- odekake
- 2019/03/28
春がやってきて桜の季節。人気のスポットも良いけれど、どこかのんびりお花見ができる場所はないかな。
今回訪れたのは、JRの鎌倉駅。カフェを併設するBean to Bar(ビーントゥバー)チョコレート専門店「ダンデライオン・チョコレート(Dandelion Chocolate)」です。カカオ豆ときび砂糖だけでつくられたチョコレートバーをはじめ、チョコレートを使ったペストリーやドリンクも楽しめるのだとか。お店のイートインスペースは知る人ぞ知るお花見の穴場。
2階の窓の外には、手が届きそうなくらいの距離感で桜が咲き誇ります。桜の花びらが舞う古都・鎌倉でゆったりした時間を過ごしてきました。
(こちらの記事は2019年2月に取材し、桜開花後の4月に写真を追加しました)
目次
鎌倉駅でBean to Bar チョコレートを楽しむカフェ
お店へのアクセスは、鎌倉駅から徒歩1分。
駅周辺は、観光客や学校帰りの子ども達、老夫婦など、さまざまな世代の人たちでにぎわっています。西口改札を出たら時計台広場を右へ。東口へつながる地下道入口の手前にくると看板が見えてきます。
階段を上がると高台に建っているお店が「ダンデライオン・チョコレート」。地下道をはさんで、お店の真向かいに、大きなソメイヨシノの木がありました。(トンネルをくぐる前に、上を見上げて満開の桜にカメラを向ける方や、思わず立ち止まる方も)
店内は、開放感のある明るい空間と、ウッド調のナチュラルなデザインで落ち着いた雰囲気。ふわりと漂うチョコレートの匂いに、食欲もそそられます。
1階は物販とレジカウンターとテラス席になっていて、商品棚にはホットチョコレートミックスやカカオニブクッキーなどのオリジナル商品をはじめ、全国各地のお店とコラボレーションした商品も並べられています。
2階はイートインスペースになっていて、カウンター席やテーブル席が全部で40席ほど用意されています。カウンター席からは、鎌倉駅のホームの様子が見えたり、向かいの桜が間近に見えたりと、眺めの良い席がいくつもあります。
「Bean to Bar」を身近に感じて
サンフランシスコ発祥の「ダンデライオン・チョコレート」はBean to Bar チョコレートのファクトリー&カフェとして、2010年に創業。2016年には初の海外進出として日本の蔵前にお店を構え、その後は伊勢や京都にも店舗を展開しています。国内で3号店目となる鎌倉店は2017年2月にオープンしました。
「Bean to Bar」とはカカオ豆の買い付けから選別、焙煎、製造からラッピングに至るまで、チョコレートバーをつくる工程すべてを自社で行なっているということ。東京・蔵前の店舗では、工房に併設のカフェから、製造工程を見ることもできます。
ペストリーや焼き菓子、ドリンクなどさまざまなメニューが揃っているので、気軽に「Bean to Bar」のチョコレートを楽しむことができます。
産地が違えば味も変わる、素材の良さを引き出したチョコレート
「ダンデライオン・チョコレート」では、シングルオリジンと呼ばれる単一産地のカカオ豆ときび砂糖だけでチョコレートバーをつくっています。シンプルだからこそそれぞれの豆が持っているフレーバーが引き出され、口当たりのよいチョコレートができるのだそう。
「お米やワイン、コーヒーと同じように、カカオ豆も生産地やその年の気候はもちろん、発酵のさせ方や焙煎などの行程によっても味や香りに変化がでます」と話すのは、鎌倉店スタッフの藤山さん。
商品のポップには「チェリー」「チーズケーキ」「苺のチョコレートディップ」など、具体的な表現でチョコレートの味わいが説明されています。「コスタ・エスメラルダス、エクアドル70%(エクアドル産)」のチョコレートを試しにひと口。フレーバーがついているのではないのに、たしかにチェリーのような味わいが後から感じられます。
「豆でチョコレートを選ぶ」。チョコレートを、チョコレート以外の食べ物の味にたとえて味わう感覚はなんだか新鮮です。味わいの違いが産地によってはっきりしているので、食べ比べながら好みの味を探すのも面白そう。
世界初出店先を日本にした理由は、Bean to Bar チョコレートの多彩なフレーバーが繊細な日本人の舌に好まれるのではないかと考えたから。
実際、鎌倉店では産地の異なる3種類のチョコレートを使ったブラウニーの食べ比べができる「ブラウニーバイトフライト」(630円)が人気。それぞれのチョコレートの個性が楽しめるのは、素材の味を引き出すダンデライオン・チョコレートならではのメニューです。
鎌倉店限定のクロワッサンは、朝ごはんにもオススメ
ペストリーは店舗によって内容が異なり、鎌倉店はクロワッサンとグラノーラが限定メニュー。今回は、「ダンデライオン・チョコレート・クロワッサン」(330円)をいただきました。
注文後にクロワッサンをオーブンであたためてから、薄い板状のチョコレートが挟まれて提供されます。バターをふんだんに使ったサクサクの生地と、パリッとしたチョコレートの食感が楽しめるひと品。他の店舗にくらべるとオープンの早い朝8時から開店している鎌倉店では、朝ごはんに食べていく人もいるのだとか。数量限定商品なのでお早めに!
ペストリーに合わせて、ドリンクは鎌倉店限定の「カマクラホットチョコレート」(630円)を注文しました。鎌倉にある老舗の日本茶専門店「枝村園」のほうじ茶を使ったホットチョコレート。取っ手のない端正なデザインでつくられた陶器は、湯のみのような和の雰囲気がかわいらしいです。ほうじ茶の香りにほっとしつつ、チョコレートの味は濃すぎず、すっきりした味わいで飲みやすい。ドリンクには、ナッツのようなカリッとした食感のカカオニブを使ったクッキーも付いてきます。店内でドリンクをいただく場合は、自家製のマシュマロが自由にいただけるのもうれしいサービス。
カフェの2階は、花見のできる特等席
桜の季節が訪れると、地元の人がやってくるというのが、2階のカウンター席。
藤山さん:「地元ではお店の前の木が桜だと知っている方も多いんです。カウンター席でお花見がしたいから、他の席が空いていても空くまで待つ方もいるんですよ」
今にも手が届きそうなくらいの距離感で花見をしつつ、ゆっくりチョコレートを味わえるのは、とても贅沢な時間。天気の良い日に窓を開けると、花びらが窓から入ってくることもあるのだそう。
今だけの特別な景色を楽しむためにお店にやってくるのは、学生やカップル、近隣に住んでいるお年寄りの方など。ひとりで本を読む人や、おしゃべりを楽しむ人など、それぞれ自由な時間を過ごしているようです。
居心地の良いカフェとして、鎌倉の街に溶け込む
藤山さん:「『身近なチョコレート屋さん』でありつつ、『居心地の良いカフェ』として利用していただいています。あまりむずかしく考えないで『Bean to Bar』を楽しんでほしいと思っているので、お客さまのニーズに合わせて、食べたいものやお好きなものをおすすめするようにしています」
取材中も、お客さんに気さくに話しかけている藤山さんの姿が印象的でした。遠方からやってきても、近所に住んでいても、変わらずにいつでも心地よく過ごせる場所があるって良いなぁ。
鎌倉という街自体が「暮らしも観光も」魅力的なのと同じように、このお店も多くの人に愛されていることを感じます。
花見をしながら過ごす、ゆったりとした時間
いつもは桜を見上げてばかりだったけれど、2階のカウンター席では視線の高さに桜があることに気がつきました。視界いっぱいに広がるピンク色を満喫しながら、手元のホットチョコレートに口をつけます。時折、春の風が枝を揺らして、桜の花びらがひらひらと舞っていく。大きな窓からは、あかるい日差しもたっぷり入ってきて、気持ちがいい。体も心もぽかぽかしてきて、つい、うたた寝をしてしまいそう。
甘いものも桜も大好きなわたしにとって、チョコレート屋さんでお花見ができるのは、至福の贅沢。
ふと、駅のホームが見える窓に視線を向けると、電車から次々と人が降りてきます。
そろそろ街にくりだそう。外の穏やかな陽気に誘われるように、お店を後にしました。
ダンデライオン・チョコレート 鎌倉店
(Dandelion Chocolate Kamakura)
神奈川県鎌倉市御成町12-32
TEL:0467-53-8393
営業時間:8:00-20:00 (L.O 19:30)
https://dandelionchocolate.jp/
Instagram / Facebook / Twitter
取材・執筆:田中 未来
※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。
※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
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