壁に貼った防音シートは効果ある？選び方のポイントとコストをご紹介

マンションやアパートに住んでいると、音が気になるという方も多いのではないでしょうか。周りからの音だけではなく、自分が出す音が騒音になっているのではと気になる方もいるでしょう。

そういった問題を解決するために利用されるのが防音シートです。しかし、防音シートには防音効果が期待できる音と、あまり期待できない音があります。今回は、防音シートで防げる音と防げない音の種類、そして効果的な貼り方について解説します。

利用を検討している方は参考にしてください！

防音シートとはどのようなものか

 

防音シートというのは、発生する音を低減してくれるシートのことです。同じようなものに「遮音シート」というものもあります。遮音シートは防音対策に使われる商品で、本来は壁の内側に使われている建築材です。しかし、これを壁の外側に貼って騒音防止に活用することもできます。

最近はDIYが流行っていますが、DIY向けの遮音シートも色々出ており、中には、樹脂でできていて暑さが1.2mmのものもあります。こういった遮音シートと使うことで、隣への音漏れを低減させることも可能です。

賃貸物件に住んでいて、隣に音が漏れていないか気になる時に活用できます。遮音シートはDIYの品としては上級向きですが、賃貸物件で使用できるシートもあるので、そういった商品を使用するとよいでしょう。

大切なのは退去する時に原状回復できるものかチェックしておくことです。賃貸物件は退去する時に元通りの状態にする必要があるので、原状回復が難しい商品を使ってしまうとトラブルの元になります。

防音シートの種類

防音シートには色々な種類があり、それぞれ値段や効果が変わってきます。一般的に多く販売されているのが、樹脂製の薄い防音シートです。元々建物の内部に使われるシートのため、建材メーカーから販売されている場合が多いですが、通販などを利用することで安く手に入れることができます。防音効果はそれほど高くはないですが、話し声やちょっとした物音などは十分防ぐことができるでしょう。

また、不織布を貼ったゴムマットも良く使われています。ゴムマットを使っているということで、樹脂を使ったタイプよりも振動に強いシートです。防音だけでなく防振効果も期待できるので、振動を発するような音を防ぐのに適しています。

楽器などは音だけでなく振動も発することが多いので、そういった防音にはゴムマットタイプの方が向いているでしょう。

防音シートの中でも、特に防音効果が高いのが金属粉入りの厚いシートです。厚さもしっかりとあり、中に金属粉が入っているということで、他の薄いシートよりも防音効果が高くなっています。そのため、他の防音シートよりも価格は高めになってしまいますが、防音効果の高さを求めている人はこのタイプを選ぶと良いでしょう。

防音シートの効果的な貼り方

防音シートは貼り方によっても効果が変わってきます。効果を最大限発揮するためにも、正しい張り方を知っておきましょう。

まず、一番簡単なのは壁に直接貼り付ける方法です。シートを壁に貼り付けるだけで防音効果が得られるので、誰でも簡単に作業できます。しかし、直接壁に貼り付けてしまうと、剥がすのが大変な場合もあるので、賃貸物件で使う場合には注意が必要です。簡単に剥がせるようになっているタイプもあるので、そういったものを使用すると良いでしょう。

また、防音シートの効果を高めるために、防音マットなど他の防音商品とセットで使うのもおすすめです。防音シートを壁に張り、防音マットを床に敷き詰めればかなり防音効果が高まります。

壁だけではなく、床からも音はかなり抜けてしまうので、特に下階への音が気になるという方は防音マットと組み合わせて使うようにしましょう。

他にも、防音シートの中には吸音材と合わせて使わなければならないものもあります。防音シートというのは音を跳ね返す効果があり、シートだけでは音が部屋に反響してしまう場合があるのです。それを防ぐために、シートの上に吸音材を使わなければならないものもあるので注意しましょう。

防音シートの効果って？軽減できる・できない音について

防音シートというのは、ありとあらゆる音を軽減できるわけではありません。軽減できる音、できない音があるのでそれを理解した上で使うことが大切です。では、防音シートで軽減できる音とできない音について詳しく解説していきましょう。

防音シートの軽減効果が期待できる音

建物を伝わっていく音というのは様々なものがあります。人の声やテレビの音、楽器の音などがありそれぞれ音の特徴が変わるので、防音シートによる軽減効果の出方も変わるというわけです。

防音シートは高音や中音を防音しやすいという特徴があります。例えば、人の声などは高音や中音を多く含むため、防音シートで十分な軽減効果が期待できます。友達が来た時の話し声や、電話の話し声などそれほど大きくない声なら、防音シートで十分対策ができるでしょう。

他にも、テレビの音も防音シートで軽減することができます。ただし、テレビの音を別のスピーカーで出したり、映画を見る時にサラウンドのスピーカーで大音量で鳴らす場合には注意が必要です。

また、スピーカーによってはウーハーがついているものもあり、低音が大きく出てしまう場合もあるので防音シートでもそれほど音を軽減できないことがあります。

防音シートを使ってもあまり効果がない音

高音や中音の防音には効果を発揮しやすい防音シートですが、あまり効果が期待できない音もあります。それは低音や重低音です。防音シートは音を反射させたり吸収することで、防音効果を発揮するものです。音を軽減する効果はあるのですが、振動を防ぐ効果はあまりありません。

低い音というのは高い音に比べると振動が大きくなります。どんなに音を軽減させても、振動はそのまま伝わってしまうため、隣の部屋や下の階に音が伝わってしまうというわけです。では、部屋の中で起こる低音や重低音にはどういったものがあるのか見ていきましょう。

ダンスなど激しい動きをする時の音

 

重低音や振動音を苦手とする防音シートですが、部屋の中でこういった音が発生する原因は色々あります。

まず、良くあるのが走り回った時の足音でしょう。足音は床が振動してしまい、それが下の階へ騒音として伝わるため防音シートで防ぐことは難しいです。他にも、ダンスなど激しい動きをする時の音にもあまり効果は期待できません。

また、テレビの音は防音シートでも軽減することができますが、オーディオの音には注意が必要です。オーディオはテレビのスピーカーと違い、重低音を出しやすくしているスピーカーも多くあります。こういったオーディオで音楽を聞くと重低音が大きく出てしまい、防音シートだけでは音を軽減するのは難しいです。

さらに、鉄筋コンクリート造の部屋の場合、防音シートを使ってもあまり効果は得られません。鉄筋コンクリート造というのはすでにかなり厚い壁になっています。にもかかわらず騒音に悩んでいるようなら、防音シートを貼った程度ではそれほどの変化は期待できないでしょう。

大工作業や楽器演奏の時に出る振動音

 

家でピアノを弾きたいという方で、防音シートを使おうか迷っている方もいるかもしれません。ピアノの音を軽減する効果は防音シートにもあるのですが、注意したいのがピアノペダルの振動音です。

ピアノペダルは思いの外振動を出してしまいます。音は軽減することができても、ピアノペダルの振動はなかなか防ぐことができません。防音シートだけでは下の階への振動を消す事は難しいので、何か他の対策を考えたほうが良いでしょう。

また、日曜大工などで発生する振動音も、防音シートで防ぐことは難しいです。家の中でそれほど大きな作業をする方は少ないかもしれませんが、トンカチで釘を叩いたり木を切ったりする作業は、音だけではなく大きな振動も発生させてしまいます。

こういった振動は壁を伝って他の部屋にも伝わりやすいので、防音シートだけでは防ぐことができません。周りへの騒音が気になるようなら、外で作業するか振動にも効果のある防音対策をする必要があるでしょう。

防音シートでも騒音を改善できない場合はどうするの？

 

どんなに防音シートで対策をしても、防ぎきれない音というのはあります。どうしても防音シートだけ改善できない場合は、防音マンションを探すというのも一つの方法です。

マンションには木造や鉄筋コンクリート造など様々な種類があります。木造よりも鉄筋コンクリート造のほうが音は伝わりにくいので、マンションを探す時に鉄筋コンクリート造のものを選ぶようにするのも良いでしょう。

中には、部屋の中に防音ユニットルームがある賃貸もあります。楽器を弾く人などはこういった物件を選んでおくと、騒音に関するトラブルを防ぐことができます。

また、元々楽器演奏ができるように建物全体の防音が強化されている賃貸もあります。こういった物件は特に大都市圏に多いです。大都市圏で部屋を探す時は、防音対策がしっかりしたマンションを見つけやすいので、防音対策を重視する方は探してみましょう。

もし、大都市圏以外でこういった物件を探している場合は、音楽系の学校が多い地域を探してみると良いです。このような地域は防音対策された物件の需要が高いため、比較的見つかりやすくなっています。

防音シートの効果がない時は、防音に優れたアパートやマンションを探そう

 

防音シートという名前から、ありとあらゆる音を防ぐことができると勘違いしている方もいます。しかし、実際は防ぐことのできる音や振動の範囲は限られています。オーディオの重低音や激しい動きをした時の振動など、防音シートだけでは対策が難しいものも少なくありません。住み始めてからこういった対策に悩まされるくらいなら、最初から防音効果が期待できるマンションを探したほうが良いでしょう。

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