「谷中 松野屋」昔ながらのほうきで大掃除|おでかけ、年納めの街へ 第1話 | 女性の一人暮らし・賃貸物件なら【Woman.CHINTAI】    
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「谷中 松野屋」昔ながらのほうきで大掃除|おでかけ、年納めの街へ 第1話

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早いもので師走ももう半ば。街中をイルミネーションが彩りはじめる頃、いつも頭に浮かぶのは「今年はやり残したこと、ないかなぁ」。

答えはだいたいノー。年始に立てたはずの目標も思い出せないし、日々、目の前の仕事をこなしていくだけでいっぱいいっぱいだった。でも、楽しかったことや嬉しかったこともたくさんあった。目覚ましい成長は遂げていないかもしれないけど、こうして元気に年末を迎えられるのだから何より何より。

谷中ぎんざ商店街の看板

終わりよければすべて良しという言葉もある。清々しい気持ちで新しい年に向かうために、年納めの準備をしよう。まずは、そう。大掃除から。

谷中の夕やけけだんだん

つい先日、職場の綺麗好きな先輩が、小さなほうきでデスク周りを掃除しているのを見て素敵だと思った。子どもの頃に学校で使っていたような、柄にヒモのついた昔ながらのほうき。谷中にある、お気に入りの生活雑貨のお店で買ったものなのだと教えてもらってびっくり。わたしはもう5年以上、谷中に住んでいる。場所を聞いてみたら、何度も前を通ったことのあるお店だった。

谷中松野屋の外観

正直、掃除はあんまり得意じゃない。ドラッグストアで売っている掃除グッズは、便利だけどときめきには欠ける。先輩のほうきのように、モノとして愛着の持てる用具があれば、大掃除だけじゃなく、普段の掃除も楽しくなるのかも。

谷中松野屋の用具たち

そんなことを考えながら、かの有名な「夕やけだんだん」の上にある「谷中 松野屋」に足を運んだ。夕暮れ迫る階段で、わたしを出迎えるように姿を表したトラサビ猫にご挨拶。

夕やけだんだんのトラサビ猫

松野屋で最初に手に取ったのは、店頭に並んだたくさんのカゴの中のひとつだった。取っ手があるのでバッグとして持ち歩けそうだし、洗濯物を入れるのにもよさそう。

谷中松野屋のカゴ

同じく店頭に並べられていたトタン製のちりとりが目に入って、今日は掃除用具を買いに来たんだった、と思い出す。アーチを描いた形状と、「S」のロゴがレトロで可愛い。小さいサイズの方が小回りが利いていいかな。

トタン製のちりとり

しゃがみこんで大小のサイズを見比べていると、「トタンなので丈夫ですよ」と、店員さんが声をかけてくれた。

「鉄板を亜鉛でコーティングしたものをトタン板と呼びます。亜鉛が先に錆びることで鉄を守るんです。経年で質感がマットになっていく様子も楽しめますよ」

谷中松野屋

玄関に吊るしておいても邪魔にならない方がいいという店員さんからのアドバイスを受けて、小さいサイズの購入を決めた。

ちりとりを買うなら、やっぱりほうきも手に入れたい。小じんまりしたお店の中には、ほうきはもちろん、カゴやザル、台所用品、帆布のバッグなどが所狭しと並ぶ。

谷中松野屋の店内

谷中松野屋のカゴ

先輩が持っていたミニサイズのほうきも発見。

谷中松野屋の箒やブラシ

目移りしてしまったときには、店員さんにおすすめを聞くに限る。フローリングの床を掃くのにちょうどいいほうきはどれですか?

「それなら、こちらの棕櫚(シュロ)のほうきはいかがですか? 油分を含んでいるので、繰り返し掃いているとワックスをかけたように床がツヤツヤしていきます」

谷中松野屋の棕櫚

店員さんも棕櫚のほうきを使っていて、自宅に招待した人に「床が綺麗だね」といつも褒められるのだとか。掃くだけでワックス効果が期待できるほうきがあるなんて知らなかった。穂先に触れてみると、見た目のイメージよりも柔らかい。

谷中松野屋のミニほうき

棕櫚のほうきで、住み慣れた部屋の床を掃いているシーンを想像して、ひとり、深く頷く。それはまさに、憧れの「丁寧な暮らし」のワンシーン。佇まいにストーリーを感じる道具が、生活空間に溶け込んでいく。日常の動作にときめきを見出すこと、2019年のテーマにしていきたいなぁ。

谷中松野屋の店内

理想のほうきとちりとりを手に入れて、満ち足りた気持ちで夕やけだんだんを下っていく。新しい相棒たちの初仕事は、年納めの大仕事。あぁ、追加でトタンのバケツも欲しくなる気がする。億劫なだけだった大掃除に、こんなにワクワクする日が来るなんて。

谷中に越してきて以来はじめての、チリひとつないピカピカの部屋で迎える新年にしたい。

谷中のねこの後ろ姿

谷中 松野屋

東京都荒川区西日暮里3-14-14
TEL:03-3823-7441
営業時間:11:00-19:00 ※土日祝は10:00-19:00
定休日:火曜 ※祝日は営業
http://www.yanakamatsunoya.jp/

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取材・編集:菊地 飛鳥
企画構成:haletto編集部

写真:川瀬 一絵
島根県出雲市出身。忘れっぽいことへの焦燥感から写真を撮り始め、些細な体感を収集するように撮影を続けている。
近所や訪れた先々で適当に散歩して道に迷うのが趣味。

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※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。

※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

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