- odekake
- 2019/02/27
「NUMBER SUGAR(ナンバーシュガー)」は表参道に店舗、千駄ヶ谷に工場併設のお店を構えるキャラメル専門店。
おいしくてかわいいキャラメルの噂は日本にとどまらず、海外からのお客もたくさん訪れる人気店です。印象的なのはシンプルでかわいらしいパッケージ。
今回は、気軽にわたせる手みやげをさがしに、表参道の1号店に比べると落ち着いた雰囲気の「千駄ヶ谷工場」を訪れました。
(2019年3月:初出時、店舗外観の使用画像に誤りがありましたので画像を一部変更いたしました)
目次
キャラメルの味をあらわす12の「ナンバー」
「NUMBER SUGAR」は2013年、社長の前原さんご夫婦が始めたお店です。香料や着色料、酸味料などを一切加えず、ひとつひとつお店で手づくりしています。
お店にはナンバー1からナンバー12までのキャラメルがずらり。ナンバーは、それぞれの味を表しています。
No.1:バニラ
No.2:ソルト
No.3:シナモン&ティー
No.4:チョコレート
No.5:ラズベリー
No.6:オレンジピール
No.7:アーモンド
No.8:ジンジャー
No.9:ラムレーズン
No.10:コーヒー
No.11:マンゴー
No.12:ブラウンシュガー
番号は、商品ができた順番のこと。一番人気はNo.2のソルトです。口の中に広がるやさしい甘みと塩粒の食感が印象的。甘みのなかにしょっぱく感じるくらいの塩気が、想像する「塩キャラメル」とはまた違った感覚です。あとを引くおいしさ。
手に取りやすい価格、確かなおいしさ。
ひとつひとつ紙に包まれたキャラメルは、ひとつ100円(税別)。保存料を使用していないので、賞味期限は1ヶ月ほどだそうです(夏場はキャラメルの性質上、2週間ほどと短くなります)。
キャラメルを食べるときは大きく一口で。近年流行した生キャラメルとくらべると、懐かしい「しっかり」感です。最初は硬い印象ですが、徐々に体温でやわらかくなってすっと口の中に溶けていきます。
キャラメルってやっぱり、なんだか懐かしくて、ちょっとうれしくなる味ですよね。
お好みを、すきなだけ。パッケージも選べるキャラメルギフト
店内にずらりと並ぶキャラメル。気になるフレーバーをそれぞれ選んで購入することができます。通常、キャラメルは紙袋に入れてもらえます。おしゃれな袋なので、かんたんなギフトならこのまま渡しても良さそう。
贈りものならボックス入りを
季節に合わせて特別なフレーバーが出たりギフトセットがあったりするので、何度も足を運びたくなってしまいます。
やっぱり重宝するのがギフトにぴったりなボックスタイプ。
すべての味が1つずつ入った12個入りは1,100円。同じように2個ずつ入った24個入り2,400円、3個ずつ入った36個入り3,800円があるので、シーンによって選べるのもうれしいポイントです(すべての価格は税別)。
ボックスタイプには細いリボンがかけられています。リボンの色はボルドー・ネイビー・ゴールド・グリーン・シルバーの通常5色。相手を選ばないシックな色味が大人っぽくてすてきです。
気軽に贈れるバラの花
今回のお目当てはギフトにおすすめしたいバラのボックス。
中にはNo.1からNo.8のキャラメルが1種類ずつ、全部で8個のキャラメルが入っています。
バラの花を渡すのは照れちゃうけれど、「もっとカジュアルに贈れたら」との思いで作られたボックスです。
お花は蕾、5分咲き、満開の3種類があり、ときに色違いのブルーローズにも出会えます。すべてひとつずつ手作業でお花のスタンプを押しているところも「NUMBER SUGAR」らしい細やかさ。
はじまりは独学。完成までは試行錯誤の連続
「NUMBER SUGAR」への想いについて、社長の前原さんがお話を聞かせてくださいました。
今では人気キャラメル店を営む前原さんですが、お店をはじめるまでキャラメルをつくったことはありませんでした。
前原さん:「奥さんといっしょに『こんなお菓子はどうだろう』なんて話す中で、お店をもちたいと思うようになったんです。人に喜んでもらうことがしたくて、幸せな空気いっぱいの空間をつくりたくて」
なんのお店にしようかと、レシピサイトなどを参考にしながら独学ではじめたキャラメルづくり。納得できるキャラメルができるまで、おうちの床に何度も生クリームをこぼしてしまったと笑って話してくださいました。
なかでもNo.6のオレンジピールのキャラメルは、試行錯誤を繰り返したのだそう。
それまでは調味料やペースト状の「フレーバー」と合わせていたのですが、オレンジピールのような「具材」を練り込むのにはまた別のコツが必要なのだとか。ひと粒いただいてみると、キャラメルより硬い印象のピールがなめらかな口溶けのアクセントとなり、キャラメルといっしょに溶けていきます。さわやかなおいしさです。
前原さん:「お店を考える中でほかのスイーツやカフェのような方向性も試したんですが、キャラメルに魅せられたのは、素材を組み合わせていくことで味の奥ゆきを感じたからかもしれません」
お客さまとの会話をたいせつにしたい
社長の前原さんはもともと金太郎飴をつくるあめ職人 。その仕事をえらんだ理由のひとつは「お客さんが喜ぶ姿を目の前で見たかったから」だそうです。
キャラメルブランドを立ち上げて千駄ヶ谷に工場併設の店舗をつくったのはその延長で、訪れた人とゆっくりコミュニケーションできる場所を大切にしたいという思いから。
前原さん:「表参道店のようにたくさんのお客さまが買いに来てくれることはとてもうれしい反面、ゆっくり会話することが難しくなっていて。言葉を交わせる場所になったらと千駄ヶ谷工場をつくりました」
駅からも少し離れた千駄ヶ谷のお店は、表参道店よりもゆったりした雰囲気です。
隠すものは何もない。ガラスの向こうのキャラメル工場
千駄ヶ谷の工場ではガラス張りの向こうでキャラメルをつくっている姿が見えます。材料を計っているところ、混ぜているところ、熱して練り上げていくところ。それを固めてカッティングして、紙に包むまで、すべての作業をガラス越しに見ることができます。
「隠すものでもないですから」と前原さん。子どもたちが窓の外からじっとのぞいていることもあるそうです。この日はキャラメルを包む機械がずっと動いていて、大人のわたしもついつい見入ってしまいました。
職人さんが接客する「千駄ヶ谷スタイル」
白を基調とした工場内では、キャラメルをつくる職人さんたちがそれぞれの作業に熱心に取り組んでいます。通常の工場と違うのは、お客さんが来るとその手を止めてお客さまの対応をすること。「NUMBER SUGAR」千駄ヶ谷工場のスタイルです。
はにかみながらお話しをしてくれる人、つくり手ならではの視点で商品について教えてくれる人。職人さんそれぞれのスタイルでの接客は、穏やかな時間が流れる千駄ヶ谷工場の個性です。
ちょっとしたギフトにぴったりの「NUMBER SUGAR」
スイーツといえばバレンタインデーに込み合いそうなイメージですが、ホワイトデーの前には男性のお客さまも増えるのだそう。
キャラメルがひとつひとつ個包装なのもあり、たくさんの人に渡すシーンで大活躍。職場やお取引先に買っていくお客さまが多いのもうなずけます。
結婚式のプチギフトとして購入する方も多いそうで、自分で準備したタグやシールを貼ってオリジナルのキャラメルにできるのが人気の理由。
「NUMBER SUGAR」からはじまる贈りものの“連鎖”
取材中、福岡への出張にもっていくというビジネスマンの方が来店されました。東京らしいお土産としてえらんだのかもしれません。平日ということもあって、仕事用に購入されている方がつづけて訪れます。
前原さん:「誰かからもらっておいしかったから買いに来た、と話してくれるお客さまに出会うと、その“連鎖”がうれしいんですよね」
すてきなものに出会ったとき「誰かに贈りたい」と思うこと。誰かにいただいたものが気に入って「自分も贈りたい」と感じること。渡したときのよろこんだ顔にうれしくなること。
やさしいよろこびの連鎖のひとつに、このお店のキャラメルがあります。
千駄ヶ谷から海外まで広がっていく贈りものの連鎖。「NUMBER SUGAR」がつくるうれしいつながりが、これからも紡がれていくのだと感じました。
NUMBER SUGAR 千駄ヶ谷工場
東京都渋谷区千駄ヶ谷2-11-13
TEL:03-6447-2227
営業時間:11:00-19:00
定休日:水
http://www.numbersugar.jp/
Instagram
取材・執筆:ツチヤ トモイ
※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。
※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
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