- odekake
- 2019/03/15
目次
お酒に詳しくなくても、試しに飲んでみたものが気に入って好きな銘柄になる。そんなふうにお酒を飲む楽しみが広がっていくことってありませんか?
今回はクラフトビール初心者の私が、「おいしいクラフトビールに出会いたい!」と北千住のクラフトビール専門店&バー「びあマ北千住」をたずねました。
取り扱うクラフトビールの種類はなんと1,200種類以上! あたらしい世界への扉に心が弾みます。
千住の飲み屋街でにぎわう「びあマ」
北千住駅西口から歩いてすぐの飲み屋街に佇む、青いトタン屋根の外観がポップな「びあマ」。近くには串カツの「天七」や大衆酒場「千住の永見」など、お酒好きに長く愛される名店が並びます。
「どんなお店なのかな」と店内をのぞくと、楽しそうにお酒を酌み交わすお客さんの姿が見えました。
オープンなガラス張りの扉。北千住にあまりなじみのない一見さんでも入りやすい明るい雰囲気です。
店内の手前には立ち飲みスペースの「びあマBAR」、奥には冷蔵庫にずらりとクラフトビールの瓶が並ぶボトルショップ「びあマ」。
「びあマBAR」には10種類のタップがあり、生のクラフトビールを店内で楽しむことができます。
(※タップとはビールサーバーの注ぎ口のこと。「10のタップがある」というと、10種類の樽生でビールが飲めるという意味)
また、奥のボトルショップで選んで購入したビールも商品+216円(税込み)を支払えば「びあマBAR」で飲むことが可能。酒屋さんの店内でお客さんが軽く一杯楽しむ「角打ち」スペースのようになっています。
「びあマ」が取り扱うクラフトビール
「びあマ北千住」では世界約40カ国、約1,200種のクラフトビールを常備しています。
石田さん:「クラフトビールとは、伝統的製法を守りながらつくる『手工業的なビール』のこと。世界各地の小規模な醸造所でつくられ、製法などで分類されるビアスタイルだけで世の中に150種類以上あるといわれています。『びあマ北千住』では、そんなさまざまなビアスタイルのクラフトビールを世界各国から集めています。海外のものだけでなく、日本国内のクラフトビールも100種類ほど置いていますよ」
「ビールのことがわからなければいろいろな種類を飲んでみて、自分が好きなスタイルを覚えるのがおすすめ。酔っぱらってしまうとなかなか覚えられない、という方はラベルの写真を撮っておいて、スタッフの方に相談するのもひとつの方法ですよ」と石田さんは笑います。
「びあマ北千住」に聞いたクラフトビールの楽しみ方の記事はこちら
【入門】プロに聞く! クラフトビールの選び方&初心者おすすめのビール4選
もともとは酒屋さん。クラフトビールの聖地「びあマ」とは?
「びあマ北千住」は、北千住で長年業務用酒販店を営んでいる「株式会社 谷口」が運営しています。
ビール専門店を開店したきっかけは、東京で上野よりも北でクラフトビールに特化したお店がなかったことから。
立ち飲みということで長居をするお客さんはあまり多くなく、飲み会前の「0次会」として「びあマ北千住」で待ち合わせをしてから飲み会に行く方や、仕事帰りに軽く一杯飲んでいくお客さんが多いそうです。
休日には北千住を散歩して、夕方にお茶代わりに寄って帰られるお客さんもいるんだとか。
石田さん:「職場と自宅の間にうちのお店がある方は、女性もひとりで立ち寄っていただいていますね。その日のストレスをうちに置いていってもらえたらと思っています(笑)。クラフトビールの知識がないと……と気負わずに、まず気軽に一杯飲みにきてみてください!」
シーンで使い分けたい「びあマ」3つのお店
「びあマ」は「びあマ北千住」以外に、神田駅から徒歩2分の場所にある「びあマ神田」、同じ北千住内の「びあマBASE」と異なる営業形態の3つのお店を営業しています。
石田さん:「『びあマ神田』は肉バルと併設しているので、『びあマ北千住』の立ち飲みスタイルよりもゆっくりとお酒を楽しむのにおすすめです。職場の方や友人同士で利用される方が多いですね。上司に連れて行ってもらうお店としてもいいんじゃないでしょうか?」
石田さん;『びあマBASE』は倉庫のようになっていて、冷蔵庫はこのお店の2.5倍くらい。駐車場つきで業務店の仕入れにも利用されている方が多いんですよ。そうそう、去年の夏には『びあマBASE』の屋上でお客さんを呼んでBBQを開催したりもしました。」
(このBBQ、なんと2500円でクラフトビール飲み放題のプランも! 夏においしいビールとお肉なんてテンションがあがります。ただし今年の夏の実施は未定だそう)
行くたびに違う味が楽しめる「びあマBAR」
お話を伺った後は、「びあマBAR」で生のクラフトビールをいただきました。少しずつ夜も更けた時間帯、隣同士になったお客さん同士の楽しい交流が始まっています。
「びあマBAR」のタップは無くなったら違うビールと入れ替えられるので、次の週にはすべて入れ替わっていることが多いそうです。クラフトビールは大きな樽でなく、小さめの樽での入荷が多いそうで、自然と入れ替わりも激しくなるのだとか。
今回注文したのは3種類のビールはこちら。
左:ストーン ショコベーザ メキシカンチョコレート(スタウト)
「スタウト」というスタイルの冬限定黒ビール。このビールはなんとチョコレート、シナモン、唐辛子入り! 黒ビールは苦いイメージがありましたが、シナモンの香りがふんわりと甘く飲みやすい味でした。ニッキも入っているので、生八ツ橋のような慣れ親しんだ味わいです。
中央:2SP ソーラーベイビー(ペールエール)
イギリス発祥の華やかな「ペールエール」。アプリコットの香りが漂いますが、味自体は甘くなくさっぱりとした飲み口。苦味や重みがないからどんな料理にも合いそう。ごくごくと飲めてしまいます。
右:ベルチングビーバー ミーソーハニーブロンド(ブロンドエール)
「ブロンドエール」はアメリカで親しまれているスタイル。今回いただいたのは麦とはちみつが入った「ハニーブロンド」です。甘めの飲み口で女性におすすめ。麦の香りがビスケットのようで香ばしさがふんわりと口に広がります。
おいしくて気軽な手づくりのおつまみ
お店ではお酒だけでなく、ちょっとした軽食も扱っています。今回は日替わりキッシュと自家製ベーコン、ピクルスを注文しました。
日替わりキッシュは、元パン職人だったスタッフさんが手づくりしているそうで、この日は「イカの塩辛とチーズ」。塩辛の塩気でビールがどんどん進みそうです。
自家製ベーコンは「びあマBASE」内で燻製をしているそうで、厚みがぜいたくな一品。
あつあつで提供されるキッシュとベーコン、すっきり楽しめるピクルス。これだけ揃えばお酒好きにとって最高な食卓です。
初対面でも自然と会話が生まれる、心地いい距離感
いろいろなビールを楽しんでいる私たちに(今回の取材メンバーは3人でした)「今日はお祭りだね!」と隣のお客さんが気さくに声をかけてくれました。
居酒屋での交流はなかなかありませんが、隣の人との距離が近いので、自然と会話がはずみます。
今回注文した黒ビール「ショコベーザ」を飲んでいると、古澤さんに冬のビールということで「手であたためると味の変化が楽しめる」と教えてもらいました。
「ビールを手であたためる!?」とはじめは心配しつつ、手でグラスを覆いながら少し時間をおいて飲んでみると、まろやかで優しい味わいに。
こういった交流でビールのちょっとした知識が増えるのは新鮮だなと感じます。
初対面の女性同士でも、ラベルがかわいいビールのお話で盛り上がる人たちもいるのだとか。
年を重ねると、昔からの友人や職場の人以外での出会いが減っていきます。気軽に声をかけてくれておしゃべりを楽しめるのはとても新鮮な夜でした。
ストレスをちょっと置いて、気楽な一杯を
クラフトビールは種類がたくさんあって難しいと思っていましたが、意外にも気楽に楽しむことができた夜。
「勉強する必要もない、おいしいビールを楽しんでもらえればいい」と石田さんの言葉が心に残りました。
忙しい毎日、お休みまで待たなくともちょっとだけストレスを置いてビールを楽しむ。そんな気負わないお店がひとつあると、肩の力がふっと抜ける気がします。
クラフトビールの世界をもっと知りたい方はこちらの記事がおすすめです
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びあマ北千住
東京都足立区千住2-62 吉岡ビル
TEL:03-3882-2508
営業時間:
月-土 14:00-24:00
日祝 14:00-22:00
定休日:なし
Instagram / Facebook
取材・執筆:太田 みき
※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。
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