鉄筋コンクリートは賃貸におすすめ？鉄骨・木造などとの違いと特徴を解説

鉄筋コンクリート（RC造）とは、内部に鉄の筋を入れたコンクリートによる構造のことです。鉄骨や木造、軽量気泡コンクリートなどとの違いは？耐久性や防音は？分かりやすく解説します。

鉄筋・鉄骨・木造などの違い

鉄筋と木造の違いは何となく分かっていても、鉄筋と鉄骨の違いはよく分からないという方も多いのではないでしょうか。まずは鉄筋コンクリートをはじめとした、耐久性や防音性など、様々な違いについて見ていきましょう。

参照元：
【耐用年数（建物・建物附属設備）】国税庁
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php
【建物の標準的な建築価額表　（単位：千円／㎡）】国税庁
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/kisairei/joto/pdf/013.pdf
一般社団法人ALC協会
http://www.alc-a.or.jp/

鉄筋コンクリート（RC造）

中に鉄筋を入れることでコンクリートを強化した構造です。Reinforced Concrete“強化したコンクリート”を略してRC造とも呼ばれ、中低層の建物によく使われています。

鉄骨鉄筋コンクリート（SRC造）

頑丈な鉄骨の周りに鉄筋とコンクリートを流し込んでさらに補強した構造です。Steel Reinforced Concrete“鉄骨で強化したコンクリート”を略してSRC造とも呼ばれ、高層マンションなどでよく使われています。

木造（W造）

建物の構造や骨組みが木材で造られたもので、Wood＝“木”を略してW造とも呼ばれます。戸建てでは大黒柱によって家を支えているのが一般的です。また、アパートなどでも木造の建物が存在します。

軽量気泡コンクリート（ALC造）

内部に無数の気泡を持つ材質で、鉄筋が入ったパネルを使用する構造です。Autoclaved Lightweight aerated Concrete“高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート”を略してALC造とも呼ばれます。木造よりも耐震、遮音、耐火、断熱等に優れ、コンクリートよりも軽量で工事コストが抑えられるといった特徴があります。

鉄筋コンクリートの構造と特徴

では次に、鉄筋コンクリートがどのような構造になっているのか図を使って分かりやすく解説いたします。さらに、鉄筋コンクリートの特徴についてもじっくりと見ていきましょう。

基本的な構造

「鉄筋コンクリート」は、名前のとおり鉄筋とコンクリートで構成されています。「鉄筋」は、引っ張られる力に対して強く、圧縮される力に対して弱いのが特徴です。逆に「コンクリート」には、引っ張られる力に対しては弱く、圧縮される力に対しては強いという特徴があります。このように鉄筋とコンクリートそれぞれの長所を活かし、短所を補ったのが「鉄筋コンクリート」の構造なのです。

主な特徴

それでは、鉄筋コンクリートの主な特徴について説明していきます。

【耐用年数】
減価償却資産としての計算の基準となる年数です。鉄筋コンクリートの法定耐用年数は47年で、木造の22年の倍以上もあります。また、耐用年数が過ぎたからといって寿命が来たというものではなく、実際の耐久年数は建物によって差があります。

【防音性】
RC造とSRC造はともに木造などに比べ防音性に優れた構造です。コンクリートは密度が高いので、遮音効果も期待できます。厚みや建物の状況などよって差はありますが、生活音が外に漏れる心配が少なく、外からの音も気になりにくいでしょう。

【遮熱性】
遮熱とは太陽光などの熱を反射して熱を伝わりにくくすることをいい、鉄筋コンクリートに遮熱性はほとんどありません。遮熱するには外壁や屋根に「遮熱材」を取り付けることなどが必要です。

【耐震性】
「鉄筋」は引っ張りに強く、「コンクリート」は圧縮に強いことから、鉄筋コンクリートには両方の力を活かして地震に耐える強度があります。耐震性でいえば、SRC造の方がRC造よりも優れています。

鉄筋コンクリートの賃貸物件はこんな人におすすめ！

鉄筋コンクリートは防音性に優れ、地震などにも強い耐震性があることが分かりました。このような特徴を踏まえ、鉄筋コンクリートの賃貸物件がどのような条件の人におすすめなのか、見ていきましょう。

部屋で楽器を演奏したい方

鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートは防音性に優れていることから、楽器を演奏するなど部屋で音楽を楽しみたい方におすすめです。お部屋を探す場合、まずは構造を確認しましょう。ですが、絶対に音が漏れないということではないので注意が必要となります。

隣の家との境の壁もRC造やSRC造になっているか、壁と壁の間に断熱材が入っているかなども重要なポイントです。防音性に優れた構造というだけで安心せずに、細かな点も不動産会社に確認するようにしましょう。「楽器可」や「防音室あり」などの物件を探すのもおすすめです。

耐久・耐火がしっかりした物件に住みたい方

これはほぼ全ての人が望む事とは思いますが、耐久性や耐火性の高さは部屋探しにとって重要な課題です。その点、鉄筋コンクリートは耐久性・耐震性に優れ、火災に強い耐火構造になっているので、地震などの自然災害や火事の時には被害を最小限に抑えることができます。

また、耐火構造と似た言葉に「耐火建築物」というものがあります。これは耐火構造の建物に防火設備が設けられている建築物のことで、建物全体が火災に強くなっています。耐火構造だけでなく耐火建築物であるかも確認するとさらに安心です。

デザイン性の高いおしゃれな物件に住みたい方

鉄筋コンクリートの部屋には、コンクリート打ちっぱなしなどのデザイン性の高いおしゃれな部屋が数多く存在します。おしゃれにこだわったお部屋やデザイナーズマンションに住みたい方におすすめです。価格的にもSRC造の高層マンションよりも、RC造のデザイナーズマンションの方がリーズナブルに住むことができます。

またいろいろなデザイナーズマンションのお部屋で暮らしてみたい方や、デザイナーズマンションでの暮らしが合うか試してみたい方にも賃貸が向いているでしょう。

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