自分にぴったりな本をおすすめしてもらえる贅沢 青山一丁目「SAKE TO BOOKS」 【Woman.CHINTAI】
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自分にぴったりな本をおすすめしてもらえる贅沢 青山一丁目「SAKE TO BOOKS」

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前にいつ本を読みましたか? ネット上で評判のいい本を買う、本屋さんにふらりと入って本を選ぶ。本を購入するときは、自分からどんな本が欲しいのか探さなければ手に入らないことがほとんどではないでしょうか。

本を心から好きな人にそっとおすすめをしてもらえたら、きっと読みたい本はたくさんあるはずなのに、そう思ったことはありませんか? 夜ゆっくりとお酒を飲みながら、談笑しながら自分におすすめの本を教えてもらえるイベントに行ってきました。

外観

ある雨の日の夜、青山一丁目の住宅街にある「FARO(ファロ)」にて「SAKE TO BOOKS(酒と古書)」が開催されました。

いす

会場内には大きなテーブルと本棚が1つずつ。テーブルと部屋を囲むように椅子が配置されています。本棚には見たことがない本がずらりと並んでいます。

本棚

この本を選んだのは、選書集団「book pick orchestra」の川上さん。

川上さん

雑貨店、カフェやホテルなど、その場所に合った本棚を作る、葉書型の封筒の中に本が入っている「文庫本葉書」を販売するなど、人と本との出会いを提供しています。

なごむわぁ

じっくり本棚を見ると、聞いたことのあるような作家さん、タイトルがぽつりぽつりと発見できました。しかし、見たことのない装丁、どんな内容なのか分からない本ばかりです。この本棚全部が、まだ出会ったことのない物語と思うとワクワクしてきます。

ペンギン日記

自分でこの中から本を選ぶこともできるのですが、川上さんに読みたい本、今の気分を伝えると、そのテーマで選んでくれるとのこと。せっかくなので川上さんに本を選んでもらうことにしました。

川上さん:「読みたい本が決まっていなくていいんです。好きな本のカテゴリーでも、今の気分でも、好きなものを教えてください。」

それならば、と「日常を忘れられるスカッとした気分になりたいです」とオーダーしてみました。

ホンと川上

「スカッとにも色々なスカッとがありますよね……」と数分考えながら選んでくれたのはこの4冊。『快傑ゾロ』だけは知っていましたが、他の3冊は作家さんもタイトルもまったく知りません。

本たち

すると、川上さんがどんな本なのか説明をしてくれました。

正統派スカッと

世界大ロマン全集 58「快傑ゾロ」

作:ジョンストン・マッカレー、訳:井上 一夫、出版:東京創元社

ゾロ

弱きを助け強きを挫く、THE ヒーローの物語。シリーズものの第一作目だそうです。筆者のジョンストン・マッカレーはもともとスリ師の小説で有名になった作家さん。この世界大ロマン全集は、全て装丁のデザインが異なり、楽しい作品しか取り扱っていないそうです。

ちょっと毒を含む社会派スカッと

「世間」

作:嵐山光三朗、出版:駸々堂出版

世間

「太陽」の元編集長でもあり、「笑っていいとも!」のレギュラー出演もしていたという作家さんだそうです。軽いノリで読める作品で、バブル時の勢いと、少し毒のある皮肉な文章で、クスっと笑える作品とのこと。
※こちらの書籍は現在、絶版です

裏切りが痛快なスカッと

「ぺてん師列伝 あるいは制服の研究」

作:種村季弘、出版:青土社

ペテン師

本物のぺてん師のお話。ぺてん師の話なのに制服の研究? と思いましたが、そこがミソだそうです。ドイツを舞台にした実際にあったお話をもとに作られたエッセイ集。1話の最後まで読むと面白さが分かりますよ、と教えてもらいました。

日常生活のスカッと

「ぬりものとゴハン」

作:赤木智子、出版:講談社

ごはん

最後に紹介してくれたのは、装丁も写真で新しいこちら。現代の塗師(漆塗り職人さん)の中で最も有名な1人である赤木明登さんの奥さんのエッセイ。毎日の食事、ていねいな生活が写真入りで描かれています。スカッと、というより日々の生活を少しすっきりさせてくれるような作品だそうです。
※こちらの書籍は現在、絶版です。

「スカッと」という言葉だけでも色んな意味があることを改めて思い知らされました。そして、ネタバレにならない説明なのに、わくわくが止まりません。装丁のデザイナーさんの話、他にこの作家さんがどんな話を書いているのか、どんな風に活躍した方なのか、物語だけでなく背景も説明してくれるので、この場だけでなく、読み終わったあとに違う作品と出会わせてくれるような解説をしてくれました。
この説明を聞いているだけで、なんて本の世界は広いんだ! と久しぶりに感じて嬉しくなりました。

並んでるやつ

選んでもらった後はお酒を愉しみながらゆっくりとそれぞれの作品に目を通すもよし、その場に来ている方と話しをするもよし、一人で世界に没頭するもよし。思い思いに過ごす、居心地の良い自由な空間が心地よく続いていました。

ゾロと、ペテン

今回私は普段読まないジャンルのこの2冊をお持ち帰りすることにしました。置いてある本に価格は記載されていないのですが、選んでくれた時に金額と一緒に伝えてくれるので、その金額を川上さんに渡せば購入が可能です。

「まず価格を確認するのではなくて、その本との出会いを楽しんでほしいんです」という思いから、価格を記載していないそうです。

普段、登場人物の名前が覚えられないというただそれだけであまり海外作品を読まないのですが…どちらも一話読んだだけで惹きつけられたので、連れて帰ることにしました。

ふたり

私の他に参加した方は「日常の物語が読みたい」「今、南の島にいきたいんです」「職人」という1単語だけなど、それぞれが気分を伝えて選んでもらっていました。

購入した『快傑ゾロ』は、帰りの電車で場所を忘れるほどのめりこみました。すぐに自分を違うところに連れて行ってくれる本に久しぶりに出会えてなんだか幸せな気分になりました。

ゾロ外

小さなころは、読みたい本はいくらでもある気がしていたのに、年を重ねるごとに選ぶ本は好きなジャンル、作家やシリーズものばかりになっていました。出会いの幅を自分で狭めている気はないけれど、安心できる失敗のない本ばかりを手に取るようになっていたんだな、と改めて気付かされました。

今回のイベントを経て、もっともっと本との出会いは面白いはず! と思いを新たにするきっかけとなりました。

この冬は本を持ってお出かけしたいと思います。

SAKE TO BOOKS

主催:book pick orchestra
http://www.bookpickorchestra.com/

取材・執筆:太田 みき

※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。

※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

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