- odekake
- 2019/02/22
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週末は思いっきり羽を伸ばしたい。せっかくなら時間を気にせず出かけたいし、どこか気軽に泊まれるホテルはないかな?
そこで見つけたのが、馬喰町・東日本橋のホステル「CITAN(シタン)」。街に面したコーヒースタンドがあったり、地下のラウンジで音楽を楽しめたりするおしゃれな宿泊施設なのだとか。
国も職種もさまざまな人たちが同じ場所、同じ時間を過ごす心地よさ。泊まるだけじゃない魅力が「CITAN」にはありました。
(2019年6月に、一部表現を更新いたしました)
馬喰横山駅から数分。コーヒースタンドが目印のCITAN
「CITAN」は“あらゆる境界線を越えて、人々が集える場所を”という共通コンセプトのもと、これまで東京の蔵前や京都にホステルを展開してきた「Backpackers’ Japan」が立ち上げた宿泊施設。
問屋街とオフィス街が立ち並ぶ馬喰町・東日本橋エリアに2017年3月にオープンしました。人気の蔵前エリアにも程近い街です。
古くから問屋街として栄えてきたこの街は、タオルや衣類などの卸問屋があちこちに見られます。一方でオフィスビルも多くサラリーマンが行き交う姿も。全体的に静かで落ち着いた雰囲気です。
ホテルへ行くには、都営新宿線の馬喰横山駅からのアクセスが便利。A1出口を出たら薬局のある方面に信号をわたり、そのまま薬局の左脇を直進すると数分で到着。宿に併設したコーヒースタンド「BERTH COFFE(バースコーヒー)」が目印です。カフェ利用でも気軽に立ち寄れるのがうれしいですね。
宿と地域をつなげるコーヒースタンド
街に面した「BERTH COFFEE」は、宿泊客だけでなく誰でも利用できる街のコーヒー屋さん。テイクアウトはもちろん、入り口前のテーブル席や地下のラウンジでひと休みすることもできます。
中目黒にある「ONIBUS COFFEE(オニバスコーヒー)」の豆や、国内外のロースターのコーヒー豆を使っているこちらのお店。バックパックを背負った海外のカップルがカフェの前でコーヒー片手にくつろいでいる姿は、まるで映画のワンシーンのよう。
その雰囲気に誘われるまま中へ入ると、レセプションのスタッフが笑顔で声をかけてくれました。海外の宿泊客が多いせいか、オフィス街の静かな空気とは一変、英語の飛び交うおしゃれな空間です。
「入り口に人がいると、安心して入りやすいですよね」そう語るのは、「CITAN」マネージャーの清水翔太郎さん。
清水さん:「カフェがあることや、窓を広くして中を見えるようにすることで、ホステルと地域をつなげる役割が果たされていると思います。『コーヒー』という日常に寄り添えるものが入り口にあるのは、特に大きいのではないでしょうか」
たしかに外から建物内の様子が見えることで、入りやすい空気を生んでいる気がします。「BERTH COFFEE」には、一日に何度も利用する常連客もいるそう。すでに街になじんできているようです。
空気の“抜け感”を意識したデザイン
建物に入るとまず目に入るのが、左手にある大きな階段。この階段を下りると、地下には開放感のあるバーラウンジが広がっています。
1階の床半分に穴を開けて、地下と1階が吹き抜けになるようにしたことにもこだわりがあるようです。
清水さん:「僕たちが大事にしているのは、空気の抜け感。風通しが良くて、自然光が差して、都市の中でも開放感を感じながらリラックスできるということを大切にしています。なので『明るい地下』をキーワードに、1階の窓も大きなガラス張りにして、地下でも息が詰まらないようなデザインにしました」
「CITAN」の大きな特徴は、ラウンジスペースが地下にあること。設計に工夫を凝らし、地下に足を運びやすくするための導線をつくりました。
ドミトリーからダブルまで。快適な設計の部屋
7階建てのホステルには、相部屋タイプのドミトリー、個室タイプのツインとダブルがあります。女性専用ドミトリーや、ダブルタイプのお部屋にはクイーンとキングサイズがあるので、用途によって使い分けができそうです。
トイレ・シャワーは相部屋・個室ともに共用で、2、4、7階が女性専用のバスルーム、3、5、6階が男性専用のバスルームになっています。
ドミトリーは8人部屋が1人3,000円からとリーズナブル。バスタオルや歯ブラシは有料サービスなので要注意です。パジャマの貸し出しはないので、必要な方は部屋着を持参するといいかも。
アメニティには、東日本橋に拠点をかまえるオーガニックコスメブランド「OSAJI(オサジ)」を採用。リラックスできる香りが印象的です。
ドミトリーの2段ベッドには、揺れを防ぐための鉄フレームを使用。
そのほかシンプルな部屋にぬくもりを感じられるよう木材を効果的に使ったり、開放感を出すためにあえて天井を貼らずにダクト(通風管)をむき出しにしたりと、設計にさまざまな工夫がみられます。
ほかにも、調理器具や調味料がそろったキッチンスペースや、飲食可能なライブラリースペースが一階にあります。有料でランドリーやレンタサイクルのサービスも。
そして心地よい音楽を聴きながらくつろげる場所が、地下のラウンジです。
誰もが気持ちよくすごせるための「音環境」
「CITAN」の地下ラウンジは、宿泊客だけでなく誰にでも開かれた場所になっています。
「宿泊客、地域に住む住民、周辺に勤める会社員の方など、普段お互いに接点のない人同士が出会える魅力があるんです」と清水さん。
ラウンジミュージックが流れる地下には、なんと16個もスピーカーが設置されています。「CITAN」建設時から、音響設計の技師の方の協力を得て、気持ちよく音が聴ける環境づくりにこだわったのだそう。
清水さん:「音量が大きくても疲れなくて、居心地がいいと感じられるような環境にこだわりました。音楽は人と人とをつなげる大事な役割も果たしています。もちろん音楽そのものに気持ちが高揚するとか、好きなジャンルで意気投合して打ち解けることもありますが、一番大きいのは『いい音響による居心地のよさ』がもたらす効果だと思います」
会話を邪魔しない環境が、その場にいる人たちの気持ちを和らげてくれる。
周囲を見渡すと、PCを持ち込んで仕事に打ち込んでいる人や、打ち合わせをしている人たち、くつろいでいる人など、みんな思い思いの時間を過ごしていました。
大きなテーブルに埋め込まれたDJブースは、毎週金曜・土曜になると姿をあらわします。毎週末の20時~23時は、ラウンジスタイルのDJを入場無料で楽しむことができるのだそう。
わたしもDJを聴きに行ってみることにしました。
でもその前に、まずは腹ごしらえ……!
バーで好きなお酒を見つける楽しみ
ラウンジで目を引くのは、ジンやウィスキーのボトルがぎっしりと並んだバーカウンター。ほかにも国内外のクラフトビールや自然派ワイン、カクテル、日本酒、焼酎など幅広いジャンルがそろっています。
清水さん:「種類が豊富なだけじゃなく掘り下げられるぐらいの品揃えがあるので、自分の好きなお酒を探す楽しみがあると思います」
わたしが注文したのは、静岡の修善寺にある「ベアードブルーイング」のビール。その中でも、「CITAN」と姉妹店のためにオリジナルのレシピでつくられた「バンクベッドセッションIPA」というお酒をいただきました。
ホップが効いていて香り豊かなのにくわえて、ほんのり苦味もありますが、アルコール度数は4.5%と低めでトライしやすいビールです。
この日ビールに合わせて頼んだのは、小さなイカのフライ「カラマリ」と、野菜とモッツァレラチーズのお好み焼き。チーズのたっぷり入ったお好み焼きはちょうどいいサイズ感でした。
おつまみをつまみつつビールを飲んでいると、次第にお客さんも増えてきていよいよDJタイムに。音のボリュームも上がってラウンジ全体が音楽に包まれます。
気持ちいい音楽が、人と人をつなげてくれる
DJというと、にぎやかなクラブで楽しむイメージがありましたが、「CITAN」ではラウンジの雰囲気に合わせた落ち着いた選曲。食事や会話を楽しむ人、音楽に浸りたい人、互いが邪魔をせず調和しているような空間でした。
ひとりでいたら浮かないかな? なんて不安も、まったくの杞憂。
むしろ、自分の世界に没入しつつ、同じ場所にいろんな人がいる安心感がある。
この場に誰かを誘いたくなるような気もするし、ひとりで気兼ねなく過ごせる快適さも満喫したい。
いつまでもいたくなるような居心地のよさは、「部屋にもどりたくないなぁ」なんて気分にまでさせてくれます。
後ろ髪を引かれるまま、カクテルとおつまみを追加注文。いちじくのバターサンドをかじりつつグラスを傾けていると、同じテーブルの女性が声をかけてくれました。
彼女はこのエリアの会社で働いているデザイナー。この日は宿泊ではなく、友人と夕飯を食べた後にひとりで「CITAN」にやって来たのだそう。
「浮かないか心配だったんです」と打ち明けるわたしに、「お酒をのんで楽しかったら、それでいいんですよ」とかけてくれ、肩の力も抜けていきます。
気さくな彼女とおしゃべりに花を咲かせて、部屋に戻ったのは0時すぎ。ラウンジで過ごした時間の余韻に浸りつつ、街が静かになる頃には、私も目を閉じて深い眠りについていました。
ラウンジで朝活をしながら朝食を
目が覚めたのは朝8時すぎ。朝の支度をすませて朝食に向かいました。
「BERTH COFFEE」のある1階のカウンターで数量限定のモーニングプレートをオーダーし、ふたたび地下のラウンジへ。
朝のラウンジには、赤ちゃんを連れたご夫婦や海外の家族連れ、カップルもいればPCを持参して朝活に励む人もいます。
窓から差し込む自然光が気持ち良くて、眠気も次第に覚めてきたわたしも、すこしだけ仕事をしようかなという気持ちに。
朝活のお供は、「BERTH COFFEE(バースコーヒー)」で頼んだカフェモカ。
自家製チョコソース入りのカフェモカには、蔵前にお店をかまえる「ダンデライオンチョコレート」のチョコが使われているのだそう。酸味のあるフルーティーな味わいと、生クリームの甘さにホッとします。
作業をしていると、まもなく朝ごはんが運ばれて来ました。
モーニングプレートには、目玉焼きに、ソーセージ、サラダ、野菜のロースト、クロワッサンと季節のフルーツが添えられています。食欲をそそる匂いにうながされるまま、いただきます!
思ったよりもペロリと食べられるボリュームたっぷりの朝ごはんに、エネルギーも満タン。
このまま朝活の続きをするのもいいけれど、せっかくなら街に繰り出そうと、休日モードに気分を切り替えて出かける準備をします。
街と街の距離が近い、東日本橋
「CITAN」のある東日本橋の魅力について、清水さんにお伺いしました。
清水さん:「人形町や三越前、神田、浅草橋まで徒歩15分圏内でつながっているのがいいところ。古くからある居酒屋さんが点在していたり、新しくできたおしゃれなスポットがあったりと、散歩をしているとさまざまな発見があります」
地域のお店とのつながりも徐々に増えているようで、ホステルから徒歩圏内のパン屋「ビーバーブレッド」のパンを買って、「BERTH COFFEE」のカフェメニューと合わせて地下のラウンジで食べることもできるのだそう。
スタッフの方におすすめのお店を聞いて街歩きをするのも面白そうです。
今日は近所のパン屋さんやアートギャラリーにも行ってみよう。天気がいいから浅草まで歩くのもいいかも。大人なイメージで、なじみのなかった街との距離が一気に縮まった気がします。
ここからあたらしい一日がはじまる。人との出会いも、街との出会いも。「CITAN」からはじまるストーリーに心を弾ませながら宿を後にしました。
CIITAN(シタン)
東京都中央区日本橋大伝馬町15-2
TEL:03-6661-7559
営業時間:
[BAR]
日-木 18:00-24:00 ( 23:30 L.O)
金-土 18:00-25:00 ( 24:30 L.O)
[DINING]
日-木 18:00-22:30 ( 22:30 L.O )
金-土 18:00-22:00 ( 22:00 L.O )
[BERTH COFFEE(バースコーヒー)]8:00-19:00
https://backpackersjapan.co.jp/citan/
取材・執筆:田中 未来
※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。
※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
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