鎌倉・長谷の老舗洋食屋「レストランCARO(カロ)」でディナーにビーフシチューを | 女性の一人暮らし・賃貸物件なら【Woman.CHINTAI】    
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とろける旅の夜。老舗洋食屋でビーフシチューを ― 鎌倉・長谷「レストランCARO(カロ)」

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「レストランCARO」の外観

紅葉を楽しめる観光名所がいくつもあり、おしゃれなカフェや雑貨屋さんも点在する街、鎌倉・長谷。
秋の景色を楽しみながらたっぷりと街歩きを満喫したあとは、40年にわたり地元で愛されている洋食屋さんで、とっておきのディナーはいかがですか。

「レストランCARO(カロ)」は、マスターの加藤清次(かとうきよじ)さんと奥さまが営む、1979年創業のお店。

「レストランCARO」の「ビーフシチュー」

ディナータイムにおすすめの「ビーフシチュー」をいただきながら、料理へのこだわりや人気メニュー、鎌倉で40年間お店を営んできた思いについてお話をうかがいました。

鎌倉・長谷の旅に。昔ながらの洋食屋「レストランCARO(カロ)」でディナーを

長谷駅

「レストランCARO」は、鎌倉駅から江ノ電にのって5分、長谷駅から歩いて3分ほどの場所にあります。

江ノ電を降り、由比ヶ浜方面の1番ホーム側にある出口を出ると、ふわりと潮の香りに包まれました。香りに導かれるように歩き出し、踏み切りを背にしてしばらく進みます。

「レストランCARO」の看板

つきあたりを右に曲がるとすぐに、オレンジ色の看板が見えました。

「レストランCARO」の外観

アーチ状になった石造りの入口を抜けてドアを開けると、「いらっしゃいませ」と奥さまがにこやかに迎えてくれます。カウンターの奥ではマスターが、静かにほほえみながら会釈してくれました。

「レストランCARO」の店内

店内には、ランプの明かりがやさしく灯っています。真っ白なレースのテーブルクロス、赤いシートが張られた木のいす、漆喰が荒く塗られた壁。はじめて来たはずなのにどこか懐かしさを感じる、あたたかみのあるお店です。

「レストランCARO」の人気メニューは、とろける味わいの「ビーフシチュー」

「レストランCARO」には、約30種類もの豊富なメニューがあります。中でも人気なのは、牛肉と野菜のうまみがたっぷり溶け込んだソースが絶品の「ビーフシチュー」。

「レストランCARO」の「ビーフシチュー」
ビーフシチュー Sサイズ:税抜1,600円、Mサイズ:税抜1,950円 ※写真はMサイズ

「レストランCARO」のビーフシチューは、一般的な鍋でソースとともに煮込むタイプではありません。具材がならんだお皿にシチューソースをかけ、オーブンで焼くのが特徴。

「レストランCARO」の「ビーフシチュー」の具材のみ

お皿にならんでいるのは、3時間以上かけて煮込んだ牛肉、下煮をすませたにんじん・たまねぎ・いんげん・じゃがいも、平打ち麺、マッシュルーム。具材の上からあたためたビーフシチュー用のソースを流しこみ、シュレッドチーズを乗せてオーブンで8〜10分ほど焼くと完成です。

特製デミグラスソースは「レストランCARO」の“命のソース”

ビーフシチューの味の決め手は、「レストランCARO」特製のデミグラスソースです。

「レストランCARO」の「ビーフシチュー」のソースを注いでいるところ

ビーフシチューに使うソースは、デミグラスソースと、シチュー用の牛肉を煮込んだトマトベースのソースをあわせてつくられています。

デミグラスソースは、玉ねぎなどの野菜をたっぷり、牛すじ肉、牛のアキレスを鍋のなかへ。形がくずれてドロドロになるまでじっくり煮込んだあと、手でしぼってソースをこしていきます。

「レストランCARO」のマスターがキッチンでソースに火入れしているところ

煮込んではこし、また煮込む。何度も繰り返し、3週間以上かけてやっと完成。手間をかけて丁寧につくられた、こだわりのソースです。

奥さま:「デミグラスソースはお肉料理に使っています。マスターは、うちのお店の生命線ともいえる『命のソース』だとよく言っていて。このソースがなければお店が成り立たないほど、とても大切なものなんです」

あっさりだけどコクがある。「ソースを食べる」ためのビーフシチュー

できたての「ビーフシチュー」を、さっそくいただきました。

まずはお肉から。形がくずれる寸前まで煮込んでいる牛肉は、スプーンで簡単に切れます。でもせっかくなので、大きいかたまりのまま一口で!

「レストランCARO」の「ビーフシチュー」をスプーンですくっている様子

口いっぱいに牛肉をほおばると、牛肉がほろほろと口の中でとろけていきます。あまりのやわらかさにおどろきました。かみしめるほどに口の中に広がっていく、牛肉の脂身とすじのうまみ。

野菜のなかで印象的だったのは、にんじんのグラッセが入っていたこと。甘いにんじんはコクのあるシチューソースとよく合います。

「レストランCARO」の「ビーフシチュー」

シチューソースはとろみが少なく、サラリとしています。真っ黒なソースは一見味が濃いように見えますが、つくるときに脂をほとんど抜いてあるため、食べ進めてもまったくくどさを感じません。

どの具材もおいしいのですが、食事のあと一番印象に残るのは、シチューソースのあっさりとしていながらもコクのある味わい。「うちのビーフシチューは、ソースを食べていただきたいお料理なんです」という奥さまの言葉の意味がよくわかります。

お客さんの味の好みの変化に合わせ、レシピを改良

創業以来、「レストランCARO」のメニューはほとんど変わっていません。しかし、ここ10年ほどで20代〜30代の若い世代のお客さんの味の好みが変化しているため、全体的に「まろやかさ」がより出るように、レシピを改良したそう。

「レストランCARO」のカウンター

ビーフシチューのソースは、牛乳と生クリームを加えることでまろやかさを出しています。ただ追加するだけではコクが不足してしまうため、ベースとなるデミグラスソースを、より濃厚な味わいにする必要がありました。

どのくらいの量の野菜と肉を入れて、どのくらい煮つめればいいのか……マスターは何年もかけて試行錯誤を繰り返し、やっと今のソースの味に行きついたそうです。

「レストランCARO」のカウンター

奥さま:「納得のいく味になるまで失敗の連続でしたが、まろやかさを加えたことでより幅広い世代のお客さんに『おいしい』と言っていただける味になりました」

手間をかけて素材の味を引き出す「プロの味」

じっくりと手間をかけて素材の味を引き出しているのも、こだわりのひとつ。

「レストランCARO」の「ビーフシチュー」の具材のみ

デミグラスソースをつくるときに使う野菜や、料理のつけあわせ用の野菜など、カットから下処理まですべてお店でおこなっています。

また、使う調味料は塩やこしょう、ワインなど、いたってシンプル。キッチンにならぶ調味料の少なさに、おどろくお客さんも多いのだとか。

「レストランCARO」の鍋でソースに火入れしているところ

奥さま:「当店のメニューはカレーやシチューなど、ご家庭でもつくれるものばかり。特別な調味料も使っていません。ひとつひとつ手間をかけて素材の味を引き出すことで、ご家庭では出せない『プロの味』を実現しているんです」

ビーフシチューとならぶ「レストランCARO」の人気メニュー「ハンバーグステーキ」

「レストランCARO」で「ビーフシチュー」とならんで人気なのが、「ハンバーグステーキ」です。

「レストランCARO」のメニュー
ハンバーグステーキ 税抜1,280円

時間をかけてじっくり炒め、うまみとコクを最大限に引き出したたまねぎが、ハンバーグステーキの味の決め手です。たまねぎを多めに入れているので、おはしで切れるほどやわらかいのが特徴。

ハンバーグにもデミグラスソースがたっぷり使われていて、ソースのおいしさを存分に味わえるメニューです。

ディナーにぴったりのセットメニューで、コース風にも

ディナーコースはありませんが、単品メニューにつけられるセットメニューがあります。セット内容は、コーンポタージュ・ライスまたはパン・アイスクリーム・コーヒーまたは紅茶。それぞれ単品で頼むよりもお得なので、セットにされるお客さんが多いそう。

「レストランCARO」のメニュー
セット 税抜980円

野菜は付け合わせとしてどの料理にもついているので、単品メニューにセットをつければ、野菜からメイン、デザートまでひととおり味わえます。ディナーコースのように食事を楽しみたい方におすすめ。

ランチ・ディナーともに予約を受けておらず、ディナータイムは混むことも多いので、日によっては少し待つ可能性があるそう。時間に余裕があって、のんびり食事を楽しめるときに行くのがよさそうです。

鎌倉・長谷に店を構えて40年。地元で愛される洋食屋へ

「レストランCARO」の夜の外観
オレンジ色の明かりが灯る、夜の「レストランCARO」

鎌倉・長谷の観光地化が進んだのは、ここ20年ほど。マスターがお店を構えた40年前には飲食店は数えるほどしかなく、住宅ばかりだったそう。

奥さま:「当時の長谷は、今と違って地元の人しかいないような場所でした。近隣の方々ともまだ交流が少なく、どうやってお店を知ってもらったらいいのかわからず、苦労しました 」

「レストランCARO」の紙ナプキンと卓上の調味料

「CARO」が地元で愛される洋食屋になったのは、マスターの味を気に入ったお客さんが周りの人々にお店を勧めてくれたから。

当時は、まだインターネットが普及していなかった時代。口コミで少しずつ、着実にファンは増えていきました。今でも、常連さんの紹介をきっかけに店に通ってくれるようになるお客さんは少なくないのだとか。

奥さま:「マスターの丁寧な仕事をわかってくださるお客さんに恵まれ、鎌倉の地で40年間続けてこられました。本当にありがたいことです」

お客さんのために、これからも誠実に、丁寧な仕事を

「レストランCARO」の夜の看板

外国からの観光客も多い鎌倉・長谷ですが、和食を好む外国の方々は「レストランCARO」にはほとんどいらっしゃらないそうです。

雑誌やWebサイトなどで店の存在を知ってやってくる方もいますが、お客さんの多くは地元に住む常連さんです。

「レストランCARO」の入り口のランプ

オープン当初からの常連さんは、現在は80歳を超えている方がほとんどで、高齢のため店に足を運ぶのが難しい方も少なくないそう。今のお店を支えているのは、初代の常連さんのお子さん、お孫さんの世代だと、奥さまは語ります。

奥さま:「手間も原価もそれなりにかかります。でも、うちの味を気に入って通い続けてくださるお客さんに申し訳ないので、手は抜けないんです。これからも誠実に、丁寧な仕事をして、お客さんをお迎えしていきたいですね」

「レストランCARO」のカウンター内で作業中のマスターと奥さまとスタッフ

「はやりに乗ることはないけど、時代に逆行することもない」とおっしゃっていた奥さま。

誠実に、丁寧な仕事をしていく思いは変えない一方で、お客さんの変化にあわせてメニューの味を少しずつ変化させていく。この柔軟な姿勢があったからこそ、「レストランCARO」は40年もの長きにわたり、鎌倉でたくさんのお客さんから愛される店になっていったのでしょう。

旅先では、観光客向けのお店よりも、地域に住む方が通うお店に入るのが好きなわたし。地元で愛される「街の洋食屋さん」で、長谷の暮らしを少し体感できたような気持ちになりました。

食事のあとは、夜の鎌倉・由比ヶ浜をおさんぽ

由比ヶ浜の夕暮れ

マスターのこだわりがつまったおいしい「ビーフシチュー」と、奥さまのあたたかな接客で、おなかも心もたっぷりと満たされた「レストランCARO」からの帰り道。少しだけ足を延ばして、店から100mほどの距離にある鎌倉の観光スポット「由比ヶ浜」を訪れてはいかがでしょうか。

夜の由比ヶ浜は、昼間とは打って変わって落ち着いた雰囲気。波の音を聞きながら、食後にのんびりおさんぽするのも楽しそうです。

「レストランCARO」のOPENサイン

週末や観光シーズンには、たくさんの観光客であふれかえる長谷。街中の喧騒を離れ、地元の方が多くほっとする雰囲気の「レストランCARO」で、いつもとひと味違う鎌倉旅のひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

地元の人に40年間愛され続けている絶品の「ビーフシチュー」は、何度でも長谷に帰ってきたくなる味です。ぜひ一度、味わってみてくださいね。

レストランCARO(カロ)

鎌倉市長谷2-16-15 斉藤ビル1F
TEL:0467-25-4379
営業時間:
ランチ 12:00-15:00(L.O.14:30)
ディナー 18:00-21:00(L.O.20:30)
定休日:金・第3木

取材・執筆:中村 英里
編集:かしみん

秋の特集「『日常』にであう旅 ― 鎌倉、ふだんづかい」では、長谷の宿とおすすめ散策スポット鎌倉のコーヒー屋さんがおすすめするスポットをめぐる旅朝食屋「COBAKABA」も紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

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※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。

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