【図解】メゾネットタイプって？騒音は？メリットデメリットまとめ

メゾネットタイプとは一言でいうと「2階や3階があるマンションやアパート」のこと。ロフトとは違い「2階が部屋（居室）として成立する」ことが前提です。1層の住戸であるフラットタイプと比較して使用されます。

メゾネットは、集合住宅でありながら戸建てのような感覚で暮らすことができるため、近年人気の高い住居タイプになります。

メゾネットの意味

メゾネット（maisonnette）はフランス語で「小さな家」という意味ですが、日本では「複層住戸」という意味で使われます。マンションやアパートの住居内に、内階段があることが特徴です。

同様に内階段がある構造でも、一戸建て住居が壁を隔てて連なっているタイプは「テラスハウス」と呼ばれ、通常メゾネットとは区別されています。

またメゾネットと混同されやすいロフトは、厳密には部屋ではなく「小屋裏物置等」という扱い。建築基準法で高さや面積が制限されていることや、原則として窓の設置ができないことなど、居室とは認められていないことがメゾネットとの違いです。

メゾネットの種類

複数フロアを持つことがメゾネットの特徴ですが、1住戸で2フロアを持つタイプと2住戸で3フロアを分けて持つタイプがあります。
1住戸で2フロア持つタイプとは、例えば1階と2階が1住戸、3階と4階が1住戸というような場合です。

一方、2住戸で3フロアを分けて持つタイプとは、例えば2階部分が半分ずつに分かれ、それぞれ1住戸分の玄関と居室になっている場合、1階と2階の半分が1住戸、2階の残り半分と3階が1住戸というような造りになります。

高層マンションにおいては、上層階や1階部分にメゾネットタイプを設けているところが多いようです。賃貸アパートにおいてはメゾネットの表記に明確な定義はなく、上記でご紹介したテラスハウスを「メゾネット」と表記している場合も多く見受けられます。

メゾネットのよくある間取り例

メゾネットの間取りとして多いのは、1階がLDK・お風呂・トイレなどの生活スペース、2階に1〜2部屋プラス収納というものですが、中にはお風呂とトイレなどの水回りが2階にあるという物件もあります。

水回りが2階にある物件はメリットとして、階段を使うことなく2階のベランダに洗濯物をすぐに干せること、朝の身だしなみが2階のみで完結すること、リビングに来客時でも気兼ねなくお風呂に入れることなどが挙げられます。

デメリットとして挙げられるのは、洗面所が1階にないと手洗いが不便であること、浴室の音が1階に響くことなどです。一番心配されるお風呂の水漏れ事故に関しては、水漏れが起こったときに1階に被害が出てしまう一方、早く発見できたり1階から修理ができたりするため、メリットデメリットの両方が考えられます。

またメゾネットは、上の階と下の階の両方のフロアにベランダやバルコニーがあるタイプが多く、その点も魅力のひとつになっています。開口部が多いと明るく風通しもよいため、カビの発生なども抑えられます。何よりもその開放感がいいですね。

玄関のみが1階で、それ以外は全て2階という間取りもあります。玄関を開けると目の前にすぐ階段があり、上階が通常のフラットタイプと同じ物件です。このタイプは、外階段が建物内部にあるというだけで、残念ながらメゾネットのメリットは感じられないでしょう。

メゾネットというとおしゃれなリビング階段やらせん階段を思い浮かべる方も多いかもしれません。リビング階段を採用しているのは築浅で広めの物件が多く、らせん階段はデザイナーズ物件に多いようです。

リビング階段はおしゃれで部屋が広く見えるメリットがありますが、冬場は暖房効率が悪くて寒いという点も考慮しましょう。

メゾネットタイプのメリットとデメリット

どのような住居に住むのであれ、メリットとデメリットは存在します。それが良い・悪いということではなく、生活スタイルとの相性の問題です。メゾネットの特徴をしっかり理解し、ご自身の生活にマッチするかを考えてみましょう。

メリットは共用部が利用できることや、セキュリティ面で安心な集合住宅でありながら、一戸建てに住んでいるような開放感が味わえることです。まさにいいとこ取りですね。

デメリットは主に「階段がある」ことに起因します。ベランダやバルコニーが2階にしかない場合は、1階で洗濯をして2階に持って上がって干す。階段の掃除をする。考えただけで家事が大変ですね。夫婦ふたりでメゾネットに住み始めたけれど、子供が生まれてからは階段が理由で引越した、というケースもあるようです。

階段のある生活を楽しめるかどうかが、メゾネットとの相性を決めると言っても過言ではないでしょう。

気になる「騒音」は？

メゾネットだからといって騒音に強い造りになっているとは限らないのですが、メゾネットならではの特徴もあります。
まずは「縦方向」の音についてです。1階にリビング、2階に寝室があり、さらに上層にも同じ造りのメゾネットがあるとします（下のイラスト参照）。

上下階の人の生活リズムが近い場合は、日中はそれぞれリビングで過ごし、夜間はそれぞれ寝室で過ごすことになると考えられます。そのため、お互いが過ごすフロアの間には無人フロアが挟まれた状態になるため、騒音があっても気にならない造りといえるでしょう。

「横方向」の音については、メゾネットも壁を隔てて隣家と接しているため、通常のマンション・アパートと変わりはありません。ただし部屋の端に階段がある場合は、お互いの生活空間の間に階段が挟まれるため、騒音が伝わりにくいという特徴があります。しかし逆に階段の昇り降り音が気になるという場合もありますので、注意が必要です。

騒音を気にせず生活したい場合は、メゾネットタイプかフラットタイプで選ぶ以前に、騒音が伝わりやすい木造や軽量鉄筋造のアパートではなく、鉄筋コンクリート造のマンションを選択するとよいでしょう。

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