【scene 05 目白、静かなオアシス ― まわる東京、緑色の電車に乗って】 【Woman.CHINTAI】
 
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【scene 05 目白、静かなオアシス ― まわる東京、緑色の電車に乗って】

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目白駅前

目白駅に降りた回数は数えるくらいしかありません。新宿より北に行く機会がほとんどない私は、久しぶりに降りた目白駅の落ち着いた雰囲気を新鮮だと感じました。山手線外回りで渋谷や新宿の続きにあるこの街は、都会というよりは人が住む場所だと思ったからです。

目白駅前の道

今日の目的地は目白庭園。駅からは5分で着くとネットに書いてありました。地図が示す場所は大通り沿いではないようです。少し迷うかも、と思いながら歩みを進めます。向こう側には池袋の高層ビルが見え、こんなところに庭園があるのかと疑いにも似た不安を少し感じていました。

駅すぐの信号を渡り、まずは大きな通りを進んでパン屋さんが出てきたらその角を右折します。晴れていて暖かければここでパンを買って庭園で食べるんだろうな、と冬の先にあるうららかな春を想像しました。

パン屋

細い道を進むと、見えている民家と同じくらいの数の小さなお店があります。駅からも近くて閑静だから小さなお店にはちょうどいい立地なのかもしれません。着物屋さんやアパレルショップ、足を進めるとバレエに関するお店やギャラリーもあります。都心の住宅地ほど隣同士の家の距離が近くないことにも驚きました。

路地

キョロキョロしながら歩いていると、大きな家の向かいに、和式の門が現れました。そこには大きく「目白庭園」の文字があります。ちょっと気を抜くと一般の豪邸だと思って通り過ぎてしまいそうな門が目白庭園の入り口です。

門

ブラックボードに手書きで書かれたメッセージに人の気配を感じて、気持ちが温かくなりました。毎日どんなメッセージを書いているのか気になります。

目白庭園は豊島区の都市化や国際化が進む中で自然や伝統文化に触れる場所として、1990年に作られました。日本人の自然に対しての思いをぎゅっと詰め込んだ日本庭園の造りになっています。庭園の中心には池があって、それを囲むようにぐるりと道が通っています。

門をくぐると目の前には建物が、右手後方には受付のようなスペースがありました。

目白庭園の池

目の前の建物は「赤鳥庵」です。名前はこの地で大正に作られた文芸誌「赤い鳥」に由来しています。建物は京都の北山杉を用いた木造瓦葺き平屋建てで、園内を見渡せるようなつくりです。

目白庭園の池

赤鳥庵は予約をすると利用することができ、句会などに使われていています。イベントも開催されていて、和菓子づくりや、ただのんびりするだけというイベントも催されているらしく楽しそうだなと思いました。

目白庭園では、結婚式の前撮り撮影にもよく使われるようです。この日も一組のカップルが撮影していました。この日はあいにく雨でしたが、赤い傘とお着物が冬の庭園に映えています。

逆時計回りに庭園を歩くと、屋根がある東屋がありました。ベンチに座りながら池をのぞくと鮮やかな鯉の姿が見えます。雨の中、木で作られた小さな休憩所に座っていたので、映画『言の葉の庭』みたいだなと一人で思いました。あの映画の舞台は新宿御苑ですが、ここでも似たような雰囲気を感じられるのかもしれないと、そんなことを思いながら雨の降る池を眺めていました。

言の葉の庭

鯉

向こうに見える赤鳥庵の下はベンチになっていて、しかも雨が当たらないのでお昼ごはんを食べに来たサラリーマンや大学生らしき人たち、親子連れが休憩している姿もありました。改めて、暖かくなったら駅前のパンを買ってきてここで休もうと決めます。

目白庭園の池

ぐるりと庭園の中を歩いてみました。雪吊りされた木を見て「この前の大雪からは守られたのね」と話しかけたくなったり、名前を知らない木にかかっている札を見て木の名前を覚えたり、好奇心のままに動いてみます。途中には滝やそこから水が流れて池に通じる川があり、石で造られた道をぴょんと渡りながら進みます。小さいながらに自然の公園のような雰囲気を感じました。

池4

さっきは遠くから見ていた赤鳥庵の下のベンチは、池と距離が近いのでぼんやり時間を忘れるには最適な場所です。大学生のときにここを知っていたら、授業を抜け出して友達とゆっくりおしゃべりするなあと想像しました。

火のマリ

目白庭園は春になると花が咲き、秋になれば葉が色づき、夜にはライトアップされる季節もあるそうです。冬の空の下では、椿が花をつけ、春を待ちわびる蕾たちがじっと寒さに耐えているようすも見られました。池にはカルガモの親子も見られるそう。

牡丹

ふと、小さく踏切の音が聞こえます。そのときに「そういえば住宅街にいるんだった」と思い出し、こんなにも静かな庭園が駅から5分の場所にあるんだと改めて驚きました。目白は用がないと来ない場所だったけど、少し歩くとたくさんの新しい発見がありそうです。

冬の花

春になったらまた来よう。そう思いながら、もう一度門をくぐり目白駅に戻りました。

踏み切り

目白庭園

東京都豊島区目白3-20-18
TEL:03-5996-4810(目白庭園管理事務所)
料金:無料
開園時間:9:00-17:00 / 9:00-19:00(7月、8月)
休園日:毎月第2・4月曜日(月曜日が祝祭日と重なる場合は、その翌日が休園日)、年末年始(12月29日~1月3日)

取材・執筆:ツチヤ トモイ
企画構成:市井 了
編集:haletto編集部

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※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。

※金額など掲載されている情報は記事公開時点のものです。変更されている場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

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