大塚のおにぎり専門店「ぼんご」で味わう、55種類の大きなおにぎりと下町人情 | 女性の一人暮らし・賃貸物件なら【Woman.CHINTAI】 - Part 2    
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人情あふれるおにぎりを味わう ― 大塚のおにぎり専門店「ぼんご」

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前半は、おにぎり専門店「ぼんご」のおにぎりのメニューやつくり方のこだわりについてご紹介しました。後半では、「ぼんご」の誕生から現在にいたるまでの歴史について、2代目の右近由美子さんにお伺いしました!

バーからおにぎり屋さんへ。生まれ変わった「ぼんご」

「おにぎり ぼんご」の壁に貼ってある昔の写真

昭和35年12月にオープンした「ぼんご」は、今年で59年目を迎えます。
創業者である祐さんがお姉さんと始めたのが「バー ぼんご」。お酒が飲めない祐さんが、お酒を出さず、子どもからお年寄りまで食べられる店をできないかと考えていたときに、お客さまがおにぎり屋さんへ連れて行ってくれたことが始まりなのだそうです。

「ぼんご」という店の名前はパーカッションの「ボンゴ」から。ご主人自身がドラマーだったことに由来します。

右近さん:「ふつうのおにぎりよりも大きめで、注文してからつくるというスタイルが当時よそにはなかったのだと思います。ぼちぼちお客さんも入りはじめたんですって」

「ぼんご」のおにぎりに魅せられて。お客さんの立場から、2代目を引き継ぐまで

実は右近さんが初めて店を訪れたのは、ご友人に「おいしいおにぎり屋さんがあるよ」と連れてきてもらったのがきっかけ。

新潟から上京したものの、口に合うものがなくて困っていたなか、「ぼんご」でおにぎりのおいしさに出会います。

「おにぎり ぼんご」のカウンター厨房にいる女将さん

右近さん:「その場で2、3個食べて、他にも食べたいものばかりだったので、持ち帰りに5つ頼んでいました(笑)。ここのお店の人は当然、私が結婚してるって思ってたんですよ。だって3つ食べて5つ持ち帰っていたら、誰かいるって思うでしょう?」

もともとは接客業もおにぎり屋もやりたくなかった、と話す右近さんですが、祐さんと結婚して店へ立つようになり、今では2代目として「ぼんご」を引き継いでいます。

「おにぎり ぼんご」の出来上がったおにぎりを出してくれるところ

「ぼんご」に立って40年、はじめは常連さんと目を合わせるのも怖かったと話す右近さん。30歳の頃からおにぎりを握るようになり、お客さまと会話するのがどんどん楽しくなっていったそうです。

右近さん:「40年以上もやってると、お金じゃない魅力みたいなものをいっぱいもらえますね。もちろん従業員をかかえているのでお金もいただかなくちゃいけないけれど、わたしはお客さんから力をいただいている方が多いかなぁ」

おにぎりで「人と人をつなぐ」仕事

今では行列の絶えない人気店となった、「ぼんご」。

右近さん「わたしが気づいたのは、ものを売っているけれど、最終的には人が大切だなっていうことです」

「おにぎり ぼんご」の女将さんと従業員の方
今回の取材は、早朝の仕込み時間におじゃましました

右近さん:「常連のお客さんは空いた時間を見計らって訪れてくれたり、初めていらしたお客さんに自然とおすすめを教えてあげることもあるんですよ」

「ぼんご」を通じて、素敵なコミュニティができていることを感じるエピソード。風通しが良く、さらりとしていながらも人情味がある昔ながらの店の空気感を感じました。

「おにぎり ぼんご」の作り途中のおにぎり3つ

それは右近さんや従業員のみなさんがお客さまに対して誠実に迎えて、何をすれば喜んでもらえるかを知っているから。マニュアルで教えるよりも、はるかに難しくてシンプルな「その人となり」が軸になっている気がしてなりません。

テイクアウトを続ける理由は「店へ来られなくなったお客さんも大切」という思いから

「ぼんご」が行列ができるほどの人気店になって、ある日「テイクアウトをやめて、店内のメニューだけに集中したら」と言われたことがあったそう。それでもテイクアウトを続ける理由は、なんらかの理由で店へ直接足を運べなくなったお客さまも大切にしたいから、と右近さんは話します。

「おにぎり ぼんご」の壁にかけられた色紙

末期ガンにかかったご主人が「ぼんごのおにぎりが食べたい」と話すから、とおにぎりを買いに来られたお客さまがいたそうです。

右近さん:「そんな風に思ってくれるなんて、こんなに嬉しいことはありません。私はその方の言葉だけで、これから30年は続けていけます」

見守るお客さまが育ててきた「ぼんご」

創業者である祐さんの大切な店を守りつつ、時代に沿うように柔軟に育てていく。

「おにぎり ぼんご」の女将さんと従業員の方々
左から、従業員の角さん・二代目の右近さん・従業員の河田さん

右近さん:「あとはどうやってこの先続けて、『ぼんご』を残していこうかなって考えています。お客さんが喜んでくださるっていうのが一番なんでしょうけどね」

おにぎりを握れるようになるには、まずお客さまに顔を覚えてもらうところから。一生懸命仕事をする姿勢を、今までもお客さまが見守ってくれていたのだそう。

「おにぎり ぼんご」の従業員の方
20歳のころから店へ立ち、今では仕込みから握りまで担当する、角さん

「おにぎり ぼんご」の仕込み中の従業員の方の背中
早朝から味噌汁の仕込みをする河田さん

「おにぎり ぼんご」で仕込まれていたお味噌汁

今日も行列が絶えないおにぎり専門店「ぼんご」は、お店とお客さまとの良い関係性があってこそ成り立っています。

ひとりひとりと誠実に向き合う姿勢が、今日も行列をつくる

出会う人は、自分の鏡だという言葉を聞いたことがあります。

それがどこまで真実かは分からないけれど、今回の「ぼんご」の取材を通して、本当かもしれないなと感じました。

「おにぎり ぼんご」のカウンター厨房に書かれたメニューや注文方法

「お客さんがみんな優しくて」という言葉や「業者さんもみんないい人ばかりなんですよ」という右近さんの言葉には、ひとりひとりへの愛情があふれ出ていました。

「おにぎり ぼんご」の女将さんがおにぎりをつくる様子

店へ出入りする業者さんへの心配りも忘れません。暑い中わざわざ立ち寄ってくれた業者さんへ、さりげなく冷たいペットボトルを差し入れる右近さんの姿にもハッとさせられました。

右近さんみずからが、従業員の方からお客さま、そして店を支える業者さんにいたるまで、まっすぐに向き合った結果が、今の「ぼんご」をつくり上げているのだと感じます。

「おにぎり ぼんご」のおにぎりに海苔をまくところ

「わたしはおにぎり屋ですけど、人と人をつなぐ仕事なんだなぁって思っていますね」と笑顔で話す右近さんから、「ぼんご」の人気のひみつを教えていただきました。

「おにぎり ぼんご」のカウンターを拭く女将さん

胃袋も心も、多くの人を魅了してやまないおにぎり専門店「ぼんご」へ、おなかをぺこぺこにして行ってみてはいかがでしょうか。

おにぎり ぼんご

東京都豊島区北大塚2-26-3 金田ビル1F
TEL:03-3910-5617
営業時間:11:30-24:00
定休日:日(祝・祭日は営業)
https://www.onigiribongo.info/

取材・執筆:チヒロ

※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。

※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

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