRの北改札がある2階へ昇ります。階段は、東急とJRとの乗り換えで移動する人の流れがあります。またエスカレーターには行列ができていました。
改札はひっきりなしに人の出入りがあり、駅員さんの話では、これでもこの日は通常の7割くらいとのことでした。目指す4番ホームは、改札を入ってから到着までに8分はかかるでしょうとのことです。
新南改札(横須賀線口)側から入らないと、駅構内での移動時間だけでも予想以上にかかるようです。
東急目黒線での、武蔵小杉駅から新宿駅までの混み具合について
今度は東急の改札へ向かいました。こちらも改札内は多くの人でごった返していますが、改札自体の利用は比較的スムーズな印象です。
改札に入り、1階から2階のホームへと昇ります。こちらも昇りエスカレーターは混みあい、階段を歩き進む人も多めです。この日は人が多かったため駅員さんによる誘導もされていました。
目黒線の目黒行き3番線ホームと、東横線の渋谷行き4番線ホームは向かい合っています。タッチパネルの案内板で、それぞれの電車の運行状況のチェックができます。
電車の到着を待つ人の数は、各ドアの前で目黒線は5~6名、東横線は10名以上でした。
ちょうど東横線のホームに到着した急行電車は、目視で180%は達しているのではなかろうかという混雑具合です。ドアが閉まらずに駅員さんが駆け寄るという場面もたびたび見受けられました。
ホームの状況を解説した後は目黒線をメインに新宿駅へ向かいます。
武蔵小杉駅始発は過ぎてしまったため、既に120%ほどの混雑をしている電車へと乗り込みます。混雑していたため、今回は座ることはできませんでした。
目黒線は、途中の多摩川駅、田園調布駅で東横線と並走します。車内から見た感じでも、目黒線のほうが空いている印象を受けました。
途中の停車駅の、多摩川駅、その先の大岡山駅では、10名程度が降りました。
タイミングがよければ座れたかもしれませんが、乗り込む人の数は駅を進むにつれて増えていきました。
武蔵小山駅では5名程度降りましたが、降りた人の倍以上が乗り込んだため、車内の混雑率は180%程度に達し、スマホを片手でいじるのがギリギリでした。
武蔵小杉駅を出発して18分で東急目黒駅に到着しました。
改札を出た目の前に、JRの目黒駅があるので、山手線への乗り換えはスムーズに行えます。ただし、同様に乗り換える人が多いため、改札からホームへ昇ってすぐの車両(最後尾の11両目)は混雑します。
混雑を避けるには、前方寄りの車両へと移動したほうが空いているとのことです。
次の恵比寿駅でも多少の乗り降りがありましたが、その次の渋谷駅で乗り降りする人が多く、タイミングがよいとここで座席に座れることができるかもしれません。
最終的に、目黒駅から約12分で新宿駅に到着しました。
その他のルートでの、武蔵小杉駅から新宿駅までの混み具合について
日を改めて、他のルートでも新宿駅まで向かってみました。
まずは、JRの場合ですが、武蔵小杉駅の4番線ホームはギュウギュウに混んでいます。到着後、電車に乗り込むのも一苦労で、車内の混雑率は200%に感じるほどでした。そのため、車内ではなかなか身動きをとることができません。
ただ、大崎駅、恵比寿駅と到着したら降りる人も多いため、座席に空きが生じます。
渋谷駅ではしっかりと座ることができました。
なお、JR新宿駅の到着ホームは、山手線などとは違って少し離れたところにあります。武蔵小杉駅のホーム移動ほどの距離ではありませんが、2~3分はかかるためその点も注意が必要です(逆に、ミライナタワーなどが目的地の場合はこちらのほうが近くて便利かもしれません)。
そして、東急東横線の場合では、武蔵小杉駅を出発後も、各駅で乗り込む人は多かったです。そして、一番乗り降りが多かったのは中目黒駅でした。同じ向かいのホームから発車する日比谷線へ乗り換えるためでしょう。
渋谷駅で降りる人は多いため、ここで副都心線に乗り続けると、座って新宿三丁目駅まで行くことができます。新宿での目的地がそちら寄りの場合は、逆にチャンスかもしれません。
JR山手線へ乗り換える場合、到着する東急東横線のホームが地下5階、目指すJR渋谷駅は地上部にあるため、乗り換えに10分近くはかかるという点は注意が必要です。
武蔵小杉駅を快適に利用するためのポイント
武蔵小杉駅から新宿駅へ向かう際に、混雑を避け快適に利用するためのポイントや情報を整理してみました。
・武蔵小杉駅はJRと東急があり、どちらも利用客は多く、駅の改札は混雑している。
・新宿駅までのルートは複数あり、乗り換えなしの1本で行けるのはJR湘南新宿ラインや埼京線などを利用するルート。ただし南武線口改札から、4番ホームへの移動は大変。
・東急目黒線の場合、途中の田園調布駅や大岡山駅で降りる人もいるが、乗ってくる人はどんどん増えていく。ただし、目黒駅での乗り換えは比較的スムーズ。前寄りの空いている車両を目指し、渋谷駅で降りる人がいたら座るチャンスもある。
・東急東横線の場合、渋谷駅での乗り降りは多く、新宿三丁目まで向かう場合は座れる。渋谷駅での乗り換えの場合、JRの改札まで距離が遠いので要注意。
まとめ
以上、朝8時台に武蔵小杉駅から新宿駅へ向かう場合について、武蔵小杉駅の基本情報、通勤ラッシュ・混雑時間の情報についてご紹介しました。
ルートは複数ありますが、それぞれ一長一短ありますので、じっくり考えるとよいでしょう。朝の通勤ラッシュは、少しでも快適に過ごしたいもの。是非、参考にしてくださいね!
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