- odekake
- 2019/10/08
東急世田谷線の松陰神社前駅を降りると、目の前に行列のできるパン屋さんが見えます。
「ブーランジェリー スドウ (Boulangerie Sudo) 」は、1ヶ月予約待ちの食パンが話題のお店。パティシエ出身の須藤さんご夫婦がつくるのは、老若男女に愛される豊富な種類のパンと焼き菓子です。
毎日食べても飽きのこない味わいの食パンから、見た瞬間に感嘆の声がもれるほどきらびやかなフルーツのデニッシュまで、人気のひみつに迫ります。
目次
- 1 三軒茶屋から3駅。商店街が賑わう松陰神社前にある「ブーランジェリー スドウ」
- 2 開店前からパン好きが行列をつくる「ブーランジェリー スドウ」
- 3 「もっちり」と「ふんわり」、食感で選ぶ「ブーランジェリー スドウ」2種類の食パン
- 4 なんと1ヶ月待ち⁉︎ 人気の食パンの予約は電話受付のみ
- 5 シェフおすすめ! 食パンのおいしい食べかたとは
- 6 まるで宝石のような神々しさ。人気メニューの「フルーツデニッシュ」も
- 7 いつ来ても、食べたい「ブーランジェリー スドウ」の味に出会える。時間帯別パンのラインナップ
- 8 ギフトや手みやげにおすすめ! プリンや焼き菓子も
- 9 元パティシエだからできる、「焼き菓子とパンの店」
- 10 食を通して人の心を豊かにしたい。母から学んだ“食育”
- 11 子どもからお年寄りまで。「ブーランジェリースドウ」が愛される理由
- 12 毎日食べても飽きない、シンプルな食パンのおいしさ
- 13 ぬくもりとこだわりに包まれたパン屋さん
三軒茶屋から3駅。商店街が賑わう松陰神社前にある「ブーランジェリー スドウ」
東急世田谷線の三軒茶屋駅から約5分。2両編成のコンパクトな車両に乗って、松陰神社前駅へ。
下高井戸方面のホームの先頭から降りると、パンのふわっと甘い香りがただよってきました。
「ブーランジェリー スドウ」は2019年10月で10周年を迎える、老若男女に愛される街のパン屋さんです。
元パティシエの須藤さんご夫婦がつくるパンは、シンプルで飽きのこない食パンをはじめ、毎日食べたくなる「パン屋さんの定番」から、ちょっとぜいたくなデニッシュまで。
ギフトにも人気だというクッキーなどの焼き菓子はバリエーションを豊富に用意し、プリンなどの生菓子まで幅広い商品展開が魅力です。
開店前からパン好きが行列をつくる「ブーランジェリー スドウ」
「ブーランジェリー スドウ」には、「もう一度これが食べたいと思って」と焼き上がりの時間を聞きに来る方や、「この間のパン、おいしかったです!」と直接伝えに来てくれるお客さんが多いと教えてくれたのは、スタッフの天野さん。一度気に入ると、お目当ての商品をめがけて来られる方が多いとのこと。開店直後の取材時も、地元の方が自転車で駆けつける様子を何度も見かけました。
「見ておいしい、食べておいしい」がコンセプトの「ブーランジェリー スドウ」は、見た目からおいしいとわかるように、盛り付け方や仕上げ方にもこだわりがあります。お客さんが店に入った瞬間に、「わぁ!おいしそう!」と視覚的にも楽しんでほしいという思いは、丁寧に仕事をすることや、いつでも店をきれいに整えることにつながっています。
「もっちり」と「ふんわり」、食感で選ぶ「ブーランジェリー スドウ」2種類の食パン
「ブーランジェリー スドウ」で買える食パンは「世田谷パン」と「世田山食パン」(どちらも税抜700円)の2種類。
2つの違いは食感が異なるところで、お客さんの好みに合わせて選べるように2種類を展開しています。どちらも生地は同じで、途中の作業工程を変えることによって食感の違いを出しているとのこと。食パンは食感が異なると、口どけや味の濃さが変わるので「絶対にこっちがいい!」というこだわり派が多いそう。
そんな大人気の食パンについて、「ブーランジェリー スドウ」の須藤さんご夫妻にお話を聞きました。
枝里子さん:「わたしたちは山食パン派です(笑)。角食パン派もたくさんいらっしゃるので、こればかりは本当に好みが分かれますね」
「世田山食パン」は生地が縦にのびるため、ふんわりと口どけのよい食感が特徴。「世田谷食パン」のほうは、「世田山食パン」のふんわりした食感と比べて、もう少しもっちりとして皮もしっかりとした濃い味わいになっているとのこと。どちらか悩む方は、もっちりした食感か、ふんわりした食感がいいかで選ぶと良いかもしれません。サンドイッチに使いたいから、と角食を選ばれる方もいるとのこと。
食パンの材料のメインになる小麦は、カナダやオーストラリアなど海外産のもの。特別な小麦を選ぶというよりも、新鮮なものが安定して手に入る種類をセレクトしているそうです。
近年人気の高い、高級食パン店では国産小麦を使用することを謳う店も多いなか、海外産の小麦を選ぶ理由はひとつ。
枝里子さん:「自分の店で出す食パンは、特徴的な味わいの特別な食パンよりも、毎日食べたくなる、飽きのこないやさしい口どけの食パンであってほしいと思っています。食パンのボリュームや口どけを追求した結果、安定しておいしくつくれる海外の小麦を選びました」
なんと1ヶ月待ち⁉︎ 人気の食パンの予約は電話受付のみ
食パンはなんと、1ヶ月待ちの大人気商品! 1日につくるのは40斤とのことで、確実に手に入れたい方は予約がおすすめです。
食パンは、予約して1ヶ月先に引き取るかたちでの販売をしています。すぐに欲しい方は、キャンセル待ちを狙うか、当日の店舗販売分の数本を狙うかとのこと。
予約方法は電話での受付がメイン(空きがある場合、店頭でも受付可)。店頭や公式 Instagram、 Facebook で受付日を確認のうえ、お問い合わせください。
シェフおすすめ! 食パンのおいしい食べかたとは
せっかくなので、シェフの秀男さんにおすすめの食べ方をお聞きしました!
秀男さん:「僕は厚切りが好きなので、角食なら4枚切り、山食なら3枚切りにします。これくらいの厚さだと、食パンの皮の部分と中のふわっとした食感を楽しめるので。買った当日はそのまま生で食べて、翌日なら軽くトーストするのがおすすめです」
食パンに合わせるのは、シンプルにバターのみがメイン。冷蔵庫から出した冷たいバターあったかい食パンにのせて、口の中でバターを溶かしながら食べるのが好きだそう。聞いているだけでよだれが出てしまいそうです……!
秀男さん:「合わせるバターは、普通の無塩バターでも、発酵バターでもいいんです。甘さが欲しいときは、僕はジャムよりはちみつが好きですね。はちみつはクセがないもののほうが食パン本来の味わいをたのしめます。自家製のコンフィチュールもつくってるんですよ。パンに合うラインナップで、フランボワーズなども用意しています」
まるで宝石のような神々しさ。人気メニューの「フルーツデニッシュ」も
「目で見て『おいしそう』と思ってもらえるものを」と話す秀男さん。
食パンのほかに、取材の際に思わず目が釘付けになったのは、季節のフルーツをたっぷり使ったフルーツデニッシュ。
「いつ来てもお客さんにおいしいものを届けたい」との思いで、デニッシュに使うフルーツをつくる農家さんのもとへも足を運んでいるとのこと。生産者の顔がわかるからこそ、素材の味わいと食材の美しさをいかすフルーツデニッシュが生まれます。
いつ来ても、食べたい「ブーランジェリー スドウ」の味に出会える。時間帯別パンのラインナップ
パンの焼き上がりは、朝の時間帯は甘いものから惣菜系のパンと、幅広いラインナップが中心。昼の時間帯(12:30-13:00すぎ)は惣菜パンがメインになり、夕方(15:30-16:30ごろ)の焼き上がりは、ベーコンののったフランスパンなど、ハード系のフランスパン生地の惣菜パンが中心になるとのことです。
ギフトや手みやげにおすすめ! プリンや焼き菓子も
パンと合わせて買いたい、おやつのプリンなど生菓子まで取り揃えています。
また、焼き菓子は1個からでもセットでも購入できるほど種類が豊富なんです!
焼き菓子もフレッシュさを大切にしたいという思いから、つくるのは1週間分のみ。
毎日のおやつに、手土産に選びたい商品もたっぷり用意されています。
元パティシエだからできる、「焼き菓子とパンの店」
オーナーである須藤さんご夫婦は、もともとパティシエ。同じ職場で出会った2人は、自分たちでお店をやろうと修行に励んでいたそうです。ちょうど秀男さんが35歳のときに2人で始めたのが今のお店。お菓子もパンもつくれる技術を生かした結果、コンセプトは「焼き菓子とパンの店」へたどり着きました。
お店に並ぶパンは一日を通して約70種類、焼き菓子は約25種類。それにしても、街のパン屋さんという規模で、パンも焼き菓子もここまで種類が多いのは珍しいのではないでしょうか。
枝里子さん:「秀男さんが『やりたい』って言い出したものをどんどんやっていって、今のかたちになりました(笑)」
秀男さん:「お菓子みたいに、ひとつひとつのパンに表情をつくりたいなと思っています。お店へ入った時に『きれいなパン!』って、目で楽しんでもらってから、香りや味わいを楽しんでいただけたら。パティシエの経験は、一番の強みになっているかもしれませんね。パン屋だけでは知らなかった食材の豊富さや加工の仕方などを知っているから、細部まで手を加えることができる。店を始めて10年経って、ある程度確立されてきたのですが、それでも飽きさせない、いつ来ても驚きがあるというのを大切にしています」
食を通して人の心を豊かにしたい。母から学んだ“食育”
秀男さんが食の仕事に就こうと思ったきっかけは、お母さまの影響から。
料理が大好きなお母さまは、いつも家族のごはんすべてにお出汁をとってつくるのみならず、陶芸へ出向き、自分好みの食器をこしらえるところまでこだわっていたそうです。ただ食べるだけではなく、美しく食べることにも関心が高く、お花を飾るなど空間づくりが大好きだったそう。そんなお母さまのもとで育った秀男さん。
秀男さん:「食に携わる仕事をするなら、自分たちのつくるもので家庭の暮らしを豊かにできたらいいなと思っています」
店のメニューを見渡すと、フルーツデニッシュのような美しいパンもあれば、あんパンやミルクパンといった親しみのあるパンもあります。その理由は、子どもも楽しめるお店にしたいという思いがあるから。
秀男さん:「今後やりたいのは、誕生日のお祝いケーキとかシュークリームなど、誰もが知っているおいしいものを提案して、家族で楽しめるお店づくりです。修行していたときは食通の方を驚かせたいという気持ちがありましたが、今は知識があるなしに関わらず、子どもからお年寄りまで誰が食べてもおいしいと思える店にしたいですね」
子どもからお年寄りまで。「ブーランジェリースドウ」が愛される理由
行列のできる、人気のパン屋さん。1ヶ月待ちの食パンや美しいデニッシュを求めて、朝からひっきりなしにお客さんが訪れる「ブーランジェリースドウ」。個人的な話ですが、訪れる前は敷居の高いお店だと思っていました。
ですが、ずらりと並ぶ多様なメニューや須藤さんご夫婦のお話を通じて、いかにお客さんに喜んでいただけるかを大切にしていることを実感しました。
須藤さん:「うちは夫婦揃って朝から晩まで先頭に立ってやってるので、ぶれずにいられるのも強みです。こちらからはお客さんの顔も見られて、お客さんは、いつもシェフがつくっているという安心感がある。できる限りつくり手の気持ちを伝えながら接客ができるように、スタッフにも教育しています。どういう製法でどういう風に食べたらおいしいというのが伝えられたら、よりおいしく食べられますしね」
取材の終わりがけにも、須藤さんと海外から来たお客さんが嬉しそうに記念撮影をする光景を目にし、この店がいかに幅広いお客さんから愛されているかを感じました。
毎日食べても飽きない、シンプルな食パンのおいしさ
取材後、お持ち帰りした「世田谷山食パン」をいただきました。
しっとりとした風味のやさしい味わいで、確かにシンプル。最初は生で食べて、その後トーストしていただきましたが、皮がパリッと香ばしく、中はふんわりした食感で、このままで十分おいしい。須藤さんのおっしゃるとおり、主張しすぎないはちみつやジャムを合わせた方が、パンとのバランスが良さそうです。
この素朴な味わいを求めて、予約の日を待ちわびてお店へ足を運ぶお客さんがいるのだなと実感しました。
ぬくもりとこだわりに包まれたパン屋さん
毎日食べたくなるようなシンプルな食パンから、ちょっと贅沢な気分になりたいときの美しいフルーツデニッシュまで。「ブーランジェリー スドウ」は大きなぬくもりとこだわりに包まれた素敵なパン屋さんでした 。
休日、おいしいパンの香りただようしあわせな空間に浸りたくなったら、世田谷線にのって老若男女に愛される松陰神社前の 「ブーランジェリー スドウ」 まで出かけてみませんか。
ブーランジェリー スドウ(Boulangerie Sudo)
東京都世田谷区世田谷4-3-14
TEL:03-5426-0175
営業時間:10:00-19:00
定休日:日月(火曜不定休)
※営業日・予約日はSNSでご確認下さい。
Instagram / Facebook
取材・執筆:チヒロ
※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。
※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
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