「九品仏浄真寺」現世と彼岸と9体の阿弥陀如来像|身近な日本にであう街 第3話 【Woman.CHINTAI】
ディズニープリンセスとのキャンペーンディズニープリンセスとのキャンペーン

「九品仏浄真寺」現世と彼岸と9体の阿弥陀如来像|身近な日本にであう街 第3話

※100文字以内で入力してください。
       

九品仏という駅名の由来になったのは、駅のすぐ近くにある古刹「九品仏浄真寺」だということは知っていた。引っ越してきてから少し時間が経ってしまったけど、自分が暮らす街を古くから見守ってきたお寺にはきちんと挨拶に行こう。ふと思い立って、お散歩がてら足を運んでみることにした。

九品仏浄真寺

商店街の先に伸びる参道から立派な門が見える。その向こうには緑のトンネルが。門の前で一礼してから、いざ、九品仏浄真寺の敷地内へ。夏の生き残りのセミが鳴く声も、清々しい木漏れ日を浴びながら聞くと風流に感じる。

九品仏浄真寺

しばらく歩いていると、かわいらしいお地蔵様たちに遭遇。金の文字で「閻魔堂」と掲げられたお堂の中を覗いてみると、やっぱり閻魔様が。お地蔵様と閻魔様に順番にお参りをして、さらに奥へと進む。

九品仏浄真寺

左右に仁王像が立つ山門にたどり着くまでに、何人もの人とすれ違った。毎日のお参りを習慣にしている人も多いんだろうな。また一礼して、山門をくぐった。

九品仏浄真寺

目の前に広がるのは、外から見て想像していた以上に広大な敷地。立派な仁王像を見たときにも思ったけど、京都の有名なお寺にいるみたいな気分だ。ご近所にこんなお寺があるなんて、すごく贅沢なことなのかも。

九品仏浄真寺

カラっとした秋晴れの下、青々と茂ったイチョウの葉が風に揺れている。ひと際大きなふたつの古木は、東京都指定天然記念物の大イチョウと大カヤ。大イチョウは樹齢300年以上、大カヤはなんと樹齢800年以上と知ってびっくりしてしまった。

九品仏浄真寺

九品仏浄真寺

大イチョウと大カヤ以外にも、お庭全体が丁寧に手入れされているのがひと目で分かった。独特の静けさと緑に包まれていると、心が穏やかに澄み渡っていく。今、感じているリラックスした気持ちも、仏教の「癒やし」効果のひとつなのかな。

九品仏浄真寺

3つ並んだお堂は、それぞれ3体ずつの阿弥陀如来像を安置するための場所。この9体の阿弥陀如来像こそが「九品仏」と呼ばれるものなのだとか。

九品仏浄真寺

九品仏浄真寺

現在は修繕事業の真っ最中で、阿弥陀如来像は1体ずつ、順番にお留守にしている。まずは、3つのお堂の対面に設置された境内の中へ。中央奥に安置されたお釈迦様にお参りを済ませてから、帳場にお勤め中のお坊さんに、九品仏について詳しいお話を伺ってみた。

九品仏浄真寺

「今、わたしたちがいる釈迦堂は龍護殿とも呼ばれています。お釈迦様を龍が護っているんですね。お釈迦様は、もともとはわたしたちと同じ人間でしたから、こちら側はいわゆる『穢土(現世)』、阿弥陀様がいらっしゃる向かい側が『浄土(彼岸)』の世界になります」

九品仏浄真寺

九品仏浄真寺

極楽浄土は「上品(じょうぼん)」「中品(ちゅうぼん)」「下品(げぼん)」という3つの階層に分かれていて、生前の行いでどこに行けるか決まるのだそう。上品は無理でも、中品くらいには行けたらうれしいな……なんて考えていたら、「上品や中品に行けるのは聖人の方々。わたしたち一般人は、ほとんどが下品にたどり着くと言われていますね」とお坊さん。それならそれで、なんだかちょっと安心。

九品仏浄真寺

「上品、中品、下品は、それぞれがさらに3つの階層に分かれています。全部で9つの階層をひとつずつ受け持って治めているのが、9体の阿弥陀様。皆さんをお迎えにきてくださるのは下品の阿弥陀様である可能性が高いので、3つのお堂の中では下品堂が最も山門に近いんですよ」

九品仏浄真寺

閻魔様の前で現世の罪を告白して心を洗い流し、山門で仁王様に悪い部分を切り取ってもらい身体を清め、境内でお釈迦様に接見してから、身近な下品堂、中品堂、上品堂の順番でお参りをするのが、浄真寺が推奨する参拝コース。お寺って、仏教の世界観を手軽に体感できる場所でもあるんですね。思わず漏れてしまった素直な感想に、お坊さんが笑ってくれて安心した。

九品仏浄真寺

「9体の阿弥陀如来像と釈迦像に加え、由緒正しい仁王像や山門、閻魔堂などがここまで綺麗に現存している浄土宗のお寺はあまりありません。境内から見学できる枯山水の庭の模様をひと月ごとに変えたり、ゆるキャラ『きゅっぽん』のグッズをつくったり、地域の皆様に親しんでもらえるお寺づくりを進めていますので、いつでも気軽にいらしてくださいね」

九品仏浄真寺

九品仏浄真寺

特別信心深いわけじゃなくても、お寺や神社にいると心が落ち着くという人は多いと思う。古来より受け継がれてきた様々な文化を、構えずフラットに楽しむ心地よさ。大人になった今だからこそ、面白いと感じられる物事はたくさんある。

歴史あるこの街で暮らしながら、現在進行系の「日本」の魅力を探していきたいな。そんな風に感じた、穏やかな秋の休日だった。

九品仏浄真寺

九品仏浄真寺

東京都世田谷区奥沢7-41-3
TEL:03-3701-2029
参拝時間:9:00-16:30

取材・編集:菊地 飛鳥
企画構成:haletto編集部

写真:川瀬 一絵
島根県出雲市出身。忘れっぽいことへの焦燥感から写真を撮り始め、些細な体感を収集するように撮影を続けている。
近所や訪れた先々で適当に散歩して道に迷うのが趣味。

【身近な日本にであう街】の他の記事を読む

「あさひや」四季と風土と旨い酒|身近な日本にであう街 第1話

「D&DEPARTMENT TOKYO」47の個性とロングライフデザイン|身近な日本にであう街 第2話

※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。

※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

Woman.CHINTAIでお部屋探し!

Ranking

odekake Ranking