- odekake
- 2019/10/11
目次
- 1 鎌倉市場「レンバイ」の通りにある朝食屋「COBAKABA(コバカバ)」
- 2 朝の鎌倉を眺めながら、ゆったり楽しむカフェモーニング
- 3 朝食屋「COBAKABA」は、鎌倉で朝をむかえる人たちの「はじまりの場所」
- 4 ごはんかパンのどちらかをチョイス。家庭的な朝ごはん定食
- 5 「COBAKABA」の一番人気! ほっとする味の朝食メニュー「卵かけごはん定食」
- 6 魚定食や、鎌倉で人気のパンとジャムを使った朝ごはんもおすすめ
- 7 体にやさしい「COBAKABA」の味を、鎌倉みやげに
- 8 老舗カバン店から朝食屋「COBAKABA」へ。鎌倉の「あたりまえの暮らし」を届けるカフェ
- 9 大切にしているのは「自然の中から時間の流れを感じてほしい」という思い
- 10 生まれ育った鎌倉に住む人たちの、自然に沿った暮らし
- 11 一日のはじまりに立ち寄りたい、鎌倉の暮らしを感じる朝食屋「COBAKABA」
人気の観光スポットと、地元の人たちが行き交う生活の拠点がほどよく共存する街、鎌倉。それを象徴するかのように、鎌倉駅を出て鶴岡八幡宮とは反対方向へ歩くと見えてくるのが、地元の人にも愛される朝食屋「COBAKABA(コバカバ)」です。
家庭的な朝ごはんが食べられる、朝食専門の小さな食堂。卵かけごはんと近くの市場で仕入れた旬の野菜たっぷりのお味噌汁ではじめる、「鎌倉の朝」を味わってきました。
鎌倉市場「レンバイ」の通りにある朝食屋「COBAKABA(コバカバ)」
鎌倉駅東口から徒歩3分ほど、若宮大路沿いにある朝ごはん専門店「COBAKABA」。
同じ通りには通称「レンバイ」として地元の人からも親しまれている市場、鎌倉市農協連即売所も並んでいます。
「おはよう かまくら。」というメッセージや大きく開かれたドアが清々しく、鎌倉で気持ちのよい朝を過ごすのにぴったりなお店です。
朝を連想させる、“ニワトリ”のイラストが描かれた看板も目を引きます。
朝の鎌倉を眺めながら、ゆったり楽しむカフェモーニング
お店の中に入ると迎えてくれたのは、鎌倉で生まれ育ったオーナーの内堀さん。
もともと内堀さんのご両親がこの場所で「小林カバン」というカバン店を営んでいたのが「COBAKABA」のはじまり。その後、2006年から家庭料理の食堂に転身し、2017年10月より朝ごはんに特化した「朝食屋」としてリニューアルオープンしたのだそう。
店内はそれほど広くはないものの、大きな窓から外の景色がよく見えるので、明るく開放感のある雰囲気です。
シンプルな内装で、木のテーブルとイスがやさしい印象をつくり出しています。奥の丸窓はカバン店時代から変わらずにあるものなのだとか。
大きな窓からは、鎌倉の街並みや通りゆく人たちをぼんやり眺められます。
ところどころ壁にかけられたやわらかなタッチのイラストや、黒を取り入れたスタイリッシュなカウンターのデザインがおしゃれ。
朝食屋「COBAKABA」は、鎌倉で朝をむかえる人たちの「はじまりの場所」
「朝食屋」をオープンさせた理由は、「一日をはじめる朝の拠点でありたい」という思いから。
内堀さん:「一日のはじまりでもあり、旅のはじまり、暮らしのはじまりでもある『朝』という時間。鎌倉で、そんな朝を迎える人たちの『はじまりの場所』でありたいと思い、朝食屋をはじめました。お店から元気にみなさんを送り出して、すてきな一日をスタートさせてほしいですね」
ごはんかパンのどちらかをチョイス。家庭的な朝ごはん定食
「COBAKABA」の朝食メニューは、ごはんの定食9種類と、パンの定食2種類から選べます。金・土・日・月曜日限定でドーナツ(単品・税込250円)も。
ごはん定食の一番人気は「卵かけごはん定食」(税込836円)。ほかにも、サバやアジなどの「お魚の定食」や「納豆定食」(税込836円)、「冷ややっこ定食」(税込836円)など、定番の和定食が並びます。
すべてのごはん定食に五穀米・お味噌汁・お漬物・小鉢・こば茶というオリジナルのお茶がセットに。
胃を休めたいときには、シンプルな「季節のお味噌汁と五穀米のセット」(税込583円)や、プラスで小鉢がついた「季節のお味噌汁と五穀米と小鉢のセット」(税込748円)もよさそうですね。
パンの定食は、「目玉焼きとパンのセット」(税込902円)か「季節のジャムセット」(税込836円)の2種類。どちらもサラダ2種と選べるセットドリンクがつきます。
「COBAKABA」は、シンプルで素朴な朝ごはんが味わえると、土日には行列ができるほど人気のお店です。年配の方から若い方、家族連れなど幅広い層のお客さんが訪れていて、レンバイ帰りに立ち寄る地元の方もいるのだとか。
朝7時からオープンしているので、鎌倉に宿泊した翌日の朝ごはんに立ち寄るのもよさそうですね。
「COBAKABA」の一番人気! ほっとする味の朝食メニュー「卵かけごはん定食」
一番人気の「卵かけごはん定食」をさっそくいただきます!
定食の食材には、なるべく無添加でオーガニックなものを使うように心がけているのだそうです。メインの卵は、神奈川県内で平飼いされた、産みたての有精卵を使用。白身も淡白でしっかりとしたおいしさがあるのが特徴です。
卵を割ってみると……ぷりっとしたツヤのある、きれいな黄身が出てきました。
鮮やかな黄色がうつくしく、食欲そそられる見た目にうっとり。
そのままでももちろんおいしいのですが、ちょこっとお醤油をたらして。無添加でつくられた九州のこいくち醤油が、ほどよいアクセントになります。
黄身をくずしたら、一気に口の中へ。卵の濃厚なまろやかさとお醤油の香ばしさのハーモニーが舌のうえに広がります。そのおいしさに、夢中でかき込んでしまうほど。
お味噌汁のみそは、鹿児島県に住んでいる内堀さんの親戚がつくっている自家製もの。麦とお米を合わせてつくられた、自然な甘みのある田舎みそです。内堀さん自身も子どもの頃から慣れ親しんだ味なのだそう。
お味噌汁の具には季節の野菜がたっぷり。取材時は秋近い夏のおわりで、この日は冬瓜・オクラ・大葉・みょうが・厚揚げが入っていました。冬瓜のまろやかな食感のなかに、大葉とみょうがのさっぱりとした香りが引き立っています。
内堀さん:「野菜は新鮮なものを、となるべく地元のレンバイや市場などで仕入れています。お味噌汁に旬の食材を入れて、季節の移り変わりを感じてもらえるようにこだわっていますね」
五穀米のごはんは、山形県の米農家さんがつくる有機米「ひとめぼれ」と、鹿児島県の農家さんが有機栽培で育てた黒米・赤米・緑米・麦・餅粟の五穀を合わせてつくられたもの。
やわらかい食感とやさしい甘みが広がる、素朴な味わいです。
この日の小鉢はひじき。日によって、切り干し大根などの家庭的なおかずも並ぶそうです。
自家製のひじきとお漬物は、どちらもほっとする懐かしい味つけ。ごはんがよく進みます。
食事のお供には、オリジナルの漢方ブレンド茶「こば茶」を。黒豆・なつめ・ハブ茶・玄米・三年番茶・ウコンが入っていて、胃腸のはたらきを活発にしてくれる効果があるのだとか。
これぞ理想の和朝食。野菜たっぷりでバランスの取れた朝ごはん定食は、毎日でも食べたくなるくらい体にやさしい味わいでした。いい食材でおなかが満たされて、しあわせな気持ちで朝のスタートが切れそうです。
魚定食や、鎌倉で人気のパンとジャムを使った朝ごはんもおすすめ
「朝食屋COBAKABA」公式サイトより photo:大社優子
卵かけごはんのほかに、サバやアジの「お魚定食」も人気。特にサバは身が大きくジューシーな味わいで、お客さんからも好評なのだとか。
「COBAKABA」公式サイトより photo:大社優子
パン定食のパンは地元・由比ガ浜のパン屋さん「ラフォレ・エ・ラターブル」のバケットカンパーニュを使用。
画像提供:COBAKABA photo:大社優子
「季節のジャムセット」に使われているジャムは、地元でも人気を集めているいがらしろみさんのジャムと焼き菓子の店「ロミ・ユニ・コンフィチュール」のものです。
ちなみに「ロミ・ユニ・コンフィチュール」の店舗も、「COBAKABA」と同じく若宮大路沿いを鶴岡八幡宮方面へまっすぐ進んだところにあります。帰りに立ち寄ってみるのもよさそうですね。
体にやさしい「COBAKABA」の味を、鎌倉みやげに
お店では、メニューで使っているオーガニックの調味料や食材を購入できます。
高知県産の「ジンジャーシロップ」や、卵かけごはんにかける九州産の「無添加醤油」など。「COBAKABA」ブレンドの「コーヒー」といったオリジナル商品もあります。
なかでもお味噌汁に使っている「みそ」(税込780円)や「五穀米」(税込540円)、こば茶のお茶っぱ「こば茶葉」(税込1080円)が人気なのだとか。
「こば茶葉」は手軽に自宅でも試しやすいので、おみやげにもおすすめです!
老舗カバン店から朝食屋「COBAKABA」へ。鎌倉の「あたりまえの暮らし」を届けるカフェ
もともと内堀さんのご両親がこの場所で営んでいた「小林カバン」は、60年ほど続いた老舗店だったそう。
そこから飲食店勤務の経験があった内堀さんご自身をはじめ、料理人のお姉さまや料理好きのお母さまと、家庭料理を日替わりで提供する食堂を開くことに。
内堀さん:「鎌倉の地で生まれ育ったぼくたちにとって、鎌倉での暮らしがあたりまえでした。そこで、地元の食材を使ったバランスのいい家庭料理を気軽に食べられるお店があったらと思い、家族で食堂をやることになったんです」
食堂の店名は、「小林カバン」を略した「COBAKABA(コバカバ)」に。「地元の人たちの“憩いの場”になっていたカバン店時代からの役割も引き継いでいきたい」という思いから名付けられたのだそう。
大切にしているのは「自然の中から時間の流れを感じてほしい」という思い
2017年のリニューアルオープンからは、内堀さんひとりでお店を経営するように。大事にしているのは、自然や季節の移り変わりを身近に感じられるお店であること。
内堀さん:「忙しい現代だからこそ、時間に追われる生活は送ってほしくない。『朝と夜の景色の違いに気づいたり、月の満ち欠けを意識したりと、自然の中から時間や季節の流れを感じてほしい』という思いがお店のコンセプトでもあるんです。
だから店内にはあえて時計を置いてないんですよ。お味噌汁に入っている旬の野菜などから、季節を感じ取ってもらえるようなお店でありたいと思っています」
ショップカードにも描かれているニワトリのイラストは、とさか部分が太陽で、くちばし部分が月になっているんです。イラストでも「太陽と月を意識して自然の時間を大事にしていること」を表しているのだそう。
生まれ育った鎌倉に住む人たちの、自然に沿った暮らし
鎌倉で生まれ育った内堀さんにとって、鎌倉という街や鎌倉に住む人たちのどんなところに魅力を感じているのでしょうか。
内堀さん:「鎌倉は、自然も残ってるし、都会ともほどよく近い距離にある街。伝統的な文化と新しい若者文化が共存している特色があると思います。
お互いに混じり合うことはないけれど、それぞれの生き方を尊重し合っていて、そこから新たなカルチャーが生まれることもある。そんな、化学反応を楽しめるところが鎌倉の魅力のひとつかなと思います」
たしかに鎌倉には歴史ある神社やお寺が数多く残り、昔からの習慣や暮らしを大切にする文化があります。その一方で、次々と新しいカフェやお店がオープンし、若者に人気の観光スポットである一面も。
内堀さん:「もうひとつ、鎌倉の人の朝は早いんです。日の出とともに起き、日没には店を閉めて家に帰る人が多くて。海や自然が身近にあるから、ヨガやサーフィンなどをして、太陽の動きに合わせて生活する人が自然と増えるのかもしれないですね。まさに『COBAKABA』でも大事にしている暮らしです」
都会にいると、どうしても仕事や時間に追われてしまう。しかし、鎌倉に住む人たちは、昔の人と同じように、太陽が昇っている時間に活動し、暗くなったら就寝する。
鎌倉にいると、そんな自然のリズムに合わせた生活が身近に感じられる気がします。
一日のはじまりに立ち寄りたい、鎌倉の暮らしを感じる朝食屋「COBAKABA」
内堀さん:「最近は、ゲストハウスや新しいホテルが増え、宿泊した翌日に朝ごはんを食べに来る方も多いですね。鎌倉は観光地ですが、朝と夜は地元の方とも交流しやすい雰囲気があって。『COBAKABA』が地元の人と観光客とのつながりの場になれたらうれしいです」
鎌倉で迎えた朝、いつもより少しだけ早起きしたら、朝ごはんを食べに「COBAKABA」へ。
せっかくだから、隣に座っている地元のご夫婦に、鎌倉のおすすめスポットを聞いてみようかな。帰りにレンバイへ寄って、旬の鎌倉野菜を買うのもいいかも。
そして、日が暮れる頃には家に帰って、めずらしく野菜たっぷりのごはんでもつくってみよう。
そんなふうに鎌倉での過ごし方を想像したら、これからはじまる一日にわくわくしてきました。
一日のはじまりに季節の移ろいを感じながら、「COBAKABA」で気持ちのいい朝を過ごしてみませんか。
COBAKABA(コバカバ)
神奈川県鎌倉市小町1-13-15
TEL:0467-22-6131
営業時間:7:00-14:00(L.O.13:30)
定休日:水
http://cobakaba.com/
取材・執筆:てい えみ
編集:かしみん
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※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。
※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
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