- odekake
- 2018/11/30
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いつ起こるかわからない災害だからこそ、ちゃんと備えておきたいですよね。特に災害時の「食事」は、とても気になるポイント。停電中や避難所での生活など、数日間の食事をどのように組み立てていけばよいのでしょうか。「非常食」「防災食」というと乾パンやカップ麺、アルファ米のイメージがありますが……。
非常時におすすめな防災食品や、大切にしたい「食事」のポイントについて、防災食品メーカー「トーヨーフーズ」の高橋さんにお話を聞きました。
災害時だからこそ、「食事」が大切!
トーヨーフーズ高橋さん:「災害時に食べるものは『防災食』『備蓄食』と思いがちですが、実は最後の手段なんです」
いつもと違う環境の変化に、心もからだも大きな負担がかかるのが災害時。だからこそ、できるだけ食事は食べ慣れているものを取り入れることが大切です。また、災害時は食べ方にも工夫が必要。災害時の食事で気をつけるべき5つのポイントを確認してみましょう。
①使用する食器は最小限に
災害時にまず確保すべきなのは飲料用の水。食器や調理器具などはできるだけ使用せず、洗浄用の水を節約するように心がけましょう。
②味付けはなるべく薄味に
濃い味付けにしてしまうと、喉が渇き必要以上に水分補給が必要となります。災害時には貴重となる水。味付けには気をつけましょう。
③食物繊維やビタミン摂取は積極的に
パックタイプのご飯や、乾パン、カップ麺など災害時の食事は炭水化物に偏りがち。偏った食事は、体力低下や肌荒れ、便秘を引き起こします。フルーツ缶詰めや、野菜ジュース、ミックスナッツなどから食物繊維やビタミンを摂取しましょう。
④インスタント食品は「ひとのせ」してバランスよく
お湯を入れるだけで簡単に食べることができるインスタント食品は、それだけだと栄養不足の原因に。食材をひとのせするだけでも違います。乾燥野菜やひじき、わかめなどを足して食べましょう。
⑤いつも以上に食品の状態をしっかりチェック
災害時はストレスが増え、体力消耗が激しくなると免疫力が低下してしまいます。普段は大丈夫と思っていることで、体調を壊してしまうことも。食べ物を口に入れる際は賞味期限だけでなく、状態やにおいなど十分に確認しましょう。
「とりあえずお腹を満たせれば……」と、優先度が普段よりも低くなってしまいますが、栄養バランスや味付けまで気を配ることができたら理想です。
災害時に備えておきたい基本の食品
災害の発生から在宅非難となった場合(避難方法は行政からの指示やTV・ラジオなど最新の災害情報から判断しましょう)、電気・ガス・水道などのライフラインが停まることを想定すると、最低3日、大規模災害の場合は1週間分の備蓄が望ましいといわれています。
食料・飲料・生活必需品などの備蓄の例(人数分用意しましょう)
飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
トイレットペーパー、ティッシュペーパー・マッチ、ろうそく・カセットコンロ など
※ 大規模災害発生時には、「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。
※ 飲料水とは別に、トイレを流したりするための生活用水も必要です。日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意する、お風呂の水をいつも張っておく、などの備えをしておきましょう。
(出典:首相官邸ホームページ
http://www.kantei.go.jp/jp/headline/bousai/sonae.html#c2)
実際は、このように備蓄しておいた非常食だけを食べて3日間をすごすのではなく、すでに自宅にある食材に先に目を向けてみましょう。
冷蔵庫内の食材は「冷蔵庫」→「冷凍庫」の順に食べましょう
トーヨーフーズ高橋さん:「災害時には、すぐに『防災食』『備蓄食』を思い浮かべがち。まず昨日まで食べていたものから食べていくのが重要なポイントです。それが入っているのは、みなさんの自宅にある冷蔵庫です」
たしかに、冷蔵庫には何かしらの食材が残っています。電気が止まってしまっていたら、普段のように調理すらできません。どのように食べていけばいいのでしょうか。
「非常時に電気が止まると、冷蔵庫はその瞬間から温かくなります。まずは冷蔵庫の物から食べてください。その次は冷凍庫のものです。冷凍庫のものはそれ自体が保冷材になっていますので、溶けにくいです。そのあとに常温保存している食パンやバナナなどを食べましょう」
※冷蔵庫・冷凍庫の食材は、気温や湿度によって状態が異なります。特に生ものや、賞味期限間近のもの等はよく判断しましょう。生肉・生魚等は必ず加熱してください。
もしカセットコンロの用意があれば、冷蔵庫の食材で簡単な調理ができます。あたたかい食事というだけでも、安心感を得ることができるかもしれません。
こうして「日常食」が無くなってから「防災食」「備蓄食」を食べ始めます。これが、災害時における理想の食事の流れです。
ここまでのまとめ
・味付けや栄養、食材の状態などいつも以上に食事に気を配る
・基本の備蓄は、最低でも3日分は用意する
・すぐに防災食や非常食を食べるのではなく、日常の食材から消費する
次のページでは、備蓄の食品を選ぶときのポイントと、ガスや火をつかわない簡単レシピをご紹介します!
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