【scene 05 ― そこへ、東京トランジット】広い空と、海と ― やっぱりひとりで過ごすhouse 【Woman.CHINTAI】
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【scene 05 ― そこへ、東京トランジット】広い空と、海と ― やっぱりひとりで過ごすhouse

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江ノ電

昼過ぎに横浜の自宅を出発し、JR東海道線で大船方面へ。列車に乗ると、旅が始まったような気がしてわくわくする。藤沢駅で江ノ電に乗り換え、腰越駅に到着。

江ノ電

いつもなら、旅先のお店をリサーチして行くのですが、houseにはマップが用意されていると聞き、スマホで調べかけた手をストップ。「街・家・泊」というメッセージを楽しんでみようと思いました。

15時のチェックインまで時間があったので、まずは海沿いへ。雲がかかっていましたが、比較的あたたかかったので砂浜を歩きました。久しぶりの波音に、深く深呼吸。どんな二日間になるのかな。

砂浜

坂道になった国道沿いを進むと小動神社がありました。風もないのにゆれる松「小動の松」が頂上にあったことが由来だそう。手水舎で清めたあと、境内に続く階段を登ると、鳥居の間から太陽が差し込みました。いい旅になる予感。

小動神社

小動神社

静かな境内を歩くと自然と心が穏やかに。小動神社は、商売繁盛や家内安全にご利益があるそうなので、一年を感謝しつつ、より良い仕事をしていけるようにお願いしました。

本殿のほかにも金刀比羅宮(ことひらぐう)や海神社(わたつみじんじゃ)など海にまつわる神様も。お稲荷さんもいらっしゃいました。

小動神社

境内の奥には展望スペースがあって、太平洋が一望できます。少しずつ暮れかけた日が海に反射して、何時間でもここに居たくなるほど。

小動神社

太平洋

この場所から聞く波の音は、いくつもの波音が重なって聞こえます。西側からは波が埠頭に打ち付ける音が、東側からはちゃぷちゃぷと波が遊ぶ音。同じ海の波がこんなにも違うリズムを刻んでいるのを聞くのは初めてで、思わず耳を澄ませます。そして、haletto houseへ向かいました。

haletto house

haletto house

本当に住宅街の中にあるんだ、というのが最初の印象。民家を改造した宿というよりは、田舎のおばあちゃんの家に来たような感じ。玄関を開けると、左手にキッチン、真ん中に二階へ続く階段、右手には和室が見えます。なぜか「ただいま」と言いたくなるあたたかさがありました。

haletto house

階段にはhouseからのお手紙が。無人ですが、どこか心が通った場所だと思い安心します。今日は私の家! と言わんばかりにすぐにコートを脱いで、家の中を見て回りました。

一階の和室は広く、ほんのりと畳の香り。テーブルにはマップと腰越のさまざまな表情が切り取られた写真集がありました。キッチンも二階の部屋も、清潔。シンプルながら、自分の家みたいです。肩肘張らずに過ごせそうな気がしました。

haletto house

空

まずはマップを眺めて今日の夕飯を決めることに。名物の生しらすは絶対に食べよう! と決めていましたが、「腰越漁港直売所」ではその日に捕れた魚をフライにして販売しているんだとか。これは絶対に食べなくては! まずは「腰越漁港直売所」へ向かうことに。

腰越漁港直売所

16時を過ぎていたので残念ながらアジは売り切れでしたが、かますのフライをいただくことに。注文をした後、「できるならアツアツを食べたい……」と思い、ダメもとで「今から向かいのお店でごはんを食べるんですけど、後で受け取りにきてもいいですか?」と聞くと、「17時までやってるからとっておくから大丈夫よ、ゆっくり食べておいで」と快く笑顔で送り出してくれました。こういうあたたかさで、一気に腰越の街が好きになりました。

しらすや

しらすや

夕食は向かいの「しらすや」さん。生しらすと釜あげしらすの二色丼をいただきます。お刺身を食べる感覚ともまた違う、なめらかな生しらすはご飯が進みます。あっという間に完食! この街に住んでいたら、何度も生しらすが食べられると思うと、引越したいと思ってしまいます。

お腹がいっぱいになったところで、さて、かますのフライを受け取りに。「そろそろ戻って来る頃だと思ったから、あげてるところなの」と、とてもチャーミングな笑顔で迎えてくれたお母さん。しかし、「この間も来てくれたよね?」と、私は誰かと間違えられていたようです。

しらすや

houseに泊まっていることを話すと、「2020年のオリンピックに向けて腰越にいろんな宿泊施設ができてるんだよ。でもオリンピックが終わったらどうするんだろうね?(笑)」と、お茶目なお母さん。

「今後はアジがあるときに来ます!」と言い残し、1枚おまけしてくれたかますのフライを持ってほくほくした気持ちで「腰越漁港直売所」を後にしました。そして、さっきいった小動神社から見た景色が忘れられず、もう一度展望台に行くことに。フライを抱えながら神社に行くのは気が引けたので、バッグにしまいます。

海岸

「やっぱり」と思わず言ってしまいそうな景色。空と海の境目がわからないほど、同じ色に染まっていました。この街の人は、毎日こんなに美しい空と海を見ながら暮らしているんだなと思うと、暮らす街を選ぶことの大切さを感じます。

明日の朝食を買うために歩いて5分ほどのスーパー「YAOMINE」へ。知らない土地で買い物カゴを持つのは、とても新鮮。果物と飲み物を買って帰ります。

江ノ電

かますのフライを盛り付け、気分だけでもとノンアルコールビールをいただきます。フライを温め直す手間を惜しんで一口食べると、冷めているのに柔らかくて甘くて驚きました。さっきのしらす丼はどこへやら、そのまま温め直すこともなくぺろりと完食。

houseにはテレビがないので、隣の家の子どもたちの声や踏切、電車が通り過ぎる音が聞こえます。町の音を聞きながら過ごす夜は、心地よいものでした。

夕飯も早めに済ませてお風呂に入り、贅沢に寝室で過ごすことにしました。デスクに備え付けられた文房具箱の中にはレターセットや文房具が用意されています。文房具好きとしては、とてもうれしい宝箱。

レターセット

レターセット

書斎

いつも旅にはレターセットを持って行き、そのときに思い浮かべた人に手紙を書くことにしています。頭の中がごちゃごちゃしているときには、日記を書くことも。この日は、レターセットをお借りして、日頃お世話になっている方々にお礼のお手紙を書きました。

本

私のもうひとつの旅道具は、本。今の自分に足りないものを埋めてくれそうな本を直感で選びます。持って来た本がしっくりこないときには、旅先で買うことも。今夜の一冊は、佐久間裕美子さんの「ピンヒールは履かない」をチョイス。読む余裕がなく、読みかけになっていたので、今だ! と思い持ってきました。

空

日常の慌ただしさの中にいると、本を読んでも上の空になってしまったり、せっかくのヒントにも鈍感になってしまったりするときがあります。大切に読みたいと思っていた本と、更けていく夜をゆったりと過ごしました。

まだ薄暗い午前六時、朝焼けを見に行こうと決めていました。腰越のこの日の日の出時刻は六時半。少し寝坊してしまったので、慌てて出発。電車の窓から流れるグラデーションを眺めながら、稲村ヶ崎駅で下車。

江ノ電

夕日

冬の朝のツンとした空気と波の音、だんだんと明るくなっていく空はとても満ちたりた気持ちをくれました。この日の神奈川の最高気温は18度、11月とは思えない予報でしたがあたたかくてラッキーでした。せっかくなので七里ヶ浜まで歩くことに。だんだんと明るくなっていく空を眺めながら、のんびり帰ります。

腰越

帰宅して、朝食用に昨日買っておいた果物をいただくことにしました。「もしかしたら一日の始まりってこういうものなのかも」と考えつつ、柿をつまみ食い。あやうく全部食べてしまうところでした。

フルーツ

朝食は帰りがけに七里ヶ浜のコンビニで買ったコーヒーと、果物。昨日の本の続きを読みながら、チェックアウトまでのんびりと過ごします。

フルーツ

全体が見渡せるこのソファがお気に入りの場所でした。荷物を整理して、忘れ物がないかチェックして、部屋をできるだけ元の状態に戻すのが私の旅のルール。名残惜しい気持ちで、鍵を返します。

haletto house

鍵

踏切の音、街が動きだす空気を感じながら、江ノ電へ乗り込みます。今度来るときには、一番に朝捕れフライを買いに行こう。朝日を小動神社のあの岬から眺めるのも良いかもしれません。

腰越

小動神社

神奈川県鎌倉市腰越2-9-12
TEL:0467-31-4566
アクセス:江ノ島電鉄 腰越駅から徒歩6分

腰越漁業協同組合直売所

神奈川県鎌倉市腰越2-9-1
TEL:0467-32-4743
営業時間:13:00-17:00
定休日:水曜日・金曜
アクセス:江ノ島電鉄 腰越駅から徒歩3分

取材・執筆:橋本 結花

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※この記事は、2019年11月までおでかけメディア「haletto(ハレット)」で掲載されていた内容を、公式に転載したものです。

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